合同な図形では,対応する線分の長さ,対応する角の大きさが等しくなります。そこで,線分の長さや角の大きさが等しいことを証明するときに,三角形の合同条件を根拠にする場合が多くあります。
今日の授業では,この三角形の合同条件を使った証明の進め方や考え方を確認していきました。
(1)作図をさせます。
平行線l,mを引き,l上の点Aとm上の点Bを結ぶ線分ABの中点をOと名付けます。次にその点Oを通り,l,mと交わる直線nを引き,l,mと交わる点を,それぞれ,P,Qと記号を付けておきます。
(2)仮定(分かっていること)をはっきりさせます。アルファベットを使って等式で書いたり,図の中の等しいことが分かっているところ(辺や角)に同じ印を入れさせていきます。 私は,仮定を黄色,結論は赤色,着目している三角形や補助線は青色という風に3色の色チョークで塗り分けるようにしています。特に結論になる辺や角には「?」マークを付けさせます。見た目では,誰の目にも疑う余地もなく等しく見えているからです。生徒にも3色を使って塗り分けるように助言します。
(3)作図が完成したあと,できあがった図を見て予想される図形の性質を調べさせます。
つまり,辺や角について成り立ちそうな結論を予想させ,仮説(大げさすぎる言い方ですが・・・)を立てさせます。
仮定はともかく,証明すべき結論までも教師から与えられるのでは,あまりにも生徒のやる気を殺ぐのではと思ったからです。私は,生徒たちが自分たちで見つけた性質を解明するという気持ちで課題に取り組んでくれることを期待しているのです。
証明へのステップ
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(4)生徒から出てきたことがらは,板書写真の中央部に書いてあります。列の生徒を順番に指名して気付いたことを言わせていく(「列指名」と言っています。)やり方でどんどん挙げさせ,板書していきます。
(5)生徒から挙がってきた中から,1組の辺の関係に絞って証明の方針(進め方)を考えさせます。ここは,私の方で強力にリードしていきます。辺が等しいことを示すには,それらの辺を自分の要素に持つ合同らしい2つの三角形に着目し,合同条件を利用して,それらが合同かどうかをはっきりさせればよいことを確認します。
(6)仮定で分かっていること以外で,等しいといえる辺や角に同じ印を入れさせていきます。そのとき,どうして等しいといえるか,その根拠を自問自答させながら作業をさせます。
(7)生徒の気付きをもとに,「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しくなる」という合同条件があてはまることを確認します。
今日は,ここで授業が終わってしまいました。次の授業では,仮定から合同条件を利用して結論を導く図形の「証明の仕組み」を確認しながら,「証明の進め方や書き方」についてまとめをしていく予定です。
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