尾鷲の和光寿司さん | M氏の雑念  - side B -

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多趣味をこじらして無趣味になりそう

店内には予想通り地元の常連さんらしき人たちでほぼ満席。
大好きなカウンター席は残念ながら埋まっており、通された座敷でお品書きに目をやっていると

「今日はねぇっ太刀魚が旨いよっ鯵も脂ののった良いところがあるからどうだいっ?」

とカウンター越しに大将の声が飛んでくる。


んじゃ、お薦めを幾つか握っていただいて、あとウニと甘エビ。それからお造りを適当に盛り合わせて下さいな。


そして暫し待つと、まずはお造り盛り合わせ。今年の初鰹、赤いか、鰤の腹身。

赤いかの甘いこと。醤油ではなく、塩でいただきたいくらい甘い。

鰹もねっとりとした舌触り、そして何より鰤の腹身。

実はね、ハマチや鰤のお造りはちょっと苦手ではあるんです。

特にハマチの養殖はまるで駄目で全く食べられない。

あの臭い脂が駄目でね。

しかしこの鰤の造りは見た目から全く違う。

透き通った身にくっきり細やかに網の目のように入った脂、箸で持ったときのがっしりとした手応え。

口に運ぶと果たしてその見事なこと。

かむとホロリとほぐれ、鼻腔に抜ける甘い香り。

しまった、絶品だ。これから暫くお造りが食べられなくなった。


そしてお鮨は太刀魚は少し炙って、酢でしめた鯖、鯵も大きな鯵のいわゆる「トロ」の部分。

…旨すぎる。

友人と旨い旨いを連発していると、「これはどうだ、大間だけがマグロじゃないよ、大間じゃないが負けぬ劣らぬしかもその大トロの良いところがあるよっ!どぉだこの見事な色っ艶っ!」とカウンターの中で大将が旨そうな大トロを見せてくる。

それは頼まなくっちゃ。「あははっ高いよっ!良いのっ?」と笑いながらさっと炙った大トロを握りにしていただいて…こりゃまた口の中でホロリさらりと溶けて無くなってしまいましたがな。

何か幻でも見たかのように、しかし口の中いっぱいに広がる余韻、香り。


…なんで京都市には海も港もないんだ。

なぜ最寄りの港が尾鷲ではなく大津なんだ。

ついそんな悔しさをにじませたくなるほど、旨い。


このあと再びウニ、そしてシャコと赤貝を握ってもらい、お吸い物と赤だしをいただいて。

お値段しめて一万一千円ほど…安っ!


二人でこんなけ堪能してこれか…ま、お酒はいただいてないからね。


しかし今回食べ損ねた一品をカウンター席のお客様の前に発見。

一見エビのようだが、尾の形が違う。聞けば手長エビだそうだが、残念ながら本日は売り切れ。


くやしいなぁ。


大将曰く、このお店(大将)が今尾鷲で一番古いんですと。

35年っていってたかな?

壁に掛かったバランの飾り切りが包丁の確かさを物語っているようです。


今回カンで選んだお店は、大当たりでした。

食べ損なったネタもあることだし、また今度ゆっくりと一泊で尾鷲に来たいな。


明日は朝から白浜の海辺でわんこと遊ぶ、そのために今夜中に白浜に着きたいため、後ろ髪を引かれつつ尾鷲をあとにしたのでした。



親父様のお陰で満腹大満足っ!





お寿司はにぎり寿司?チラシ寿司? ブログネタ:お寿司はにぎり寿司?チラシ寿司? 参加中


寿司は握りです。
チラシを食べる機会は滅多と無い。
しかし京都人である私の口にはちらし寿司は入らなくても鯖寿司は年に何度か入ります。
したがって、寿司は握り、若しくは棒寿司。
これが定番。

ちなみに親父様は「蒸し寿司」がお好きで御座います。