アキバマサユキとメルセデスベンツ

Supported by Nagano Yanase

 

ラリーなどモータースポーツも経験

※モータージャーナリストではないので、あくまで個人視点の内容です。

 

メルセデスGLE 450d sport

 

この車に乗り始めたのは2024年の1月上旬。

 

長野ヤナセで車を受け取り、翌朝には北海道へ向け新潟港を目指した。

 

車体のカラーは、アルペングレー。
 

ここ数年、各社ラインナップに取り入れているソリッドグレーの部類に入るカラーだ。

 

ボディサイズは、全高1795mm、全幅2020mm、全長4925mmというフルサイズSUV。

 

セカンドシート倒すと、1900mm前後のスキーも真っ直ぐに積むことができる。

 

自分は、長期の出張で試乗会、ユーザーキャンプ、撮影などをこなす為荷物が多く、

 

スキー類はルーフに取り付けたスェーデン製の大型ジェットバックに積み込んだ。

 

また、セカンドシートを倒して現れる巨大なラゲッジスペースには、ブーツやウェアなどを

 

詰め込み満載となった。

 

 

私は、この新しい相棒でこれから始まる出張という名の

 

ロードトリップに出掛けることにとてもワクワクした。

 

自分のルーツを辿ると、未就学児の頃からスキーにどっぷりとハマり、

 

また、車にも同様に目にする全ての車のメーカーとモデル名を

 

言えるほどだった。

 

小学生になると、私有地で父の運転の助手席でマニュアル操作を手伝ったり、

 

運転の練習もした。

 

高校3年生の時に、18歳の誕生日に合わせて運転免許を取得、

 

その冬のシーズンは自分で車を運転して練習や大会、合宿に出かけた。

 

そんなわけで、雪道を含む車の運転はそれなりに経験済みだ。

 

前置きが長くなったが、ここからはGLE450d sportsの乗り味などを紹介したい。

 

この車の重量は約2500kg。

 

決して軽い部類ではないが、搭載されるエンジン直列6気筒DOHCディーゼルターボは

 

367psを発生し、軽々と車を前に走らせた。

 

よく、やっぱりメルセデスは『アガリ』の車(人生で最後に乗る車)?

 

という質問をされるのだが、質問の意味は、一度メルセデス乗ると

 

他の車に乗れなくなるから、

 

最後に乗っている車はメルセデス?という意味なんだが、

 

そういう意味で答えはYES。

 

そう言えるほど、車としてのパフォーマンスやクォリティが高い。

 

もちろん、サーキット走行やラリーなどモータースポーツでは、

 

他の選択肢も沢山あると思う。ここでは一般論として答えておこう。

 

話を戻し、ドライビングフィールだが、

 

まず驚くのがディーゼルエンジンとは思えない静かさとパワーだ。

 

ガソリンエンジンとの違いを感じられないほど。

 

それでいて、燃費が良い。

 

鬼に金棒とはこの事だと思わせる。

 

 

そして、車はカーブを曲がっていく。

 

スキーで言うターン。

 

私はスキーヤーなので、真っ直ぐ滑る、真っ直ぐ走るという直進安定性や

 

滑走生をベースに置きながら、やはり醍醐味はターンであり、

 

コーナリングだと信じている。

 

この車は、車体の大きさを感じさせない。

 

ハンドルに忠実にコーナを曲がっていく。

 

これだけ大きく、車重があるとロール(遠心力で起こる車体の傾き)が気になるのだが、

 

姿勢を真っ直ぐに保ち、安定してコーナーを曲がっていく。

 

それでいて、スポーツカーにある足回りの硬さみたいなものはなく

 

適度にショックを吸収する。簡単に言うと乗り心地が良いのである。

 

また、トランスミッションは9速オートマチック。

 

マニュアルで運転を覚えた自分にとって最初のオートマチックは

 

3速だったことを思い出す。これはその3倍。

 

3倍スムーズで燃費も3倍。

 

滑らかで変速でショックを感じる事はない。

 

長距離ドライブが多い自分にとてもマッチする乗り味だ。

 

数時間のドライブを経て新潟港のフェリー埠頭に着いた。

 

ここへの道のりは様々な車で経験があるが、最も疲れを感じなかった。

 

17時間余り船上での時間を過ごし、小樽港に着いたのは午前4時30分。

 

下船して道路に出ると路面は凍結しブラックアイスだった。

 

367psもある車だから、慎重にアクセル操作をしないと簡単にスピンをしてしまう。

 

普通ならそうである。

 

ところが、ディーゼルターボエンジンの特性というか、電子制御が効いた

 

メルセデスの味付けは、ジェントルでそこまで慎重にならなくても発進も

 

コーナリングも非常にスムーズで安定している。

 

スリップする事なく安定したドライブをサポートしてくれた。

 

やはり、安全、安心を謳っているだけのことはあると感心した。

 

北海道では、小樽、札幌、旭川、ニセコ、旭岳、富良野、十勝岳、ルスツ、

 

キロロなど広範囲にわたってこの車と移動を共にした。

 

道央、道北エリアでは圧雪された道路や雪降りなど、

 

雪道の様々なシチュエーションを走った。

 

どんなシチュエーションでもこの車のキャラクターが変容する事はなかった。

 

また、青森ではWRC(世界ラリー選手権)ラリーモンテカルロのように

 

コーナーが続く峠みちを楽しませてくれた。

 

車自体のパフォーマンスは、ここまで伝えたように、何の不満もなく

 

快適なドライブを導いてくれた。

 

やはりこの車の特筆すべき点は、運転のしやすさ。

 

これは、ドライビングポジション、着座位置から見る視界、

 

高さや前後を調整できるハンドルの位置だったり、

 

長距離をドライブしても疲れないシートなど、

 

通常、車の性能(スペック)ばかりに目を向けがちだが、

 

永く乗る、時間を共にできる相棒として、

 

また、家族や大切なパートナーを乗せる車として、

 

ストレスを感じさせない空間や安全性、これも忘れてなはならない。

 

約4ヶ月間、GLE450d Sportsと共に過ごしたが、

 

見た目によらず、良い意味で重さを感じる事なく、

 

丁度良いバランスでラグジュアリーな移動時間を過ごすことが出来た。

 

VECTOR GLIDEのスキーで例えるなら、GENIUS STANDARDだ。

 

見た目からは想像できない操作性の良さ、一方、見た目通りの浮力とスピード。

 

この二つが絶妙にバランスしている。

 

そんな印象の車だった。

 

メルセデスは『アガリ』の車。

 

やはりそうなのだと思えたシーズンだった。