「アダムとイブ」
漆黒の暗闇が無限に広がる宇宙空間で
どうやら、この宇宙船も限界のようだ
館内に警告音が鳴り響く
せめてもの救いは
この脱出ポッドに彼女を乗せれたことだ
この孤独で冷たい宇宙で僕と彼女は
どれぐらい時の流れの中を旅をしたのだろうか?
コールドスリープを含めれば120年間ぐらいだろうか
地球が滅びて120年
彼女との旅も終わりの時が近づく
新しい星に辿り着き僕と彼女で
その星の「アダムとイブ」になる夢は
叶わなかったけれども
愛する貴女は生き延びて生命の息吹を紡いで欲しい
数分後、脱出ポッドが放出され
爆発音と共に小さな光が輝いた
その温かみのある光は
暫く宇宙を大流しやがて消えて行った