- 前ページ
- 次ページ
林崎はメラメラ燃える薪の前でうつらうつらしてた。俺と喜助が見張りで喜助は南側を見ている。この林は喜助の結界が張られ500m周囲に侵入者が入るとすぐに分かるようになってる。鳴り木と枯れ草、所々に落とし穴と抜かりがない。他の皆は秘密基地の中で眠りに付く頃だ。俺も空腹を満たされて焚き火の暖かさで眠気が増大してる。 「林崎さん。起きてますか?」
頭の中で囁かれた感じがした。
「誰だ!?」
「しっ!声を出さないで。頭の中に語りかけてる。桂木優だよ」
「テレパシー?」
「そう。徐々に力が戻りつつある」
「力?一体アンタは何者だ?」
「詳しい話は全員が揃ってから」
「全員?揃ったら?頭が多少混乱するよ…」
「すまない。今は剣を集める事を優先させてもらう。明日の夕方には合流出来るが突然現れた二人に気をつけて欲しい。 俺の力でもまだ二人を覗けない…」
「分かった。見張っておくよ」
「たぶん、地下王国に関係する人間かもしれない」
「唯慢の…」
「合流してからならもっと感じる事が出来ると思うよ。されでは明日の夕方に」「ええ。待ってるよ」
林崎は眠気が覚めた。頭をフル回転して桂木優との会話を考えた。色々と考えては当て嵌め消しての繰り返しだ。フッと秘密基地の方に目をやったら、たみという女がこちらに向かってゆっくり歩いてきた。
「いいですか?眠れなくて」
「ああ。構わないよ。少し肌寒いだろ。もっと木を燃やすよ。たみさんだったね」
「はい」
頭の中で囁かれた感じがした。
「誰だ!?」
「しっ!声を出さないで。頭の中に語りかけてる。桂木優だよ」
「テレパシー?」
「そう。徐々に力が戻りつつある」
「力?一体アンタは何者だ?」
「詳しい話は全員が揃ってから」
「全員?揃ったら?頭が多少混乱するよ…」
「すまない。今は剣を集める事を優先させてもらう。明日の夕方には合流出来るが突然現れた二人に気をつけて欲しい。 俺の力でもまだ二人を覗けない…」
「分かった。見張っておくよ」
「たぶん、地下王国に関係する人間かもしれない」
「唯慢の…」
「合流してからならもっと感じる事が出来ると思うよ。されでは明日の夕方に」「ええ。待ってるよ」
林崎は眠気が覚めた。頭をフル回転して桂木優との会話を考えた。色々と考えては当て嵌め消しての繰り返しだ。フッと秘密基地の方に目をやったら、たみという女がこちらに向かってゆっくり歩いてきた。
「いいですか?眠れなくて」
「ああ。構わないよ。少し肌寒いだろ。もっと木を燃やすよ。たみさんだったね」
「はい」
林崎は剣の柄に手をかけ、構えた。
「何者だ!?出て来なければこちらから行くぞ!!」
「待ってくれ。今、出て行く」
叢から男女二人が出て来た。全体に汚れた感じだが、決して安物とは言えない着物を身につけている。
「拙者は上野(こうづけ)箕郷領の長野業盛が家来、杉野六助。こちらは下女のたみ、でござる」
「何ゆえ隠れていた?」
「武田の兵から逃れてきた。空腹で匂いに誘われて参った」 「武田の兵?上野ってかなり遠いよね」 「我が城は落とされ、殿は自刃…我らは囚われ奴隷として売られるところを隙をみて逃げ出してござる」
「奴隷って!?」
「教科書には出てないけど戦国の慣わしのひとつだよ」
「男は30文、女は若ければ50文(1文ー約500円)でござる…」
「酷い!日本にもこんな事があったなんて」
「優神子、鍋の所に行こう」
「はい。私たちは武田とは無関係だから安心して。さあ、まずはお腹を満たしましよう。鍋を車座に7人が箸を動かしている。
「美味いだろ。沢山食べろよ」
田山がニコニコして言った。鍋と茶碗、箸は田山のリュックに入れてあった。調味料も。林崎はあらためてこの旅に田山の存在の大きさを感じた。
元川が小声で隣の林崎に訪ねた。
「上野って何処?」「群馬県だよ。箕郷は高崎の近くかな」 「群馬まで武田が」 「上杉方だからね」 食べ終えて箸を置いた杉野六助は
「重ね重ねかたじけない。して、そこもと達はここで何をしてござる?拙者に出来る事はござらんかの?このままでは気が済まぬ」
「心配は要らないよ。今は人を待ってる最中だ」
「我らは行く当てがござらん。すでに箕輪城は落城……是が非でもご同行したいのだが…」
「私達と居ると武田の兵よりも危険になりますよ」
「…構いません。奴隷として売られるよりはましでござる」 「ん~仲間が来るまではここに居ても構わないが俺の一存では決められないよ」 「富士への道なら分かるでござる」
「!!何故それを!?」
「生まれつき耳が良すぎるくらい良すぎでござる。潜んでる時に聞いていたのでござる。敵かどうかと…」
「富士への道って?知ってるのか?」
「金山奉行配下だったころにこちらまで足を伸ばしてござる。1度、洞窟を見つけて、探りを入れてござる」
「その洞窟が富士の道とは限らないのでは?」
「洞窟から来る風の匂いが富士のお山からの匂いを感じるのでござる。経験上の勘でござるが」
日が暮れようとしていた。
「何者だ!?出て来なければこちらから行くぞ!!」
「待ってくれ。今、出て行く」
叢から男女二人が出て来た。全体に汚れた感じだが、決して安物とは言えない着物を身につけている。
「拙者は上野(こうづけ)箕郷領の長野業盛が家来、杉野六助。こちらは下女のたみ、でござる」
「何ゆえ隠れていた?」
「武田の兵から逃れてきた。空腹で匂いに誘われて参った」 「武田の兵?上野ってかなり遠いよね」 「我が城は落とされ、殿は自刃…我らは囚われ奴隷として売られるところを隙をみて逃げ出してござる」
「奴隷って!?」
「教科書には出てないけど戦国の慣わしのひとつだよ」
「男は30文、女は若ければ50文(1文ー約500円)でござる…」
「酷い!日本にもこんな事があったなんて」
「優神子、鍋の所に行こう」
「はい。私たちは武田とは無関係だから安心して。さあ、まずはお腹を満たしましよう。鍋を車座に7人が箸を動かしている。
「美味いだろ。沢山食べろよ」
田山がニコニコして言った。鍋と茶碗、箸は田山のリュックに入れてあった。調味料も。林崎はあらためてこの旅に田山の存在の大きさを感じた。
元川が小声で隣の林崎に訪ねた。
「上野って何処?」「群馬県だよ。箕郷は高崎の近くかな」 「群馬まで武田が」 「上杉方だからね」 食べ終えて箸を置いた杉野六助は
「重ね重ねかたじけない。して、そこもと達はここで何をしてござる?拙者に出来る事はござらんかの?このままでは気が済まぬ」
「心配は要らないよ。今は人を待ってる最中だ」
「我らは行く当てがござらん。すでに箕輪城は落城……是が非でもご同行したいのだが…」
「私達と居ると武田の兵よりも危険になりますよ」
「…構いません。奴隷として売られるよりはましでござる」 「ん~仲間が来るまではここに居ても構わないが俺の一存では決められないよ」 「富士への道なら分かるでござる」
「!!何故それを!?」
「生まれつき耳が良すぎるくらい良すぎでござる。潜んでる時に聞いていたのでござる。敵かどうかと…」
「富士への道って?知ってるのか?」
「金山奉行配下だったころにこちらまで足を伸ばしてござる。1度、洞窟を見つけて、探りを入れてござる」
「その洞窟が富士の道とは限らないのでは?」
「洞窟から来る風の匂いが富士のお山からの匂いを感じるのでござる。経験上の勘でござるが」
日が暮れようとしていた。