
ザ・スターリン 「爆裂(バースト)ヘッド」
ブルーハーツ以前の日本のパンクには一切手をつけてなかった当時、友人に薦められたバンドの中にスターリンがあった。確かSTOP JAPを聞いたのだ。その中にあったバーストヘッドを聞いてまさに頭がバーストした。
イントロが何よりかっこいい。パワーコードのシンプルなフレーズ。このリズムと真っ黒な音が好きだ。
やっぱりスターリンの魅力は暗さだと思う。決して人を勇気づけるような音楽だとは思えない、深く深く光の届かないところに沈んでいくような音楽だと思う。
それが僕の汚い、どす黒くて生臭さい、普段必死で隠そうとしている、心の中の虚に訴えかけてくる。
そうすると僕の中で迫害されていた気持ちが、裸で暴れだす。風になって渦を巻き起こす。
オラオラオラって。
ミチロウの攻撃的で挑発的な言葉達は心を癒やすでもなく、鎮めるでもなく、「荒め 壊れろ 壊せ」とむしろ底のほうへ手招きしてくる。
テンションというのはある一定のところまで落ちないと上がることはない。その上がろうとする時、音楽というのは非常に重要な材料ではあるが、一緒に真っ逆様に地獄に落ちてくれるような音楽も必要であると思う。
スターリンにはその優しさがあった。それを優しさととるかは人それぞれではあるが、僕にはそれも優しさだった。
何もうまくいかず、何も一向に好転しない毎日の状況に当時の僕はボロボロだった。心がすさんで、ゆずもユーミンもブルーハーツもも聞きたくなくなっていた。ピストルズですら。彼らの音楽はまぶしすぎて、火傷してしまうほど心は弱っていた。そんな時唯一聞けたのがスターリンのサウンドだった。
転調がすごいんだミチロウは。転調する曲って聞いてて楽しくも気持ちよくもない破綻した曲が多いのだけど、ミチロウの曲はまったく破綻してない。自然なんだな。自然に狂ってるんだな。この転調がスターリンの、ミチロウの狂気を一層際立たせるんだな。他のストレートな3コードを使うパンクバンドにはない、スターリンしか持っていないパンクサウンド。
かといってスターリンの曲は暗いだけじゃないんだな。サビなんかは王道なコード展開をする。
このバーストヘッドもコードがEになるところはぐわーっと盛り上がるキャッチーさがあってすんなり好きになることができた。
80年代ジャパコアの中でも一番親しみやすいと思う。やっぱりどんなに病んでも病みきれない僕のポップな脳ミソでもスターリンの曲は入り込み易かった。
スターリンのその震えあがるような暗さと、それを自分で笑い飛ばしてしまうような明るさ、その2面性が、狂ってしまいたい、でも生きていたい、そういう葛藤で縮みあがった僕の脳ミソを舐めまわしてくれた。
ミチロウの詞もいいんだなぁ。ゆずとかブルーハーツみたいな「がんばれ!」な詞ばっかたしなんできた僕にとってミチロウの否定的な言葉の使い方は新鮮だった。
気に入らないものに対して、自分らしさや誠実さみたいな優しさで戦うのではなく、暴力と知性で選ばれた言葉を使ってガチンコを挑むスタイルは、今まで感じたことのないすがすがしさがあった。スカっとした。
ただやっぱりミチロウの詞は難しい。何を言っているのか簡単には分からない。この曲も正直最初聞いた時は何を言っているのかさっぱりだった。何度も聞いて感じたのは、なんとなーく、表現者や、その周りのことを歌ってる気がする。
お前がその気でそこにいるのが俺には耐えられない
坊主頭に爆弾まきつけ何を壊す
ないものねだりだ
とってみろ
終わりがいつも一番最初に顔を出す
お前はいつでも天才くずれのふりをする
やりだしたら
それが終わりだおいつめろ
どうだろな。答えがないからこそ、いろいろ考えられて楽しいんだな。これもミチロウの曲の醍醐味だ。
聞くたびにわくわくさせる。聞くたびに問いかけてくる。いつまでも色あせない、底なしの曲だ。
でもやっぱ答えが気になるのも事実。実際本人に聞いてみたいことがたくさんある。
詞のこと、80年代のこと、パンクのこと。
その遠藤ミチロウさんと対バンをします。どうなることやら。どうなることやら!
多分いろんな意味で何かがかわるライブになるだろう。
自分の中できっと答えの見つかるライブになるだろう。
だからこそ全身全霊で望みます。僕の25年の歳月全ては、17日の夜の25分間のためにあったと思えるような、そんなライブにします。
9月16日(日) 武蔵境スタット
『GENKI to ROCK!!』
open17:30/start18:00
adv\1500/door\1800
出演者(出演順)
1.ウロボロス
2.キャプテンロットンズ
3.The Bliki
4.SCHOOL GIRL
5.ザ・ミズタマリス
6.RUBE RACIES
7.DESTRUCTION4
9月17日(月祝) 藤沢トップス
出演 共倒れ
ふきだまり
キャプテンロットンズ
鎖
ガラクタ89
遠藤ミチロウ
詳細・チケット予約 http://okb0917.jimdo.com
