今日は、Gary Mooreのお誕生日なんです。

存命なら74歳。

2011年の2月に旅立たれました。

今回の個人的アルバム・レビューは、1987年発表された、Gary Mooreのソロ通算7枚目のオリジナル・アルバム「Wild Frontier」を。


全英最高8位。


オリコン最高23位。


まずは、このアルバムの参加メンバーから。

基本的に、Gary Mooreのソロ・アルバムなので、参加メンバーには、あまり意味が無いようにも思いますが、個人的には、このアルバムの製作に参加したメンバー構成は、非常に意味があると思っています。


ギター&ボーカルが、Gary Moore、キーボードが、Neil Carter、ベース・ギターが、Bob Daisleyという3人編成。


ドラマーは、結局、納得のいく人材が見つけられず、全編ドラム・マシーンを使用しています。

Gary Mooreと言えば、ギタリストとしては、レジェンドです。


また、それだけではなく、ボーカリスト、そして、ソング・ライターとしても極めて優秀です。


今回、このブログを書く為に改めて、このアルバムを聴いてみて、僕が「このアルバムで、1番感じた事は何か?」と言うと、このアルバムにおける、Gary Mooreのソング・ライター&ボーカリストとしての力量の高さです。


ギタリストとして、きっちりと素晴らしい構成のソロを随所で披露していますが、ギターの音よりも、Neil Carterのキーボードが、結構、前面に立っているなぁ〜!という印象も新たに受けました。


そういう意味では、Gary Mooreのミュージシャンとしての力量の高さを、改めてリスナーに見せつけたのが、このアルバムだったのではないかと思います。


そして、もう一つは、1987年の洋楽の空気感です。


1987年当時、僕は17歳でした。


その頃の洋楽チャートの空気感は、どちらかと言えば、アメリカ勢・カナダ勢が全盛期で、イギリス勢の中では「ニュー・ロマンティック勢に勢いがあった」という、空気感だったのですが、Gary Mooreの場合、その空気感とは、多少違った視点で見なければいけないように思います。


当時のGary Mooreの主戦場は、イギリスを中心とした、ヨーロッパ圏内で、アメリカ・カナダの空気感とは、また違ったものだったのではないかと思います。


そして、僕ら、日本の洋楽ファンは、アメリカ・カナダの空気感と、イギリス(あるいは、ニュー・ロマンティック勢)の空気感を、両方共、感じる事が出来たという、ある意味、非常に良いポジションに居たような気がします。


それは、置いておくとしても、このアルバムに漂う空気感は、アメリカや、カナダのものとは違い、明らかにヨーロッパ、それも北欧の雰囲気であるという事が伺えます。


このアルバムは、イギリスで最高8位と、ハード・ロック時代、唯一のベスト10入りを果たし、ノルウェーやフィンランドでは、No.1を獲得。


ハード・ロック&ソロ時代のGary Mooreにとっては、最大のヒット作という側面も持っています。


では「何故、そんなに売れたのか?」


アルバム全編を、お聴き頂くと分かる通り、このアルバムは、Gary Mooreの出身地である、アイルランド(Gary Mooreの場合、正確には、北アイルランドですが)色の強い作品です。


そこには、当然、このアルバムの発表の前年に、亡くなってしまった、盟友のPhil Lynottの影響が、色濃く出ている事は間違いありません。


1985年には、盟友のPhil Lynott共に、シングル「Out In The Feilds」の大ヒットがあり、その流れで,当然、Gary Mooreに対する注目度が、高まって行ったというのは、やはり、あったと思います。


その課程で、Gary Mooreが選んだのは、故郷、アイルランドへの回帰、楽曲への拘り、そして、納得のいくドラマーがいないなら、ドラム・マシーンで良いという結論だったのかもしれません。










収録曲ならびに楽曲解説。



1. Over The Hills And Far Away


邦題が「望郷の果て」というタイトルの、アイリッシュ色と政治色の強い曲。


一方で、ギタリスト、Gary Mooreは、そんなに前面には出ません。


もちろん、ギター・ソロはさすがです。


ソングライター&ボーカリスト、Gary Mooreの魅力が溢れています。


2. Wild Frontier


アルバム・タイトル曲は、故郷アイルランド歌った、ハード・ロックの楽曲。


1曲目の「Over The Hills And Far Away」と比べると、ハード・ロッカーとしては、こちらの方が曲調は素直です。


ある意味、非常にありふれた、ハード・ロックだと思うのですが、そこを、さらっと書けるところは素晴らしいと思います。


ギター・ソロも長くはないですが、良い構成だと思います。


3. Take A Little Time


あまりにもさらっと聴けてしまうロック・ナンバー。


ある意味、ギター以上に前面に出る、Neil Carterのキーボードがこの時代の流行だったと言えるのではないでしょうか?


さらっと聴けてしまうという事は、もちろん、 

  良い意味です(苦笑)


4. The Loner


  元々は、1979年発表のCozy Powellのソロ・アルバム「Over The Top」に収められていた曲のカバーです。


泣きのギターを弾かせたら天下一品の、Gary Mooreの魅力満載です。


5. Wild Frontier(12"Version)


 2曲目に収録されている楽曲の12インチ・バージョン。


6.Friday On My Mind


オーストラリア出身のEhe Easybeatsの1966年のヒット曲のカバー。


オリジナルがオリジナルだけに、ポップなナン   

 ーでもあります。


Neil Carterが大活躍しています。


7.Strangers In The Darkness


バラードと言っても良いんでしょうか?


ボーカリスト、Gary Mooreが前面に出た楽曲だと思います。


目立たないですが、非常に良く出来た楽曲だと思います。


8.Thunder Rising


アルバム中、最もアップ・テンポで、ハード・ロックらしい楽曲です。


 と言っても、キーボードが結構前面に出てたりし 

 ますが、それでも素直にカッコ良いと思える楽曲

 です。


9.Johnny Boy


アイリッシュ・トラッド風のバラード曲。


ある意味、本来的な意味で、非常にバラードら

しい楽曲です。


この楽曲は、ギタリスト色は皆無ですが(苦笑)


10.Over The Hills And Far Away(12"Version)


アルバムのオープニングを飾る楽曲の12インチ・バージョン。


11.Crying In The Shadow


早逝した、1980年代の伝説のアイドル、本田美奈子さんに提供した「the Cross 〜愛の十字架〜」を、このアルバムで、Gary Moore自らセルフ・カバー。


Gary Mooreの「泣きのギター」が、胸に切なく響き渡ります。