$Hit It Right !

遂に入手!

見よ、これが幻の劇画、梶原一騎原作にして最期の劇画「男の星座」全巻セットだ!

しかも作画はあの原田久仁信!

と、まくし立てても「何やねん、もう」と鬱陶しいがられるのも承知のうえ!

梶原➕原田といえばワタクシおよび大半の同世代の男子が小学生の頃に夢中になった
少年サンデーに連載されていた『プロレススーパースター列伝』を解き放った名コンビ!

この2人が再びタッグを組み、梶原一騎の半生記(そして遺作)を綴った「男の星座」という
作品の存在を知ったのが数十年前!

しかし、連載していたのは「週刊漫画ゴラク」、出版元は日本文芸社という何れもメジャーとは言い難い元手であるので入手は極めて困難!再販を望むよしもない!

もはやここまで!

「男の星座」は俺にとっては砂漠の蜃気楼、うたかたの幻よ!

そう諦めていた時に遂に出た!ヤフオク!

全巻セットで5000円!

早速即決落札!( の、前に兄に連絡して折半を企てた我が身の哀しさよ!)

遂に到着!

あぁ、あまりに永き日々よ!
大山倍達が!力道山が!昭和の格闘家たちと梶原一騎青年が交錯する数奇な運命よ!
男、男、男だらけのむさくるしい展開!

読んだ、読んだ、わたしはただ読んだ!

感想は、というと大変面白かったのだが、『遂に明かすワタシ、梶原一騎の人生!』と
語られる内容の大半が他の同氏の劇画漫画とほとんど一緒であった点
(鑑別所に行ってリンチをくらったり、高嶺の花に恋をしたり、カラテを使って窮地から
逃れたり・・) など、「結局全部アナタの実体験かい!」と実に微笑ましい限り!

もちろん後半には漫画史に残る名場面、急逝してしまったオカマのおでん屋ジャニーさん
(「ジャニーは陰気なのが大嫌い」という台詞がある)の死体を抱きかかえ、
「アラ、エッサッサ~!」と阿波踊りをする空手門下生の姿もある!

$Hit It Right !


$Hit It Right !


あかんやろ


こ、こいつは素晴らしい作品!

前フリや、「後に記す」などがほとんど解決されずに未完で終わってしまったのが
口惜しい限り!

でもやっぱり男は梶原一騎よ!
平成の男たちよ、この暑苦しい世界に、酔え!酔うがいい!

という口調(梶原作品に特有の体言止め多発)に誰もが知らずになってしまう
「男の星座」入手レビューなのでございます~ ニコニコ
長いお休み中のワタクシ。GWの中日には、「平日だからなかなかできない、とはいえ有休を
取るほどでもないような事をしよう」と皮膚科へ。

ご存知の方もチラホラ、ですが、1年ぐらい前からワタクシの右中指の腹の箇所には「タコ」
のように皮膚が固くなったところがあり、軽石で削ったり、イボコロリテープを貼ったのちに
除去しようとしても全く上手くいかなかったのである。(ちなみにベース演奏とは全く関係の
ない箇所である)

長い待合の後、ようやく診察。状況と対処と患部を見せたとたんに、
女医さん。「あ、これはウィルス性のモノです。イボコロリでは治りません」 

すなわち、何かに接触した際に皮膚内でそいつらが繁殖し(ひ~!)、多少除去したところで、
残党たちがまた増えるので(ひ~!ひ~!)根本的治療が必要なのだ。
とはいえ箇所が良かったのか、手の他の部位には感染っていない。

ワタクシ「で・・・根本的治療法とは・・?」

女医 「はい。(奥に)ドライアイスおねがいしま~す。灼くんです」

ワタクシ 「ひっ!」

運ばれたのは数個のドライアイスが入れられたステンレスカップ。太めの綿棒が差し込んである。

女医 「ちょっとイタイですよ」

綿棒を患部に。シューという音。幸いにも患部はタコ状に硬化した皮膚が厚くなっているため、
痛みは・・

・・・ひ~!

い、痛いがな~!

連日の軽石ケアもあって、数箇所は亀裂状になっているため、そこから
刺激痛を喚起されるのだ。

シュー、シュー と、数回ドライアイスを当てられた箇所は真っ白になった。
かなりのジンジン感であるが、エエ年をして「ひ~!」と泣くわけにもいかない。

ようやく終了。

女医 「この患部、後に赤くなって、黒くなって、カサブタになって、取れます。
    取れなければメスで除去して、また灼きます。2週間後ぐらいに来て下さい」

ワタクシ 「ひっ! そ、それで何回ぐらい・・?」

女医 「よく訊かれるのですが、出来はじめから治療までの期間に比例いたします。
    目的はそのウィルスたちの殲滅。よって、アナタの場合は1年以上、ですから、
    完治までに・・・1年とか・・・

ワタクシ 「(ハリウッド風に) NO~!


と、いうことでだいぶ治まったとはいえ、今でもジンジン感は治まりません。
(バンドエイドを貼っているので写真はお見せできません)

で、ようやく治まったら、また灼いて・・あぁ、繰り返されるダークネス。

そんなわけで、みなさま、しつこいタコがあれば、すぐに皮膚科にGO!してくれよな!

$Hit It Right !

3/31(日)は所属バンドのVo 小谷さんがDJをされているFM Cocoloの番組、
「Just Another Sunday」の最終回、とのことで子供たちの相手をしながら
エアチェックをしておりました。

で、途中で恒例の映画招待券(「ハーブ&ドロシー」)のプレゼントがあったので、
お疲れさまでした!のメッセージなども添えて送信したところ、番組最後の当選者発表で、
「東大阪市の○○さん!」と 当たってしまいまして、「ぬぉ!」と呻いてしまったひととき。
番組最後のプレゼントに当選とは光栄の至りでございます。

さらに小谷さんもこれでラジオ界からバイバイ、という訳ではなく、
平日の月~木 AM 11:00 ~ PM 2:00 の「Pacific Oasis」という帯番組で、
超ベテランのアメリカ出身のDJ, カマサミ・コングさんとご共演とのことで
こちらは大変な立身出世物語なのでございます。

さて、それから1時間後、今度はAMのNHK第二放送で毎週日曜日の
午後2時10分~2時30分まで 放映されております
「Friends Around the World 」という番組があるのです。

これは国内というよりも、世界に向けて日本の文化や流行をネットや短波放送で
紹介するという全編英語のほのぼのラジオ番組なんですね。毎回、アメリカ、
東南アジア、欧州、アフリカなど、ホントに世界中からお便りが寄せられます。

で、ワタクシ、数年前よりずっと聞いておりまして、実は3/31の放送で、DJの
Kay Fujimotoさんが卒業される、ということでこれは看過しておけない、
と思い 「いままでありがとう!」のメッセージを初めて、一週間前ぐらいに送ったんです。

で、コレは録音して翌日の朝に聞いておりましたら「OK, next message is from ○○
(ワタクシ), Higashi-Osaka city」 と読まれてしまいまして、こちらもデッキの前で
「ぬお!」と呻いてしまいました。軽いジョークなども交えたワタクシの文面も
「ややウケ」ぐらいの反応。ふにゃふにゃ・・となりながらも嬉しいかぎりでございます。

今週の土曜日(4/6)にも再放送がございまして、 午後2時24分ぐらい
(番組開始から14分後ぐらい)に 流れると思いますので、もしお時間があれば
是非とも聴いてみて下さいませ~

ということで一日に2回もラジオで名前を読んで頂いて、気分はさながらラジオジャック、
でございます。(ちなみにcocoloの方は、翌日月曜日にたまたま聴いていた会社の人から
昨日、ラジオのプレゼントで当選してなかった?と云われました)

で、昨日あらためて感じたことなのですが、ラジオのメッセージってやっぱりいいんですね。
心が温まります。例えば小谷さんの番組でも関西のあちこちの方が番組で紹介された
レシピの思い出、家族への自慢を語られていたり、日本語の薀蓄を紹介するコーナーでも
国語教師の方まで毎回楽しみにしていた旨を伝えられたり、[Friends Around the world]でも
美しい英語を流暢に扱うバイリンガルのKayさんへの憧憬の思いを伝えたり(ワタクシ)
独学で英語を勉強されて春から教壇に立つ事となった女性の決意など。

どれもが番組で紹介してもらいコメントを頂けるか、はたまたDJさんに読んでもらえるか、
という保証もないのに、伝えたい思いを文章にして送信して、ちょっぴり期待しながら
ラジオの前でドキドキして耳を傾けるなんて、まさに「与え続ける」ピュアな純愛物語で
ございます。

しかもそこに介在するのは写真も動画も一切ない、「言葉」だけのやりとり。
お便りの書き手も、それを読まれるDJさんも幾多のリスナーさんも、そのメッセージに
こめられた風景から自由に心で描いたイメージを持つことが許される世界なのであります。

すべての情報がかくもバーチャルで、リアルで、スピーディで、即物的で、そしてどこか
冷たくなってしまった中で、このラジオのアナログな世界だけが、ワタシたちの心を、
いつまでもそっと暖めてくれる灯火(ともしび)のようなもの・・・

そんな風に感じた先日の午後でありましたドキドキ
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あまりに不毛かつオチのない話ですが、後年に振り返るためにも書きます。
名づけて「イケてなかったワン・デイ」。

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「あ、あらへんがな・・」

桜も咲きはじめたというのに、急激に寒気がやってきた日の夜半、彼は駅前駐輪場で
佇んでいた。

定期契約駐輪場。E-81。彼はココの場所を5年近くは使っている。いつものようにデュラン・
デュランの「リフレックス」を口ずさみながら定位置に歩み寄ったのだが、彼の愛車
(もはや10年以上乗っている)の置き場は 空虚となっており、冷たい風だけが吹きずさんで
いた。

「ま、まさか・・・」

思い当たる節は、ある。

実は駐輪場の契約の証として後輪部に貼るステッカーが、数週間前に
無くなったのだ。 すなわち周囲の自転車がそれを掲げて停めているのに対し、彼の自転車は
一見すれば無許可で駐輪しているアウトローにも見える。ただし、彼の契約は今月(3月末)
までで、再び3ヶ月契約をして新しいステッカーをもらえればエエわい、と高を括っていた
のだ。

しかし- 
ひょっとして-

あわてて駅前周辺に踵を返すと、地面に貼られた張り紙。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この周辺に放置された自転車は3月25日に撤去いたしました。
一ヶ月以内にお引取りが無かった場合は処分いたします。

保管場所 ... ○○駅高架下
引取代金 ... 自転車    2500円
        オートバイ  4000円 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

すなわち。自転車撤去作業員は駅周辺の歩道では飽き足らず、
各駐輪場まで足を踏み入れ、彼の「アウトロー自転車」までも
撤去したのではないか。

その証拠に、以前から駐輪場内の通路に放置してあった
かなりくたびれた自転車(至急回収してください、という
警告文が何枚も貼られていた)も、やはり無くなっており、
傍らには特大ニッパーであえなく切断されたチェーンが力なく転がっていたのだ。

無論、彼にも非がある。ステッカーが無くなった時点で再発行を申し入れ、
貼り付けてから駐輪すべきであったのだ。

しかし、ある日は雨が降り、ある日は遅くなり、ある日は別方向に買い物があり・・・ 

言い訳しても仕方がない。一応、駐輪場のおじさんに尋ねてみたが、
本日撤去があった旨はご存知でも、駐輪場の中まで立ち入ったかどうかは
ご存知ない。管轄外ということだ。

とにかく、帰らなくてはならない。徒歩(かち)である。ただし、そんな時でも
ヨーグルトとピーナッツバターを買って、ビニール袋を下げて帰る点などは
マイホームパパである。

翌朝一番に取りに行く。 彼は自転車が無ければ生活できないのだ。
ただし、保管所受付はAM9時~PM5時半。会社勤め人には絶望的に無理な
時間なので、帰路途中で上司に連絡を入れ、10時出社を申請し、承認された。

また、保管場所の○○駅は徒歩で行くにはかなり遠い場所であるため
「誠に申し訳ないが・・・もし宜しければ・・・お時間が許すのであれば・・・」と
会社に申請するよりも下手に出て実家のダディにお願いし、承諾を頂いた。
ありがたいことだ。

翌日。恐縮しながらも父の車に乗り、保管場へ。

「ほんまにオマエは~!道の真ん中に自転車停めとくからや!」
「ちゃうがな!駐輪場に停めとってんけど数日前にステッカーを無くしてやなぁ」
「そんなもん、ステッカー無くなっとったら契約しとるか、勝手に停めとるやつか分からんがな!」
「せやけどやなぁ!・・・へぇ。おっしゃるとおりだす」 

ブロロロロ・・・


9時ジャストに到着。入口ではおじさんがホースで水を巻いていた。

こちらにも切り札はある。
契約更新の際にスタンプを捺してもらう契約カードだ。

これは2012年12月26日に3ヶ月更新をした証だ。コレをおじさんに見てもらい、
手違いで撤去された旨を伝え、あわよくば撤去料金を免除してもらおう、と
図っていた。

ただし相手は撤収駐輪場の受付。年がら年中、愛車を撤去され、
2500円を払わなくてはならない、白雪姫のグランピーのような表情の人たちを相手にされる方。
ここで高圧に構えては相手の対応も硬化してしまい逆効果だ。
ココは宮尾すすむばりに低姿勢で「困っちゃってんのよ!」と出たほうが得策、と踏んだ。

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画面はイメージです

ここはプリンス・チャーミングばりにスマイルを浮かべて颯爽と現われ、
エエ声で「あの、昨日撤去された自転車の件で・・」(かなり内容はダサい)

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画面はイメージです

相手の方も丁寧に対応してくださる。「へぇ。昨日の分やったらあっちだす」
意外と・・・少ない。15台程度がズラリと並んでいるが、ザッと見ると彼の愛車が無い。
もう一度見ても無い。さらに「ここにある分だけ・・・ですか?」と聞いても、無い。

ここでようやく状況説明。すると撤去業者さんも有料駐輪場の中まで入り込んで
撤去することはない、 とのこと。(ただし無料駐輪場で長期に亘り放置されているものは例外)

それでは-

再び父の車に乗せていただき、最寄り駅に。

もう一度、駐輪場スタッフに「期限が切れた、またはシールが貼っていない自転車を
どこかの場所に移動される事があるか」を尋ねてみたが、「そうした事は出来ない」と。

残る可能性は、盗難。ただしあんな10年前のモノで、2ロックをしてある自転車を
盗む人があろうか・・・と思い再び駐輪場を探すと・・・

あった~! 

所定の場所から数十メートルほど離れた箇所に移動させられていたのだ。
昨夜はあまりに暗く、それが判らなかった。

つまり、どこの誰かは知らないが、「なんだ、この自転車。シール貼ってネェじゃねえか!」
という「世直し正義感」で、ワタクシの自転車を目につきにくい場所に移動させたのでは
なかろうか。

ということで結果はある方の自転車移動により、昨夜から今朝にかけ、
身内もふくめ数時間の徒労と遅刻申請の被害を被ってしまったわけである。

まぁ、あえて良かった点を挙げれば、撤去罰金は支払わなくて済んだ点と、
駐輪場の期限はしばらく切れていてもイケるんじゃネエか?というのが分かった点であるが、
こんなものはとても収穫とは云えない。

と、いうことで大したオチも、喜びもないまま、また3ヶ月分の更新をして、
出社した日であった。ちなみに1時間以上遅刻したため、「午前半休扱い」になってしまった
オマケ付きなのだ・・ 

あぁ、なんて「イケてなかったワン・ディ」であろうか・・・しょぼん
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先日の新聞のコラム。

アナログ式時計の12時をドとして時計回りに12個の音を並べ、同時に音を出して
心地よく聞こえる3音をつなぐと一辺の長さの比が「3:4:5」の直角三角形になる。
(例:ドミソ) コレ、すなわちピタゴラスの定理。

数学者の秋山仁さんも「心地よい音が数学と関係していることに不思議を感じます」と
おっしゃられております、という実に短い囲み記事。

ふむふむ、と大変関心しながらも、まてよ。むかし似た話を読んだぞ、と取り出したるは
5年以上前のブックレビューのスクラップ・ファイル

「不朽のコスモロジー 宇宙の調和/ヨハネス・ケプラー」 工作舎

ケプラー(1571~1630)は近代天文学の創始者の一人。同著は三部作の最後を飾る作品です。
そういえば「ケプラーの法則」なんてもの、理科の時間に習った、かな。

12世紀末ヨーロッパに誕生した大学では7つの技 「リベラル・アーツ」を身につける事が
求められます。つまり、論理学、修辞学、文法の「三科」と天文学、幾何学、算術、音楽から
なる「四科」。三科は言葉についての基礎であり、四科は自然に向かう際に求められる基礎と
されておりました。

ん? 音楽 ?

でもそうなんです。例えば弦楽器の弦の長さを半分に(算術的には一対一に分割)すれば、
音の高さは原音よりもオクターブ高くなります。つまり八度の音階がとれる。同じように
二対一に分割すれば原音に対して五度の音程が得られます。

いわゆる「自然倍音」は厳密にはこの通りではありませんが、大切なことは自然の音の中に、
そのような数的な秩序が存在している、という考え方です。

このような考え方は当時はこの世の創造者である神の理性を体現する合理的な秩序と考えて
おり、これを読み解くのに必要な技が「四科」とされたんです。

しかもその四科はケプラーによればそれぞれ別の領域ではなく二つの入口から同じことに
向かっているに過ぎない、と。つまり音楽は天文学、幾何学にもかかわり、それらを統合して
自然、あるいは宇宙に向かおうとした試みの頂点がこの本なのです。

圧巻は天文学的な数値を基礎にした計算から当時発見されていた六つの惑星にそれぞれ
固有の音組織を案出する箇所。

ケプラーは占星術で自らの運命を占います。結果は苛酷なものでした。そのためか、
地球は「ミ・ファ・ミ」という哀しげに響く小さな音階。

これにたいして水星や火星には誇らしげな音階。それらが六声部となって、この宇宙には耳には
聞こえない壮麗な音楽が鳴り響いている、とされております。

***************

和音や音楽理論など、堅苦しいように聞こえても根底にあるものは人間の感性。そこに算術と
絡み合う理論と合致する点があるのは面白い限りです。そういえば黄金比というものもあったっけ。

試しにギターで「ミ・ファ・ミ」を弾いてみますと、云いようのない寂しくて不安定な響きが
いたします。この共鳴が数百年前にケプラーが導いた地球の構成音で、それを現在でも共有
できる所にロマンも感じるものです ニコニコ

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今年も受けて参りました、花粉症対策、レーザー治療!

昨年は花粉も少なかった、ということでパスしたので今年は2年ぶりの治療であります。
で、この治療、大阪ではすっかりポピュラーなようでありまして、ウチの近くや、
会社近辺など数々の病院で受けたのですが、どこもイマイチ (”焼き”が甘い、
ベラボウに料金が高い、不要な検査をする、など)で、前回から原点回帰。
初めて同治療を受けたところでもある、天神橋筋五丁目にある小西耳鼻科!
ココが1番上手い!ということで今年も参ったわけでございます。

さて、詳しい治療法は以前のブログをご参照いただくといたしまして、
今回は先生から色々と面白いお話を聞けました。

きっかけは手術前の内視鏡のチェックの際。

レーザーと内視鏡の主電源を入れて、準備をされている先生が 「あれ?」

これが手術中であれば「なんじゃこれ?」「知らん」と並んで、
患者として最も聞きたくないセリフでありますが、前なので「な、なにか不具合が?」と
尋ねてみますと、先生が ニヤリとして色々と話して下さいます。

「ケーブルの接触不良なんです。内視鏡とその画像を処理する設備はワタシの若い頃に
比べて格段に向上いたしました。昔と比べてとにかく明るくて鮮明になりました。最新設備では
ハイビジョンで撮影できるものもあります。数千万円いたしますが。

でもそれをつなぐケーブルは昔から変わってないんですね。いわゆる家電レベル程度で、
ちょっと曲がるとすぐに接触不良をおこします。で、もう直りましたが先ほど接触が悪かった
次第です。 それでは始めましょうか。」

と、この頃になると両鼻の麻酔もすっかり効いて、レーザーで灼かれても(この漢字コワいな~あせる
全く痛くはないのですが、鼻腔いっぱいにチキンのグリル焼きのような匂いがしてまいります・・

で、先生がなにやらゴキゲンな様子でレーザーを操りながら色々と話をして下さるんですね。

「この内視鏡はイギリス製で、他にもアメリカ、フランスなど色んなメーカーが作って
いますが、 先端の球体レンズはドイツ製なんです。ドイツの職人さんが手で磨いたものでないと
世界中の要求水準に達することが出来ないんです。だからコツン、とぶつけて割ってしまうと
ドイツに送って修理してもらって、それだけで何百万円・・・ 」


「一方で、半導体製造などの何千分の1ミリの正確さで高速でアームが駆動して配線を
行う精密機器は世界中のメーカーが製造できても、この小さなレンズ球面みたいな、
均一で滑らかさな表面はその道何十年のドイツ職人のおじさんじゃないと出来ないというのは
面白いですね」 

ジー ・ ジー・・と、こんなお話をされながら着々と鼻腔を灼く先生。

ワタクシも、興味深く相づちを打ちながら、別のところが焼けてしまわないか、
気が気じゃありません・・・あせる

「日本でもありますよ。そんな技術。手術用のハサミなんかは1mm以下の公差も許されません。
ワタシも大学病院などで手術することもあるのですが、自分専用のハサミが無いとオペを
断ります。 血管を削ぐ、などの作業がそのハサミじゃないと出来ないんです。

で、それらのハサミを製造したり、研いでくれるのが大阪の堺や新潟の燕市などの職人さん、
なんですネ」

ジー ・ ジー 

「とはいえやっぱり跡継ぎ不足が問題になってます。これだけ需要はあっても、
職人さんの見入りは少ない。 技術の習得への年月がかかりすぎる・・・ 

若い人が志さないんですね。そんな話で云えば、医者でも訴訟とか社会的問題の矢面に
立ちやすい外科や産婦人科を志望せずに、皮膚科なんかに進む学生さんが増えているんです。

どうなるんでしょうね・・・」

ジー ・ ジー 

どんな世界でも専門家のお話はとても面白いものです。

そういえば手塚治虫さんの「ブラック・ジャック」でも、BJ(とライバルのドクターキリコ)が
手術道具や鍼を、 ある砥ぎ師に研いでもらう話がありました。(研ぎ代 1000万円で、
そのお金を燃やした炎で刃を鍛える)

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こんな感じ


これが楽器でもやっぱりプロになると会心の演奏のためにはこだわり抜いた機材でないならないのでありましょう。 (ワタクシは弦が4本張ってあれば良い・・・)  

こだわりが見せる仕事への矜持。面白いお話でありました。

ちなみにその後の鼻は・・・数日は腫れてしまうので、いまだにちょっと鼻づまりなのです。
もう数日で快適な春の日が約束されるはずでございます~ 音譜

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営業職「ちょっとセイカン行ってきま~す♪」

以前ワタクシが務めておりました名古屋の鉄鋼メーカーではこんなセリフがオフィスで日常的で
ありました。これ、「生産管理室」の略なんですね。これぞ、この会社だけで通じることで、
他のオフィスで爽やかに云おうものなら・・

他にも静観、精悍、清閑・・などいろいろございまして、こうした同音異義語は書き言葉なら
まだしも、話し言葉では分かりやすい言葉に言い換えるのが話し方の技法の一つ、とも
言えるのではないでしょうか。

と、前置きが長くなりましたが、ついにワタクシ、セイカンいたしました~

・・「生還」ですネ。先週いっぱいずっとインフルエンザだったんです。
人生で2回目。

1回目はまだ天満で一人暮らしをしていたころですから10年ぐらい昔。で、それに懲りて
毎年必ずワクチンを注射してもらっていたのですが、アレ、ホントは2回/年で100%らしくて、
ワタクシは1回のみだったので、今回かかってしまった、と。

先週の月曜日の夜に翌日は雨=ジョギングお休み、ということでお酒を飲んでちょっと夜更かし。
火曜日に会社につくと何やら身体が重い。10時頃になるとさらにあちこちがだるくなって、
ノンノンしてまいります。正午にはもはや完全にノンノンしたので、耐え切れず早退。
何とか辿り着いた部屋で、自室に倒れこみます。

熱測定。37.8度。「微熱じゃーん」とお思いにならずに。ワタクシ、平熱が35.8度程度
と、通常の方より1度ほど低いので、コレも+1度と考えてください。

そこから寝てると分かるんです。白血球くんたちが必死に病原菌と戦っている様子。

「ゴフッ!俺たちはいいから・・・グアァ!ご主人さまは寝ていてください!」
「だ、だめだ!オイラも戦う!何が必要だ?葛根湯は先ほど飲んだぞ!」
「い、いえ!敵はあまりに多勢で、未知!我々の戦闘力向上のためにも・・・グアッ!」
「・・・わ、わかった!明日の暁を共に見ようぞ!」

なんてアホな妄想や、白ベースをスプレー缶で悪趣味ペイントして激しく後悔するやけに
リアルな夢や、長女の好きな「おばけマンション」というポプラ社の絵本シリーズの
最新刊をワタクシが必死に考えたり、世界の白地図に正確に国境と国名を書かなくては
生きて帰れない牢獄に入っている夢など、とにかく午後2時から翌日のAM8時まで、
何一つ食べず、トイレにも行かず、ひたすら寝た、というよりも悲鳴をあげながら
うなされておりました。ちなみにPM10時ごろ測定した時などは38.9度!

苦しかった~

(と、書きつつもマラリアに罹ったら、42度の熱が1週間続くらしく、上には上が
 あるものだなぁ、と)

翌日には37.6度。白血球くんたちよ、よく頑張ってくれた!

とはいえ病院へ。鼻の粘膜を採取してテストキットにかざしてみると、これでもか!という
ぐらいA型欄に真っ青な直線が出ておりまして、「インフルです」

そうすると頼みは病院のお薬=タミフルで即効治療!ベランダには出ません!と思っていたの
ですが、処方されたのは 「・・・?」の吸引薬。夜店の景品みたいです。

$Hit It Right !

これに「わなげチョコ」みたいな円盤をセットして、口からスーッと吸い取る×2回/日。
何か頼んないの~(涙)

会社に連絡したところ、就業規則+診断書により5日間の静養。

ウチでもワタクシの「ベース部屋」に布団をひいて、食事もトレイで持ってきてもらい、
子供たちの接触もNO! (マスクをしながら遠くで手を振る程度)あれほどしんどい病気、
子供には味あわせたくございません。

翌日はまだしんどく、基本的には布団に座って読書とお昼寝。翌々日は机にも座れるようになり
会社メールはIPADなどでチェックもできるようになり、レポートも書いたりしておりました。

ようやく出来た自分のプライベートタイム!・・・と、多くの方がお子さまをお持ちの方が
お考えかもしれませんが、寂しいんですね、コレが。扉を隔てた向こう側で娘たちの笑い声や
「パパは?」「早く良くなってほしいな」なんて声が聞こえたり致しますと、「ぬお~!」と
部屋から飛び出して抱っこしたくなるのですが、それはガマンなのです。

で、昨日(5日目)ようやく解禁されましたら、まぁ寄ってくる!二人で競って膝の上にのって
本を持ってきたり、何かを尋ねてきたり、ようやく一つの部屋で就寝できるようになった
時も、長女が両手でワタクシの手のひらを握って眠りに・・・って、昔のヒロインの眠りかた
みたいですがな、と思いながらも嬉しいものであります。

そんなわけでございまして、何とか快復、生還いたしましたワタクシの闘病記であります。
現在、インフルエンザは大流行、とのことで、是非とも皆様、うがい、手洗いの徹底
(ワタクシもやってたんですが・・)をお願いいたします。

お気をつけてくださいませ~
$Hit It Right !

本が売れない時代、なのです。娯楽の多用化、若者の活字離れ、ケータイ配信、ブックオフ、
電子書籍などに 加えて、全国に無料発送してくれるアマゾンの登場で全国の本屋さんが
青息吐息と聞いております。

そんな背景に加えて、お店の近くに「書店+レンタルブックもするツタヤ」が出来て
しまっては・・

ウチの近所にございます駅前の某スーパー内の書店が今月いっぱいで閉店いたします。

非常に寂しいです。

ワタクシ、幼少の頃から、「1番近くの本屋さん」ということでずっと愛用しており、
実家にある大量の漫画の大半はココで入手したといっても過言ではございません。

ふと娘たちと立ち寄って知ったそのお知らせ。

あんまり寂しいから「毎夜の読み聞かせ豪華本」を買ってしまったぜぃ。
(普段なら高いから買わない)

$Hit It Right !

レジをしてくれた店長さんとも立ち話。残念です、という旨を伝えますと、
やはり多数の人に惜しまれて、とのことですが、やはり駅の高架下に出来た
ツタヤによる打撃が大きかったようです。

(ツタヤは雑誌と少しの文庫しか置いてないんですが、やっぱり文芸書や新書は
雑誌ほど売れないんでしょうね)

同書店はチェーン展開をしておりますので、本店も含め、他のお店は引き続き
営業されるらしいですが、 やっぱり大事なのはこの本屋さんで積み重ねられた
ワタクシのメモリーです。

いま見ればそれほど大きくない店舗なのですが、幼い頃の視線では
そこはとても広い本屋さんで、揃っていない本は無いと信じこんでおりました。

小学生の頃などは「キン肉マン」の発売日に自転車を走らせたり、
当時はコミックはビニール梱包されていなかったので、「釣りキチ三平」なんかを
夏休みに開店~夕方までずーっと立ち読みして、クーラーで風邪をひいたり(苦笑)、
「このままではアカン!」と発起して初めて参考書なんかを買ったのもココでした。

同じ思いを娘たちにもしてもらって、少しずつ大きくなってくれれば・・・と願っても
詮方なき事ではありますが・・

やっぱり寂しい閉店なのです・・・汗


$Hit It Right !


我が家ではちょっと前から「バーバパパ」が流行っておりまして、
絵本はもとよりツタヤなんかでDVDを借りてたんですね。

で、気になる点があったのが主題歌の歌詞。

♪バーバパパのおうち ○○○~

 やさしくって しんせつ 楽しいよ~

 変身できるよ なんでも~ (いつでも~)

みたいな感じなんです。

実際の歌で共有できればいいのですが、ネット上では無いので
下記のフランス語版をご参考にしてください。

ビエーン

   http://www.youtube.com/watch?v=pQK7MMGVQ0A


で、気になるのはもちろん ○○○ の箇所で、ここがどうしても聞き取れないんです。

娘いわく「バーバパパのおうち、でもな~、やで」と云いますが、
主題歌の歌いだしで、名詞の後にいきなり逆接の接続詞もどうかと思い、
「違うんちゃうかな~」と云いながら、何度聴いても「空耳の呪縛」にかかり、
もはや 「でもな~」しか聴こえない。

そうしてモヤモヤしていたのが三ヶ月ほど前。

先日、「もうアカン!」と、ネット検索。

すると同主題歌などは著作権の問題でCD化される事はなく、それを望む声などが
多数寄せられております。

その中に! どなたかからの質問!

「”♪ バーバパパのおうち 誰もが~” が歌いだしの主題歌の歌詞を探しております」

という書き込みがあり、判明!

「誰もが」やってんや~ 音譜

と、いうことで、娘たちにも「誰もが!やで!ほら、聴いてみぃ!」「ほんまや!」
となっとくの受け答えもあり、一同が安らかに眠りにつけた日でありました。

そんなわけで、久々に受けたネット社会の恩恵でありました~ 


追伸 ・・・ ちなみに「空耳」といえば Van Halen の「JUMP」1分30秒のところでの
      デビット・リー・ロスの”語り” が、ワタクシには

      「ハロー、ヘイ、ユー 
      
       うるさいんじゃ 

       何もゆうてへんがな」

       にしか聴こえないのも大昔の「空耳アワー」からの呪縛なのでございます・・

     
   http://www.youtube.com/watch?v=wlq0lYB3iSM

       
今年もやってまいりました。ワタクシが2012年に読んだ文芸書、小説
(35冊。少なっ!っていうな!)から 面白かったオススメを挙げる
「マサホン2012」でございます~

いつもは12月に発表なのですが、諸般の事情で遅れてしまいました。

それにいたしましても昨年は難しかったです。

と、いいますのも長年、本を読んでおりますとある程度、パターンというか、読後感が
予想できてしまうんですね。300ページの本でも、あぁ、最後のこのトリックがウリね
(ちなみに決して事前に推理はできない)とか、 あぁ、ココが泣かせどころね(もちろん
泣いている)など、と、どこかに「ちょっと冷めた自分」がおりまして、 そうなると
もう悪循環。

よりややこしそうな作品や、刺激的かつ俗悪なもの、直木賞、「このミステリーがすごい」の
上位作・・・などに 手を伸ばして大失敗(もちろん大当たりもありますが)。大半が
一時の面白さはあっても、後に残らないんですね。

そんな時に、ふと出合ったのがこの作品。文句なしの1位であります。

第1位 「20世紀の幽霊たち」 ジョー・ヒル

$Hit It Right !

まさに珠玉の短編集。ワタクシが最も心が震えるのは、作品のトリックの難解さや
ドラマチックな人間劇ではなく、ある出来事を活き活きと伝える描写の巧みさ、であると
改めて教えてくれた作品です。

古びた映画館に現れる少女の幽霊とそれを目撃した人と映画館の経営者の老人との
心の交友と 著者の映画へのオマージュが滲み出る標題作。

世捨て人となった少年に初めて出来た最高の親友が、コミュニケーションが取れる
クマの空気ぬいぐるみ・・・ ありえない設定が最後には痛いほどに胸をしめつける
「ポップアート」

連続少年誘拐犯にさらわれた野球少年が地下室から決死の脱出劇を試みる「黒電話」

コメディアンとして成功する夢に破れた青年が地元で撮影されるB級ホラー映画に参加し、
そこで学生時代の恋人と再会し・・・エンディングの余韻が美しい「ボビーコウエル、
死者の国から蘇る」

など、読み手の好みこそあれ、どの作品も畳み掛けるように独自の世界観と見事な描写で
次々に届ける筆者の手腕は圧巻です。誰もが読みたいと望み、一部の人は(ワタクシも含め)
こんな風に書けたら、と夢見る作品郡がここに揃っております。

読者の心を捉えるのはサプライズだけではなく、別の世界の入口を目前の日当たりの良い回廊に
飾られた一点一点の芸術作品のように明瞭に描写する力にあることを再認識させてくれる
のであります。

かのスティーヴン・キングの実の息子という超・七光りを避けるために偽名で10年間も
マイナーな雑誌に投稿と続け、作品のクオリティだけで勝負してきた著者。

その作品のクオリティが認められ、本作でブラム・ストーカー賞を受賞した背景にも
心が動かされます。 どこかの二世議員や二世タレントよ、彼の心意気を見習うがよい!

もはや彼の父は関係ございません。ジョー・ヒルという最高の作家の誕生であります。

あんまり良かったので、原書とオーディオCD(朗読。11枚組)も購入しちまったぜぃ!
$Hit It Right !

第2位 「ダークタワー」シリーズ  スティーブン・キング 

$Hit It Right !

全16冊中、現在6冊目ではありますが、かのキングさまのライフワーク、「ダーク・タワー」
と致します。

山岡荘八さんの「徳川家康」(全26冊)ではありませんが、やはり長~い本の第一巻を
手にとるというのはなかなか勇気がいるものでございまして、キングさまの同作品も
「また今度・・・」 「年が明けたら・・」などとしり込みしていたのですが、読み始めると
面白いのなんの!

基本的には荒廃した近未来の世界の中、主人公である「ガンスリンガー(拳銃使い)」が
運命の仲間を3人みつけ、世界を混沌とさせている諸悪の根源である「暗黒の塔」に
辿りつくための冒険譚な訳ですが、もしもこのガンスリンガーがどんな敵でもバキューンッ!
の一発で倒してしまうタフで無敵のガンマンだったら興ざめ、というもの。

拳銃の腕前はもちろんスゴイのですが、まぁ発熱はするわ、栄養失調になるわ、
2巻の冒頭でロブスターの化け物にあっさり右手の指を3本も食われてしまうわ、で
まさに満身創痍。

で、伴う運命の3人も、1人は麻薬中毒患者。もう1人は分裂症+事故で両足を失い
車椅子が手放せない黒人女性。最後の1人は小学生・・・と全く頼りになりません。

・・・が、こんな状況に次々襲い掛かる艱難辛苦に 「やはりこのメンバーでないと!」と
思わせる逆転劇が次々に仕掛けられているので、読中の爽快感とこれからの期待は
たまりません。

当初、懸念しておりました「あと十何冊も残っている~」が、現在では
「あと10冊しかない~!」の気持ちにさせるキングさま。
現在は「パートⅣの下巻」で、ガンスリンガーの若き日の恋慕が描かれておりますが、
実らぬ恋なんだろうなぁ。

読書中の気持ちはさながら極上の椅子に腰を下ろしながら最高の体験が得られるのを
保証されたジェットコースターに乗っているようなもの。

まだ最後まで読んでおりませんが、堂々の2位なのです。

>第3位 「蒐集家」 -異形コレクション 井上雅彦 編


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知る人ぞ知る、井上雅彦さんが編成する「異形コレクション」という(現在は)光文社文庫から
出版されている短編集です。同作品集はあるテーマのもと、広く作品を公募しており、また
腕試しに、と多くのプロ作家も参加されているので有名作家から孵化を待つアマチュア作家まで
が同じ舞台で競いあう、という大変興味深い作品集で、第30巻目にあたるのが同書であります。

「蒐集」をテーマに、あらゆるもののコレクションに狂信的に取り付かれた人々を描く、
あまりに異常でも「何となく共感できる」ところがゾクリと怖い作品集。

この中に収録されている中島らもさん(何と急逝の3日前に執筆された)の「DECO-CHIN」
という作品がとてつもなく” 凄い” のです。

あまりに問題作なので詳細の解説は控えますが、晩年に肉体的にはボロボロであった
らもさんの、作家としての最期の魂が、矜持が、衰えぬ描写と想像力がビシビシと
伝わってくる猛烈な作品です。

この作品をワタクシ、上海の展示会に向かう機上で読みました。その際の本の質感、
手ざわり、窓からの光、頁をめくる時の、興奮して震える指先は一生の宝。
これは電子書籍では味わえない感触であります。

ちなみに、同収録の平山夢明さんの「枷 (コード)」という作品は・・・ゴメンなさい。
怖すぎます。(生涯で1番こわかった作品、です)

第4位 「将棋の子」
    「聖(さとし)の青春」  大崎善生

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・・・の、前にワタクシの昔のブログを読んでくださいませ
(最近、コレ多いな~)

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羽生善治さん。

将棋をされない方でもこのお名前はご存知でしょう。

”とにかくメチャメチャ強い棋士。町内会わんぱく少年相撲大会に
アンドレ・ザ・ジャイアントが参加するようなもの”として知られるお方ですが、
その素顔は実に穏やかで、聡明。

インタビューで記者の抽象的な質問にも瞬時に的確で分かりやすい言葉で

お答えになられる頭脳の明晰さに感心すると同時に、ずいぶん前に出版された
「新しい単位(扶桑社)」というおふざけの本で同氏の激しい寝グセのから
” だらしなさを表わす単位 ” として「hb(ハブ)」が制定された、というギャップ
(ご結婚後は随分とマシになりました)に以前から親しみを覚えておりました。

現在第67回名人戦が開催されておりまして、羽生名人と郷田九段の対極が
繰り広げられております。(初戦は羽生名人の勝利)。

たまたま同時期、ある書物から同氏に興味を持ったのですが、このお方が
どれほど凄いのか、詳しく存じなかったので、いろいろと調べてみますと・・・
実にドラマチックで面白いのです。

と、いうことで今回は将棋の世界と羽生名人のお話など。

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将棋界には七つのタイトルがあります。すなわち、

① 名人    毎日新聞社

② 竜王    読売新聞社

③ 棋聖    産経新聞社

④ 王位    三社連合

⑤ 王将    スポーツニッポン新聞社と毎日新聞社

⑥ 棋王    共同通信社

⑦ 王座    日本経済新聞社

そして現在競われている「名人位」こそが最も歴史と権威のあるタイトル、と
いわれております。

他の六つのタイトルと「名人位」ひとつ、どちらが欲しいか、と問われると大半の
棋士が 「 それは名人位である 」 と答える、といわれるほどです。

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名人位の歴史はおよそ400年に亘り、初代名人の大橋宗桂は慶長十七年(1612年)、
徳川家康と秀忠から五十石五人扶持を賜り、最初の家元になりました。
当初の名人は世襲制で、一度名人になると死ぬまでその位が約束されましたが、
昭和十年に実力制に改められ、木村義雄が最初の名人に就きました。

羽生名人はそこから数えて第五十二期の名人位、なのです。

名人位の対戦の方法は、第七戦まで対局を行い、先に四勝をあげた方の勝利
です。ただし名人位に挑戦するまでの道のりは実に険しく、すべてのプロ棋士は、
この参戦を義務づけられ、そして頂点に立つ事を目指しております。

C級2組・四段(五十四名)

C級1組・五段(二十五名)

B級2組・六段(二十二名)

B級1組・七段(十二名)

A級・八段(十名)

それぞれのクラスでリーグ戦が行われ、上位二名が上のクラスに入れ、成績が
悪ければ下位クラスに落ちます。もちろん棋士全員の最終目標は十名の枠の
A級入りであり、そこで勝ち抜いてトップとなり、名人位に挑戦することであります。

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はっきり言えば、プロ棋士になろうという人は、一種の天才です。

小学校の頃から、周囲の大人やアマチュアの段持ちよりも将棋が強く、そうした人
が小学生や中学生の段階で、プロ棋士養成期間である東西の奨励会に入ります。

そこで、どんぐりの背比べをするのではありません。日本全国から集まった天才
が天才を比べあうのであります。

そこで生き残った人が、C級2組に入り、ようやくプロ棋士になれるのです。

A級棋士は大天才であり、名人ともなれば、そのA級棋士たちのさらに上位に
たって君臨する超大天才といえるでしょう。

たとえば升田幸三・九段は、小学校入学前から、足し算、引き算、掛け算ができ、
記憶力は信じられないほど強かった、といいます。

羽生善治は、1994年6月7日、23歳という史上二番目の若さで、その名人になりました。

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羽生善治。昭和45年9月27日、埼玉県所沢市生まれ。

ご家族の中で将棋を指す方は一人もいらっしゃらなかった、とのことですが
小学校1年生の時、友達の一人に教えてもらい、たちまち将棋の虜に。

小学校2年生から東京、八王子駅近くの将棋クラブに通い始め、最初のランクは
クラブで最低の15級でしたが、1週間単位でどんどんと昇給。自宅でも四六時中、
将棋三昧。食事をするときも、寝るときも将棋の本を手放さなかったといいます。

めきめきと腕をあげた善治少年は、全国の天才少年が集まる小学生名人戦で
優勝したのは小学校六年生の時。この時、解説を担当したのが当時19歳の
新鋭、谷川浩司八段。運命的な出会いでありました。

しかし、谷川氏はまだこの少年がいずれ自分のライバルになるとは思わなかっ
たことでしょう。

小学校六年の時、六級で二上達也・九段門下となり、三年後の昭和60年には
四段に昇段、プロ棋士になると、奇跡の快進撃が始まりました。

平成2年の第2期竜王戦でタイトル戦に初登場し、激闘の末に竜王を獲得。
初タイトル獲得の最年少記録を塗り替え、以後、王座、棋王、棋聖、王位、
そして23歳のとき、将棋界最高峰である名人位のタイトルを奪取。

平成六年には史上初の六冠王に。

平成八年二月十四日の王将戦七番勝負第四局、午後5時7分。

「負けました」

小学六年生の時に初めて会った谷川浩司王将が静かに頭を下げた瞬間、
羽生さんはついに前人未踏の七冠王を達成したのでありました。

(引用 終わり)

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上記のように羽生さんの栄光の軌跡を引用したのは訳がございまして、
プロ棋士を目指す人はすべて日本将棋連盟の「奨励会」に入会し、
(19歳未満でプロ棋士からの推薦が必要) そこで全国の天才少年たちが
競い合うシステムとなっております。

ただし、そこには厳しい規則があり、満21才の誕生日までに初段、
満26歳の誕生日までに四段に昇段できなければ、奨励会を去らなくては
なりません。もちろん相手はすべて全国からの天才少年(少女)たち。
昇段をかけたその天才vs天才の闘いは一瞬たりとも気が抜けない
気迫に満ちたものです。

この壁を突破したのものだけが「プロ棋士」となれるのですが、
大半の奨励会員はその夢を断たれ、去ってゆきます。

以前は中学校を卒業するとすぐに奨励会に入るのが主流であったため、
義務教育を終えた後に、人生の最も輝かしい時期をすべて捨て去って
将棋一本に打ち込み、地元では小学生の頃に大人もバタバタ負かし、
「天才」「神童」と云われた自分が、奨励会に一歩踏みこみ、
回りのライバルを見渡せば、自分はただの「凡人」であった現実にも
負けずに歯軋りしながら立ち向かってゆくのです。

雑誌 「将棋世界」の元編集長であった大崎氏が描く 「将棋の子」は、
そんな奨励会から去らなくてはならなかった青年たちの「その後」の世界。

あれほど大好きで、すべてを捨てて研究し、打ち込み、
母が家財を売り払ってまで応援してくれた将棋なのに、
どうして将棋は自分を愛してくれないのか・・ 

著者は特に北海道出身のある青年の物語にもっとも頁を割きます。
26歳の誕生日が迫り、時流の戦法は決して取り入れず、どれほど焦り、
どれほど懸命に考え抜き、自分だけの将棋で挑もうとも、四段の壁を
破ることが出来ません。

彼がプロ棋士になることを夢見て、北海道から東京に共に越してきた
母は懸命に働きつづけ、癌を患い、意識が混濁してゆく中で、青年は
最期までつき続けたウソ(連戦連勝中!今度こそプロになれそう)を撤回する
場面は涙なくては読めません。

奨励会を去り、心の花が咲きほこる頃にひたすら将棋に打ち込んだある青年は
定職を持つことも叶わず、地元の北海道で既婚の女性との恋に落ち・・・

小説のように物語が「」(カッコ)でくくることの出来ないドキュメンタリーならではの
終幕に寂寥感がこみ上げ、同時に小さなロウソクのようにほんのりと心が暖かくなる
著者の優しさが染み渡り、胸がいっぱいになる良作です。

将棋の世界にすべてを捧げたプロ棋士の話であれば、同著者の「聖の青春」の秀逸の作品。

村山聖という棋士の一生を描くこの作品。幼少の頃に難病にかかり、その病床で退屈しのぎに
覚えた将棋に夢中になりメキメキと実力を伸ばし、記録的なスピードで「プロ棋士」となって
から、おおらかな師匠と母親の献身に支えられ、破竹の快進撃を続けますが、病魔は
確実に彼を襲い・・・ 

彼の凄まじい人生はwikipediaに譲りますが、その事実の裏側に潜む彼の苦悩、叫びを
お知りになりたいのなら同書を超える本は無いでしょう。前作といい、同書といい、
(さらに以前に紹介した最後の真剣師・小池重明)僅か81マスと40枚の駒を用いる
本将棋の盤上には、人の一生を内包するほどの大きな世界が潜んでいることを
改めて感じさせてくれます。

覚醒するぜぃ

第5位 「レディジョーカー」 高村薫

$Hit It Right !

昨年NHKで放映された「未解決事件ファイル~グリコ森永事件」。

大変良くできた番組でとても面白かったのですが、さらに数年前からハマっておりました
高村薫さんが同事件をモデルにした傑作がある、しかも主人公は
「マークスの山」「照柿」で大活躍した合田刑事、とのことでこれは読まねば!

とはいえ高村さんのことですので安易なモデル小説にするはずもなく、
なぜ平凡な老人や男たちが大胆な事件を実行するに至ったか、なぜ社長は
裏取引に応じなくてはならなかったのか、なぜ警察は幾度も個と組織の軋轢に
阻まれ、犯人を取り逃がしてしまったのか、を圧倒的な取材量と重厚な筆力で
ガンガンと迫って参ります。もはやワタクシ、途中で「グリコ事件」のことは忘れ、
この怪事件の行方に夢中となっておりました。

「未解決事件ファイル」でもありましたがメディアが報道する(できる)範囲は
事件のほんの一角。実際の事件でも社会の暗部、組織の保守的体質、
ごく個人的な事情などが一つ一つ絡み合い、闇に葬られたのではないでしょうか。

と、数日にかけて執筆し、なおかつ年もすっかり明けてしまいましたが
「まさホン2012」でございました。最後までお読みいただき、ありがとうございます~ 

最後に「あまりに長くなったのでレビューは割愛」の6位以下をご紹介いたします。

6位 「音もなく、少女は」 ボストン・テラン
7位 「青の炎」      貴志 祐介
8位 「照柿」       高村 薫
9位 「警察の血」    佐々木 譲
10位「無冠 前田日明」  佐々木徹

・・・「ひと昔の本ばっかりじゃーん」って云うな!