いよいよ、作曲仮面の作曲入門のチャプター1の配信が始まりました。
今回は立ち上げからだったので、大道具、小道具をCGで描くところから始めて、相当な時間がかかりました。
色々なアプリケーションを検討しましたが、結局3Dは昔一時期ハマって当時は使い慣れていた「Shade3D Basic ver.17|オンラインコード版」を選択しました。しかし知らぬ間にバージョンが10もアップしていて、私の頭の方はバージョンアップしていないものですから、使えるかな?と不安にもなりましたが、やはり一度覚えたものは忘れないものですね。人生、何が役にたつか分かりませんよ。
2DはLive2Dで描き始めたものの、こちらは敢え無く挫折。結局子供でも使えるという9VaEにしましたけど、これがいい味になりました。Live2Dもいずれまた挑戦してみたいものです。
ところで今回の作曲入門チャプター1、「音の引力」の内容は一般的な理論解説書とは切り口が違うと思います。
音階の音を一コ飛ばしで積んでいくと和音になる、というよくある説明は、実践的ではありますが、なんでそうなるのか、よく分かりませんね。
私の解説は、ジャック・シャイエ(Jacques Chailley)の「音楽分析」という本を読んだ経験が土台になっています。リンクを貼ろうと思ったのですが、とっくの昔に絶版らしく、何ら情報すら出てきませんね。残念。逆に言えば、私の説明の仕方は今では貴重かも知れませんね。
楽譜は今回はあまり出てこなくて、出てきてもイメージ映像的な扱いなのですが、アレルギーのある方は、この機会に楽典の本を見てみるのもよろしいかと思います。最近手に取ったものの中では「読んでわかる! きいてわかる! 楽譜の読み方 大人の楽典入門」が良かったと思います。
かつて日本では作曲を学ぼうとすると、「和声―理論と実習 (1)」から、というパターンが多かったんですね。これは私の今回の解説のように和音の機能というものを考える上では確かに土台となる知識を与えてはくれます。
しかし、今、読み返すと、古典に依拠しているとしつつも、何が根拠なのかよく分からないルールも沢山書いてあって、禁則も何で禁止なのかが分かるような書き方はされていないんですね。音大入試の課題を解くことを目的としているようなところがあって、古典作品の譜例は一切登場せず、本質論もあまり出てきません。
これは、ポップスにせよ、サウンドトラックにせよ、今時の商業的な音楽をやろうと思っているのだったら、遠回りですね。特に問題なのは、クラシック2大のルールとも言える、非和声音の解決と、連続5度の禁止というのが、今日すっかり捨て去られているにも関わらず、そこに腐心するハメになってしまうことです。
結局、連続5度になるからダメなんだろ?みたいな事でもそうとは書いていなくて、別のルールみたいな書き方なんですよね。アカデミックですよね。
かと言って巷によくあるような、いきなり全部のコードの一覧表が出てくるような解説書は見るだけで気が遠くなりますよね。これをバスや電車の中ででも覚えろって言うのか、って思いますよ。
イギリスで見聞したところでは、John Meheganの「Tonal and Rhythmic Principles: Jazz Improvisation」という本が定番で、即興の解説書でありながら理論の基礎がよく分かります。
しかし、別にスタンダードを演奏したり即興でソロを弾きたい訳じゃない、って時にはやっぱり少々遠回りです。
そんな訳で、和音の成り立ちの本質論、和音の機能、キーを変えるという3段階で解説をした、私の、この作曲入門が一番ですね!
特に作曲する気が無くても、音楽とはこういう風に出来ているのか、と思うだけでも楽しめるというところを目指しました。
是非、お楽しみ下さい。補遺を思いついたら随時ここに書きたいと思います。