「あーっ!」
部室内に響き渡る金ちゃんの声。その様子はまさにこの世が終わるような感じだ。
「どないしたんや?」
俺、白石蔵ノ介は優しく声をかける。間違ってもこん時の金ちゃんは刺激したらあかん。
金ちゃんは、ゆっくりとこちらを向き、叫ぶ。
「ワイのたこ焼きがあらへん!」
そう言って、泣きわめく。取り返しのつかないことになってしまった。金ちゃんは言うなれば、中学生だけど小学生低学年レベル。自分の大好物たこ焼きがなくなったのだから、大事件だ。
「なんや、金太郎さん。たこ焼きどないしたん?」
小春が話しかける。取り敢えず、落ち着かせるためには泣き止ませなくてはならない。そう判断したのだろう。
「ここにあったんや~!ワイのたこ焼き!」
だが、事態は悪化していく。泣き止むどころか、部室内を騒ぎ回っている。今なら毒手も効かないかもしれない。というか、話を聞いてくれないだろう。
「先輩ら、突っ立ってないで何とかしてくださいよ」
呆れたように財前が言う。その隣でユウジが答える。
「んなこと言うたって、小春が無理やったんやったら、俺にも無理や!」
そして、頷いた財前が師範と小石川の方を見る。二人は何やらごそごそと部室内を何かを探しながら歩いている。金ちゃんのためにたこ焼きを探しているのだろう。そんな二人に一応聞いてみる。
「見つかった~?」
二人は声を揃えて答える。
「あらへん」
途方に暮れかけている二人を見ていると、黙っていた謙也が言ってはいけないことを言った。
「こんだけ探してあらへんのんなら、誰かに食われたんやないか?」
今まで騒いでいた金ちゃんが止まる。一気に沈黙が走る。そして、金ちゃんが口を開く。
「…誰や」
明らかにいつもの金ちゃんではないようだった。なんと言うか、怖かった。そして、一斉に謙也を睨む。すると、金ちゃんが謙也に近づく。
「な、何?金ちゃん…」
「謙也か?ワイのたこ焼き食ったの!」
「違うで!?神に誓って!」
「あやしーなぁ。なら、誰や?」
金ちゃんは改めて皆に聞いた。そして、こっちを向く。それに合わせて皆もこっちを向く。
「何や?」
すると、金ちゃんが答える。
「白石が食うたんか?」
このまま犯人探しとかたこ焼き探ししてたら、時間が無駄だし、金ちゃんが誰かを疑うのも、皆が疑われるのも見たくなかったから、俺はこう答えた。
「そうや…よう見破ったなぁ。堪忍な!お腹が空いててん…帰りに奢ったるから!許してや!」
すると、金ちゃんが遠慮がちに「奢ってくれるん…?」と聞いてきたので「もちろんや!」と返す。
その時、小春が金ちゃんの手を指差しながら金ちゃんに聞く。
「金太郎さん、それなに持ってはるん?」
金ちゃんの手には、こけしが握られていた。その瞬間、金ちゃん以外のメンバーの頭中に一人の人物が浮かんだ。
「たこ焼きが置いてあったところにあったんやで」
と金ちゃんが答えた。すると、部室のドアが開き、そこにはオサムちゃんが立っていた。
「まさか…」
白石が発言しようとした時、オサムちゃんが話し出す。
「そこのたこ焼き食ってもうてん、そのとっておきのこけし置いといたん分かった?」
プチッ
何かが切れる音がした。それと同時に金ちゃんがこけしをオサムちゃんに投げつける。
「オサムちゃんのアホっ!白石なら許したろうと思ったのに、許さへんで!」
と大きい声で叫ぶ。白石は少し恥ずかしくて顔を赤くする。そして、金ちゃんはオサムちゃんに罵声を浴びせ続けた。さらに、皆も疑われたりしたからか、オサムちゃんを責める。
さすがに可哀想になってきたので、手に巻いた包帯を外す素振りをしながら皆に言う。
「そこまでや!それ以上言うたら毒手やで!」
すると、皆口を閉じる。金ちゃんは青ざめている。毒手と言うことで、金ちゃんは恐怖を味わい、その他はそれだけ本気だということを分かったようだ。
そして、オサムちゃんの方を向いて、なるべく優しく言う。
「帰りに奢ってな!」
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( ノ゜Д゜)こんにちは
久しぶりのテニプリ!感動ですw
今回は四天宝寺でした。
関西弁がわかりません( ;∀;)
それでは、リクエスト、コメント待ってます!ノシ