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プー太は昔から皮膚が弱かった。


痒い所を舐めすぎて炎症を起こしてしまうなんてことは日常茶飯事。
そのため、夜寝てる時にペチャペチャと舐める様な音が聞こえたら反射的に起き上がって『こら、プー太!』と一括することがよくあった。


するとあいつは起き上がり、尻尾を振りながらこっちに来て『そのくらいで怒んないでくれよ』と言わんばかりのニヤケ顔で俺の布団の中に潜り込む。
あいつなりの機嫌取りのつもりらしい。


でもしばらくすると出て行って、また同じことを繰り返す。調子の良い奴。笑


さっき、そのペチャペチャって舐める音が聞こえた気がして目が覚めた。反射的に『こら、プー太!』と声も出た。すぐに思い出した。もう、いないんだってこと。


本当ならこの後俺の布団に潜りに来るはずなのにね。いないんだよね、もう。


基本的に俺ってあまり後悔とかしないタイプの人間なんですけど、プー太のことに関しては後悔してもしきれません。


もっと可愛がってやれば良かった。


もっと早く病気に気付いてあげられれば、まだ生きていたかもしれない。


もっと一緒に出かければ良かった。


もっと一緒に写真を撮っておけば良かった。


食欲がなくなる前に、もっといっぱい食べさせてあげれば良かった。


冷たくしちゃった時もあった。


イタズラにマジ切れして怒鳴りつけることもよくあった。


でも、今考えるとそれは多分寂しいってことを伝えるためのサインだったんだと思う。


ごめんね。いっぱいごめんね。またいつか会ったらちゃんと謝るからね。


向こうではもう親父に会ったか?チャッピには会ったか?
お前は独りじゃないから。寂しいことなんて何もないから。
だから、のんびり待っててな。


あーすっかり目が冴えちまった。


どうしよう、今日説明会なのに。笑


☆彡