「ユニオンジャックの矢」をご存知でしょうか?
私は寺島実郎氏の著書「世界を知る力」で知りました。
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ユニオンジャックの矢の起点は、イギリス本国の首都ロンドン。
そこから南東方面へ向い、中東有数の金融街を擁する都市ドバイ。
さらにはインド統治において東のカルカッタと並ぶ西の拠点として発達した
バンガロール、都市国家でありながら東南アジアの一大金融都市として
隆盛を誇るシンガポール、そして最後はオーストラリアの巨大都市シドニー。
このロンドンからシドニーに至るまでのこれら都市は、
イギリス、中東、インド、東南アジア、オーストラリアの主要都市。
すなわち、イギリスによる植民地化などの政策の下、かつて旧英連邦を形成していた地域です。
これらの都市が地図上で見ると矢のように一直線になっているのです。
そこで、旧英連邦の主要都市を結んだ、ロンドンを起点に地球を南東方向に
貫くこの直線の事を俗に「ユニオンジャックの矢」と呼んでいます。
■ユニオンジャックの矢(世界を知る力 P81)
また、これら都市は以下の通り、現代においても世界的に重要な位置付けとなる都市が揃っています。
ロンドン:世界有数の金融街シティ地区を抱え、言わずと知れた欧州の金融の中心
ドバイ:中東の金融の中心、莫大なオイルマネーが集まる
バンガロール:かつてのインド支配の拠点、現在はインドIT産業の中心
シンガポール:マレー半島の先端に位置し東南アジアの要であり、アジアの情報、人、物、資金が集積
シドニー:資源供給国家としていち早く不況を脱したオーストラリアの中心都市
旧宗主国がイギリスであるから、むろんこれら地域における言語は英語です。
英連邦諸国は、英語が通じ、法律、制度など共通の地下水脈が流れておりネット時代には有利に働いています。
このことはIT革命が進行し、情報ネットワークを通じた意思疎通が重要となる局面で極めて優位な基盤インフラを保有していることを意味し、昨今のビジネスの国際化においてはかなりのアドバンテージであるといえます。
だからこそ、イギリスは今や欧州の一国に過ぎませんが今もなお国際社会で特別な地位を築く力を保っています。
更に、大中華圏の頭脳シンガポールは英連邦の重要メンバーで、英連邦は、
シンガポールを通じて大中華圏と地下水脈でつながっており、長年に渡る香港
の統治を通じて中国を知り抜いています。
海外不動産投資は、ユニオンジャックの矢の地域の動向も把握する事が
重要となります。