遠い昔、私が願ったこと。
思い出すのは、重ねた手のあたたかさ。
独り用の布団はふたりには狭くて、それでも若い私たちには、それが一番だった。
叶うものなら、もういちど。
あなたの隣で眠りたい。
幾千回見た、白昼夢。
「約束したものね」
白く静かで、穏やかな、世界。
目の前で眠る、あなた。
「ようやく、一緒に眠れるわね」
見慣れた寝顔の横に膝をつき、それからゆっくり、隣に横たわる。
寄り添って、肩に頬を預けた。
安堵感に、ひとつ大きく息をつく。
すぐに吸い込まれるような眠たさがやってきた。
心地がいい。
「ずっと、こうしていましょうね」
眠りにつく。
永遠に。
あなたと。
あなたの手を握ることを、私は忘れなかった。
おしまい