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日々是一進一退

20年以上接客業に携わってきました。
その前は公務員をちらりと。
接客メインで書こうとしておりましたが、すっかり四方山話になっております。

つい先日やっと観に行きました。
「ヴァイオレット・エバーガーデン」。

アニメは上映館数も、回数も期間も短いので逃しがちですが、これはぜひ行きたかったので仕事帰りのギリギリのスケジュールで行ってまいりました。

シネコンの中の小さいシアターで半数に限定した座席数とは言え、20:00〜22:30という時間帯にも関わらず満席でした。

昨年の京都アニメーションの事件から、スケジュールが延びながらも外伝の上映、そして本編の上映という事で待っていた人も多いと思います。

TV版のクオリティがそもそも尋常じゃない美しさですが、劇場版は圧倒される映像美です。
大昔のパラパラ漫画的な作り方ではなくて、今のアニメは通常の映画を撮るような撮影なので、カメラワークも楽しめます。
とりわけ「ヴァイオレット・エバーガーデン」はヨーロッパを土台に作られているので空気感を演出する為か引きのシーンが他のアニメより多いです。

空の色や風や波、雨などの自然の温かさや厳しさ、移ろいや激しさを際立たせる事で、登場人物の口に出せない感情を表しています。

事件を重ねてしまいますが、制作に携わった人達の鬼気迫ると言ってもいいくらいの仕事ぶりが感じられます。

ストーリーは、原作を読んでいないので事件が反映されているのかはわかりませんが、私はこれで良かったな、と思います。

おそらく普通ならこうはしないんじゃないかな?という結末。

リブログの方にストーリーを載せていますが、
「自分のせいで不幸にしてしまった」と自分を追い詰めて自分から離れさせようとする少佐と、
「少佐が自分に感情と居場所を与えてくれた」という事を伝えたいヴァイオレット。

それぞれの想いに囚われた2人の「解放の物語」でもあります。
(この物語自体が手紙を通して気持ちを伝える事で、解放されていく人達の物語です)

タイトルの「夢だっていいじゃない」は、私の好きな川原泉の作品の一つにつけられています。
現実にはありえないよ、そんなハッピーエンド、というストーリーの中で登場人物に言わせています。

あまりにも過酷な体験を経て作られる物語。
様々な立場の人が許されて、自分を許して解放された後にあればいいと思う単純で明るい未来。

いつまでも続く花園が物語の結末であってもいいと思うのです。


映画を観た後に、事件当時にも感じたのですが犯人の事を思ってやはり悲しくなりました。
もし彼に好意でも、もしくは悪意でも向ける存在があったなら。
誰一人自分の存在を認めてくれないと感じることは、
おそらく人には耐えられない事だと思います。

どんなに酷い環境でもしっかりと生きている人はいますし、いくら恵まれた環境でも録でもない人もたくさんいます。

ですがこういう事件が起こった時に、
「自分とは違う理解のできない人間だ」と終わらせてしまう事は違うと思うのです。

奇しくもコロナ第1波の頃に感染して広げてしまった人が個人情報を暴かれたり、地域から排除されてしまったりしました。

構造は同じです。

「自分にも起こりうるのではないか」と考えること。
何故今自分はそうならずにいるのか、
自分が同じ立場になったら何ができるのか、
正しい判断ができるのか。

知ろうとする事、考え続ける事が人が人としてある事であり、人と人が共に生きていく為に欠かせないと信じています。



特典でクリアファイルもらいました。
フィルムのコマより使えるなー。

そしてこちら。


映画館に置かれていたチラシ。
チラシなのにペラのリーフレットじゃなくて三つ折り。
しかも「お一人様1部まで」って書かれていました。
チラシだよ?

25年、やっと終わりますねぇ。
庵野秀明、お疲れ様でした。
こちらも解放の物語ですよー。