私の心の支えの一つである真民の詩から特に好きなものをいくつか。
念ずれば
花ひらく
苦しいとき
母がいつも口にしていた
このことばを
わたしもいつのころからか
となえるようになった
そうして
そのたび
わたしの花が
ふしぎと
ひとつ
ひとつ
ひらいていった
(念ずれば花ひらく)
両手を合わせる
両手で握る
両手で支える
両手で受ける
両手の愛
両手の情
両手合わしたら
喧嘩もできまい
両手に持ったら
壊れもしまい
一切衆生を
両手に抱け
(両手の世界)
露が
教えてくれるもの
まるいものがいい
すきとおったものがいい
かすかなものがいい
じぶんをもとうとしないものがいい
(露)
2006年に他界されてしまいましたが、心に染み入る詩、勇気づけてくれる詩がたくさん残されています。
平和の尊さ、人生について、心の平穏を保つ...この方の詩も私の人生の指針となっています。
「念ずれば花ひらく」。将来は自分に意思がなければ開けない。自分次第である。
「両手の世界」。相手の言うことも両手で受け止めれば、そこに思いやりの心が生まれる。
「露」。円くて透き通った心。決して欲張らず、執着を捨てる。そこに心の平穏が生まれる。