手術が決まりいよいよ手術室へ

流れる天井の照明 

 

麻酔が効いてきたのかこの辺から

意識が飛び飛びです。

 

僕が覚えているのはクリアではっきりとした夢なのか現実なのか分からないほどの物語。

頭の中では現実とは別のストーリーが展開されていました。

 

ここからはその夢のストーリーになります。

 

手術を拒否した僕はこのまま虹の橋を渡ることを希望

安らかに逝かせてほしいとドクターと家族に告げます。

家族が見守る中 メモリの付いたポンプのような注入器のようなものを腕に刺されます。その中には薄い黄色の液体、炭酸のような泡がたっている。

やがて注入が始まり半分ほど注入されたときに家族が

「今どういう状態ですか?」とドクターに尋ねます。

「今 心肺停止の状態です」と返答。

いかし僕の目はまだキョロキョロとあたりを見渡している。

家族が「まだ目が動いていますよ」と告げるとドクターは

「おかしいな こんなことは初めてです」といい

「全部注入してみましょう」と残りの液体の注入を開始します。

液体がなくなっても僕はまだ目をキョロキョロさせている。

「このまま火葬場につれていかれたらどうしよう」と変な事を心配している。

ドクターは「学会でこの事例を報告してもいいでしょうか」と家族に話している。

 

そこでいきなりシーンが変わる。

 

高校の制服をきた僕が親友とキャッチボールをしている。

昨年の暮れ亡くなった親友は中学校時代軟式野球部でピッチャーをしていた。

高校の帰りによく二人でキャッチボールをしたものだ。

切れの良い球が僕の構えたミットにいい音で納まる。

何球か投げた後 ニコニコしながらいきなり彼が大暴投をした。

それもかなりの暴投だ。

僕は後ろに球を追いかけていく。

コントロールのいい彼がわざと暴投した感じだ。

「お前なあ。わざとだろ・・」と振り返ると彼の姿は消えている。

あたりを探すがいない。その時 僕の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

声はだんだん大きくなりふと気が付くとドクターが僕の名前を呼んでいた。

「わかりますか?手術は無事成功しましたよ!」とドクターと看護師の方がICU(集中治療室)で僕を囲んでいた。

僕は第一声「なんで死んでないんですか?」

「もう!なんてこと言うんですか!」と看護士さんから怒られた。

 

今思えば 液体を注入されて生きていたことも、

親友が大暴投したのも 

「お前はまだこっちに来るのは早い」という

そんなメッセージだったのではないだろうか。

なんで二回 はっきりと違う夢を見たのか。

後に「それでか」と思いあたる事実が判明するのだが。

まずは ドクター 家族 看護士さん わが友よ ありがとうございました。