港町また地場産業の染色で有名な横浜を舞台にバブル崩壊の波に翻弄されたある達人の話
「ほれっ、ケイジッ、のりを10キロ作っとけよ」
「納期が無いからグヅグヅすんじゃねーぞ」
そう、さっきからがなり声を上げているのが但馬のオヤッサン、俺の師匠である。
納期の短いバンダナの仕事が入ってかなり血圧が上がっている。
但馬プリントは横浜の井土ヶ谷で主にハンカチーフ・バンダナなど布製品の染色工場で但馬社長の他に奥さんと長男の一生君、繁さん、菊さん、美っちゃん、本間さんと俺、
前田慶次郎の8人で運営している。
折りしもあのバブル崩壊の波がひたひたと忍びよっていた・・・。
「社長ッ、のり10キロって、なんでしたっけ」
「バカヤローッ、のりもしらねーのかオメーは」
「バカヤローッて、俺、まだ教えてもらってないですから」
「って、このやろー、仕事ってーのは教えてもらうもんじゃーねー、盗むもんだ」
「ったく、しょーがねーな、納期がねーから今回だけは教えてやっから」
「一回こっきりだぞ」
「いいか、のりってぇのは染料を生地に染色する時に・・・。」
「・・あぁーだめだっ、繁さんたのまー」
血圧が上がってイライラの頂点にいる社長は熟練の繁さんにタッチした。《…続く》
「ほれっ、ケイジッ、のりを10キロ作っとけよ」
「納期が無いからグヅグヅすんじゃねーぞ」
そう、さっきからがなり声を上げているのが但馬のオヤッサン、俺の師匠である。
納期の短いバンダナの仕事が入ってかなり血圧が上がっている。
但馬プリントは横浜の井土ヶ谷で主にハンカチーフ・バンダナなど布製品の染色工場で但馬社長の他に奥さんと長男の一生君、繁さん、菊さん、美っちゃん、本間さんと俺、
前田慶次郎の8人で運営している。
折りしもあのバブル崩壊の波がひたひたと忍びよっていた・・・。
「社長ッ、のり10キロって、なんでしたっけ」
「バカヤローッ、のりもしらねーのかオメーは」
「バカヤローッて、俺、まだ教えてもらってないですから」
「って、このやろー、仕事ってーのは教えてもらうもんじゃーねー、盗むもんだ」
「ったく、しょーがねーな、納期がねーから今回だけは教えてやっから」
「一回こっきりだぞ」
「いいか、のりってぇのは染料を生地に染色する時に・・・。」
「・・あぁーだめだっ、繁さんたのまー」
血圧が上がってイライラの頂点にいる社長は熟練の繁さんにタッチした。《…続く》