今朝事務所にて。
デスクで事務仕事をしていると別フロアの女性事務員から内線が入った。
『Mさんすいません、ちょっと来てもらえませんか?なんだか気味が悪くて』
ほほ。『気味が悪い』とな。
昨日神棚を崩したので心当たり満載だよ?
行ってみると、彼女のデスクの一角が濡れている。
デスクの上に置いてあったメモ用紙は乾いてはいるもののふやけて変形し、若干変色している。
その隣の電話機の下も濡れた跡がこびりつき、シミになっている。
週末雨が酷かったから、どこか吹き込んだり雨漏りでもしたのか?
そう思って天井を見上げるとシミひとつない。
デスクに上って触ってみても全く湿り気を感じない。
昨日も猛暑だったし、それで乾いたと言えばそうかもしれないのだが…
デスク上の水がどこから湧いたのか解らない。
彼女は普段コーヒーを飲むので、「水」というものがデスク上に存在しない。
したがって、先週末に例えばコップの水をこぼして帰ったとかいうこともあり得ない。
朝一でデスク上のどこに何が置いてあったのか再確認すると、デスク上のシミになっている範囲にはペン立てがあったようだ。
このペン立てはパッと見はフロッピーディスク入れのようにも見える透明な底の浅いもので、前・中・後の三マスに区切られている。
各マスは幅10cm×奥行1cmほどで深さは手前から2cm、3cm、5cmといった段々になっている。
本来ペン立てではなかったものを、適当に使いまわしているようだ。
このペン立ての手前は何も入っておらず、真ん中にはペンが、奥には付箋紙がいくつか入っていた。
ふと見ると、ペンの入っている真ん中にだけ水がまだ残っている。
やはり天井からポタポタと雨漏りしたのか?が、よく観察するとおかしい。
濡れているのはそのペンの入っているところだけで、前後のマスは全く濡れていないのだ。
付箋紙もシミひとつない。濡れてふやけた形跡もない。
何も入っていなかったマスは埃が浮いており、それもまた濡れた形跡がない。
真ん中のマスだけに水がたまっている。
仮に雨漏りだとして、日・月の二日間は晴れて猛暑、空調の入っていない室内は優に40℃を超えていたはず。
わずか3cmほどの深さに溜まった水が、二日間の熱気で蒸発しきらない?
だとしても前後のマスにも水が残っていてもいいはずだが、痕跡すらないのだ。
念のためもう一つ上のフロアにも言ってみたが、どこにも濡れた形跡がない。
シミひとつない。
果たして彼女のデスク上に現れた水はどこから来たのか?
全く謎のまま、濡れたものたちは気持ち悪いからとすべて廃棄するようにしたのでした。
あーキモッ!