今日のテーマはアメリカ経済
 
今日のニュースででてきた言葉です。(たまには勉強らしきことも書かなければ・・。)
 
米連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)のバーナンキ議長は20日、"Operation Twist" を,当初見込まれていた6月末ではなく、年末まで延長すると発表しました。
 
英語ではOperation Twist 、日本語ではツイストオペレーションと語順を逆にしていう事も多く、単に「ツイオペと略したりもします。
 
米国の財務省(Treasury Deparment)の発行する米国債は償還期間の短い順に、Treasury Bill,  Treasuary Note, Treasury Bond.とわかれています。ニュースでは略してT-Bill, T-Note, T-Bondで言うことが多いです。
 
ちなみにWikipediaの説明では:
 
短期国債(Treasury Bills : 2, 3日~52週間の割引債)
中期国債(Treasury Notes : 2, 3, 5, 7, 10年物の利付債)
長期国債(Treasury Bonds : 30年物の利付債)
 
となっていますが、10ーyear bond と言ったりもするので、必ずしもbond=30年モノではないです。
 
ツイオペは、量的緩和(Quantative Easing=QE)などと同じく、連邦準備銀行(Federal Reserve Bank) による公開史上操作となります。量的緩和の場合には、連邦準備銀行が市中から長期国債を買い上げる「買いオペ」が
行われます。
 
経済ニュースでは略語でQE、第二次量的緩和であればQE2(Queen Elizabeth IIと呼ばれたりもします)。現在は第三次の量的緩和(QE3)があるのでは?という推測も流れています。
 
さてこのツイオペ。
 
具体的には連銀が米国の短中期国債(=Treasury Bill, Treasury Note)を売却し、その資金で長期国債を大量に購入します。そうなると長期国債の値段が上昇しますから、結果的に長期国債の利回り(yield) が下がることになります。当たり前ですが短期国債の利回りは低く、長期国債の利回りは高いわけですが、ツイオペを行うことで長短の金利差が縮まり、利回りのカープ(yield curve) はフラットに近づくわけです。
 
長期金利が下がりますから、住宅ローン(housing loans) を抱える人にとってはローンを借り替えて返済がしやすくなったり、中小企業にとっては融資が受けやすいメリットがあります。短期債を売って、そのお金を長期国債を買う資金にまわしているだけですから連銀のバランスシート上も変化がありません。
 
今回ツイストオペレーションの延長に踏み切ったのは、4月に予測されていたよりも米国の経済成長(economic growth) や雇用の伸び(employment growth )が鈍化(slowdown) しているためです。経済成長については4月の予測やら約0.5%下方修正(downward revision)されました。
 
しかしマーケットの反応は弱く・・・。アメリカの株式市場はほぼ横ばい(almost flat) か小幅な下げ(slight decline)で取引を終えましたため、Are the FED out of ammunition?  (連銀は、弾薬切れ?)という批判すら浴びています。
 
ヨーロッパの混乱や中国の減速を受け、なかなか立ち直れないアメリカ経済。
 
ちなみにツイストオペレーションの名前の由来ですが、最初にツイオペが行われのが1960年代だったので
その頃流行していた「ツイスト」という踊りにちなんでつけられたのだそうです。(さすがに私もツイストは踊ったことはありません・・・念のため得意げ言っときます・・・) 
 
あの頃の輝いていたアメリカに戻れるのか?この名前にまず大いに期待したいところですね。