渡部昇一先生と『永遠の0』などのヒットメーカーである百田氏との
「ゼロ戦と日本刀 美しさに潜む「失敗の本質」」をご紹介します。
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先の大戦で大敗してしまったと思われている日本。
陸軍と海軍の確執、真珠湾への攻撃の際の南雲司令官のミスジャッジに始まり
ミッドウエー海戦の大敗などの誤算により結果負けてしまった日本ですが、
実は戦争に勝てる、もしくは講和交渉を引き出すチャンスはいくつもあったのです。
官僚化した軍隊の上層部や、度重なる判断ミスにより、多くの国民の生命と財産、
海外で築き上げてきた資産を奪う結果になってしまったことは本当に残念であり
徹底的な検証が必要な事実だと思います。
当時の日本の軍事テクノロジーは世界1級でした。
これは大政奉還からわずか60年程度で世界最高水準の工業国になっていた証です。
ゼロ戦という兵器一つとってもアメリカのそれよりもはるかに優れていたのです。
ゼロ戦は徹底的な軽量化を施して航続飛行距離はアメリカの戦闘機の5倍以上も飛びました。
しかしながら、航続飛行距離が長い故にパイロットが疲弊して墜落したケース、
軽量化を徹底しすぎて、一発でも機体に直撃すれば墜落してしまうほどの脆さ。。
工場から出荷される際には舗装路がきちんとしていないため、
凸凹道を牛で飛行場まで引いていったなどいくつもの残念なエピソードがあります。
あの戦艦大和も当時の第1級の巨砲を備えた戦艦であるにもかかわらず出撃すべき時に使わず宝の持ち腐れでした。
ここで気付くのは、戦争のみならず様々な分野での戦略面における日本人、
日本の組織の弱さです。
せっかく性能の高い戦闘機や戦艦をもっていても性能をフルに発揮するための
ソフト面の戦略が弱いのです
また以前ご紹介した「「超」入門 失敗の本質」にも書かれていたことですが、
日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマというテーマから
一般的な日本の組織には以下の特徴があります。
1.戦略性:日本人に欠けるグランドデザインの視点、戦略性が弱い
⇒戦略となる指標を取り出す事が出来ない
2.思考法:日本人は革新が苦手で練磨が得意
⇒創造的破壊が生まれにくい、環境変化に弱いシングルループ学習
3.イノベーション:既存のルールに習熟する事が日本人の気質
⇒ルールの変化(既存指標の無効化)に対応能力が弱い
4.型の継承:日本人は創造ではなく、方法に依存する
⇒過去の成功体験が戦争の勝利を妨げた
5.組織運営:組織の上層部からの現場活用が徹底的に下手
⇒上層部の権威主義、現場への無理解、硬直化した人事システム
6.リーダーシップ:評価が結果よりもプロセス重視
⇒保身と無責任が蔓延する組織へ
また、第一次世界大戦以降は、エネルギーの主流が石炭から石油にシフトしました。
第一次世界大戦までは日本でも採掘できる石炭が主流で輸入に大きく依存する必要は
ありませんでした。
しかし、武器の機械化が進み石油というエネルギーが必須な時代となり、
産油国のアメリカの地位が英国に代わり決定的になりました。
ちなみに英企業シェルの貝のマークは、創業者が日本の三浦海岸で拾った貝が
美しかったとの事で採用されたとのエピソードがあります。
第二次世界大戦のABCD包囲網は日本にとって国家存亡の危機だったのでやむ負えず
開戦したという一面があります。
日本は宣戦布告をしなかったとアメリカは訴えますが、アメリカなどから経済封鎖された
状態で既に事実上の戦争状態でした。
ちなみに当のアメリカは宣戦布告した戦争はありません。
東京裁判の結果は今でも意見が分かれるところです。
やはり、日本人は日本人
本質的に過去から変わっていないところがあるんですね。
現在の、官僚、企業の戦略を考える上でも大変参考になります。
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