真冬の夜の帰り道

月の光が二人をつつむ

君が 寒い と言ったから
僕は自分のマフラーを君に巻いてあげた
君は ふふっ と、僕に笑いかける

真冬の夜の帰り道

二人の会話は終わらない
君は言う
片想いしてた彼に彼女ができたと

君が さみしい と涙声になったから
僕はハンカチを差し出すと
君は何も言わずに受けとった

真冬の夜の帰り道

君の家までもう少し

君が さよなら と言ったから
僕は笑って手を振った
君は僕にマフラーを巻いて帰っていった

真冬の夜の帰り道

君の温もりを感じながら歩く

君が さみしい と言った時
泣きたかったのは僕だった


君が さよなら と言った時
本当は…

本当は

君を奪いたかったんだ


真冬の夜の帰り道

月の光は

僕には届かない