ビヨンセを観に行った日、
終わってジュンママとご飯を食べてた時の事。


「ビヨンセ超レベル高いし感動したけど、凹みますわぁ」

「なんで?」

「だってあんな天才見ちゃったら、
自分の才能ってなんでこんな中途半端なんやろうって思いますやん」

「え!?リョウちん
比べるとこ、そこ~!?


そう、相手がどんなスターであっても、
やってる事が音楽という事は変わらない。


単純に凄い天才をみると感動するし興奮するけど、
同時に同じくらい失望するんだよね。


自分の才能の中途半端さに。。。


『そりゃ比べる土俵が違いすぎるでしょ』って人は言うかもしれないけどさ、
皆スターになる前は普通の子供であり、同じ人間なワケで。


もし目の前に魔法使いがおりてきて『ひとつだけ願いを叶えてくれる』って言うなら、
あたしはすぐに生まれ変わって天才に生まれたい。


天才に生まれる事ができるなら、
この人生には全く未練はない。


もし天才になれるのなら極端な話、

足がなくても手がなくても
超ブサイクにうまれても
一生結婚や恋愛ができなくても、
超ビンボーでも、

そんなものどうでもいい。


女としては少し変わってるかもしれないけど、
人に愛されて幸せだけど凡才の人生と、生涯孤独だけど天才の人生なら
迷わず後者を取ると思う。


とにかくあたしは昔から
能力がほしい子だった。

なぜだかわからないけど。


だから人の凄い能力を見せつけられると、
感動と同時に失望する。


自分の能力との差に。


じゃあだからと言って、
失望したままやさぐれる訳にもいかないワケで。


最近一つだけ、
天才と平等に与えられてるものがあるなぁって気がついた事がある。


それは、時間。


死ぬ時期はバラバラでも、
人は死ぬまでの時間が平等に与えられてる。


だから死ぬまで
努力し続けるしかない。


自分に残された時間
ずっと頑張り続けるしかない、と思う。


それが唯一、
誰にでもできる天才に近づける方法なのだ。


てかそもそも天才は、
四六時中そのことばっかり考えてるらしい。


だから最近、
本当に遊びに行ってない。


今週土曜のAXだって
ふくこ達のCOUNTLOSTもでるし、好きなPTPも出るし、一緒に飲んだSUPEも観てみたいし。


だから行こうと思ってた。


でも行くのやめた。


今のあたしは人のステージ観てる暇があるなら、
自分が練習したいし、自分の仕事をもっとやりたいし、自分が能力を伸ばしたい。


一つでも多く、
自分のキャリアを作りたい。


遊ぶ事は散々して来たし、
キャリアを築いてからいくらでも遊ぶ事はできる。


だからとにかく
死ぬまで頑張り続けるしかない。


あたしの沢山の夢の一つは、
死ぬまでに一作でいいから名作を残すという事。


だけど自分が死ぬまでに
名作を生み出せるかはわからない。


だから結局そんな保証のない中、
ひたすら創り続けるしかないのだ。


才能が全くないワケでもないけど、
才能がめっちゃあるワケでもない。


凡才がこの世界で勝ち残っていく事は、
本当に難しい事なのだとあたしは思う。


そして天才を見る度に
複雑な気持ちに襲われる。


多分一生、自分の描く理想と現実との差に
もがいて生きていくんだろうな。


ならいっそ、始めから中途半端な才能などない方が
幸せだったのかもしれない。


ああ、切ない、切ない。


窓の外では、秋の虫が鳴く。