倉敷に古民家改修「テレワーク」開所 多様な働き方後押し

 ITを活用して時間や場所にとらわれず働く「テレワーク」の拠点施設が1日、倉敷市美観地区に近い同市中央にオープンした。大正期の古民家を改修。首都圏の事業者などがサテライトオフィス(出先拠点)を構えるほか、同じオフィスをそれぞれの仕事場として使う「コワーキングスペース」などを設け、多様な働き方を後押しする。

 施設は所在地の旧町名などから「住吉町の家 分福(ぶんぶく)」と命名。総務省の「ふるさとテレワーク推進事業」に中国地方で初めて採択され、高梁川流域(7市3町)の活性化を支援する一般社団法人・高梁川プレゼンターレ(倉敷市)が、同市や倉敷芸術科学大などと連携して整備した。運営は同法人が担当する。

 木造2階延べ約238平方メートルに13部屋を設け、1階にはコワーキングスペースやモニター設備のあるプレゼンテーションルームを用意。2階には企業に貸し出す事務所や、会議や作業などで利用可能な畳の和室部屋などを備えている。これまでに東京のデザイン会社や文化団体などの入居が予定されている。

 スタッフ3人程度が駐在し、多様な働き方を学べるセミナーなども随時開催する予定。

 同法人の坂ノ上博史代表理事(40)は「施設が人と人の出会いの場となり、新たなプロジェクトや企画が誕生する場になってもらいたい」と話している。

 予約や料金は専用ウェブサイトから確認できる。問い合わせは同法人(090―1337―2133)。

 

会社説明会解禁で学生熱心に質問 岡山では1500人参加

 来春卒業予定の大学生らを対象にした会社説明会が解禁された1日、岡山県内でも複数の企業による合同就職説明会(山陽新聞社主催)がジップアリーナ岡山(岡山市北区いずみ町)で開かれた。

 スーツ姿の学生約1500人が参加。県内を中心に製造、小売り、金融機関など約190社のブースを巡り、企業の人事担当者から事業内容や採用条件、待遇面などの説明を受けた。今後の採用スケジュールや選考試験の内容についても熱心に質問した。

 学生優位の売り手市場が続く中、働き方改革や福利厚生などへの関心も高い。参加した香川大経済学部3年の女子学生(21)は「昨年夏から業界研究を進め、志望企業を岡山の地場数社に絞り込んだ。長く働きたいので、育児休暇などが手厚い企業から内定をもらいたい」と話していた。

 一方、企業側は若手社員を投入して学生をブースに呼び込むなど懸命にPR。和菓子製造・販売の廣榮堂(同市中区藤原)の担当者は「選考開始まで残された時間は少ない。優秀な学生に受験してもらえるよう、この機会にしっかり社名をアピールする」と述べた。

 求める人物像や採用のポイントなどをテーマにした地場企業3社によるパネルディスカッションもあった。