「羅生門」
監督 黒澤明
脚本 黒澤明 橋本忍
製作 箕浦甚吾
音楽 早坂文雄
撮影 宮川一夫
編集 西田重雄
製作会社大映京都撮影所
配給大映
公開 1950年8月25日
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さいしょから完璧。
大きく朽ちた羅生門のセットにどしゃどしゃ降らせる雨。
役者の間合い。なになに?と惹きつけるストーリーテリング。
からの、光とノアール、太陽と葉影や構図が美しい中、
まさかり持って森を歩くシーン。ラヴェルのボレロの曲の中。(と思ったら似た作曲だそうな)
ストーリーにエロスとタナトスがあり、そして「生」も。
それは役者の躍動や肉体。元気。情熱のエネルギーがほとばしって、それが、生。
そして殺陣がすごい。生きている。振り付けじゃない、芝居としての殺陣。が生身の自分のものとなっていて、ほんとすごい。。
そして役者たちの顔がイイ。
三船も森雅之も掘りと皺と陰影がほんとカッコイイ!!
京マチ子のずるさや勢いや色気やの女を惜しみなく出してるところが気持ち良い!!
(なんとこのとき26歳?)
巫女にしてもなんというか歌舞いていて、、
日舞の型としての美しさもあり、、をどりというか舞台のようなというか。
今こういう芝居できる普通の(歌舞伎役者とかじゃなくて)役者さんているのかなあ。。
坊さん役の千秋実の清と諦めのある佇まいが存在感あり、
志村喬の暖かな人間味のある顔にまた救われる。
そして何よりも映像が素晴らしい。
フィルムノアールここにあり。
そこに光の使い方。影の揺らめき。
この作品、人間のエゴと業というテーマ。これも白黒でなければいけなかった、と思う。
よく撮ったなあ、、という思い。
すごく昔の作品だけど、やはり世界に評価されている作品というのは理由がある。
本物だからいつ見ても力がある、のだろう。
で、この作品自体の生い立ち?をWikiで見たらまたびっくり!
火事2回で編集めちゃ短期間、とか、
ヴェネチア国際映画祭に出品できた経緯とか。
いやしかし三船敏郎ってすごいね!!!
スターって、生き物としてすごいんだわ。光の生なのだわ〜〜ー!!