天満大自在天神 天拝山 | OH!江戸パパ

OH!江戸パパ

隠された史実にズームイン!歴史ハンター「大江戸おやG!」のブログです。

本日は菅原道真が天に無実を訴えた天拝山に登ってきました。標高は257mで特別な装備もいらない低山です。高齢者や子供も気軽に登っています。頂上は福岡ドームや福岡タワーまで一望できます。


北野天神縁起絵巻(承久本)
菅原道真845〜903年
九州国立博物館
「国宝・天神さま」より転載

平安時代を代表する、学者であり政治家です、主に宇多天皇のブレーンとして活躍しますが、藤原時平との政争に敗れて大宰府に左遷されます。


天拝山入口付近にある武蔵寺、歴史の古い寺で初代の大宰帥の藤原虎麿が建立しました。時代は645年ですから乙巳の変の年になります。菅原道真公は隣接する滝で身を清めてから天拝山に登りました。
藤で有名なお寺で4月21日から藤まつりで賑わいます。

御自作天満宮、こちらには道真公が自ら刻んだ坐像が安置されています。1586年の岩屋城攻防戦の時、武蔵寺、御自作天満宮も戦火にあい、焼け残った首をもとに補修されました。4月25日に開帳されます。


こちらの写真は九州国立博物館でありました「国宝・天神様」より転載。寺伝のように火災にあったような頭部に補修されているような胴体です。険しいお顔をしています。


石楠花もきれいでした。

1合毎に道真公の詠んだ歌碑が建立されています。七合目までは舗装のない山道ですが道幅もあり比較的楽に登れます。八合目からは354段の雁木が現れ、九合目からは急斜面になります。


荒穂神社、古来の祭祀のありかたで自然石をご祭神としています。ベンチもありましたので登山中の休憩には良い場所です。

これが「おつまだちの岩」ですが石碑部分が倒壊していました。道真公が天に向かい無実を訴えた岩です。


ここを登れば山頂です。石段に梅のマークに石が埋め込まれています。この梅を見つけなでると頭が良くなるとか、ならないとか。合格するとか、しないとか。

ちなみに道真公は「50になっても勉強しろよ、合格はしなくてもよいから。」と庶子に遺言を残したそうです。私達は太宰府天満宮に合格祈願をしにいきますが、道真公的には生涯勉強はしてもかならずしも合格しなくてもいいんです。「学問の神様」であって「合格の神様」ではないのです。


天拝山社、太宰府天満宮の境外摂社です。木の種類はわかりませんが、紅葉のような葉がきれいです。



低山とは言え見晴らしは抜群です。頂上の展望台からは四王寺山(左)、宝満山(中央)、大根地山(右)が見渡せます。伝承では登山口付近の二日市温泉は奈良時代からあったので、もしかしたら、都での政争から解き放たれ、天に無実を訴える名目で登山を楽しみ、汗をかいて気分も浄化されお弁当を食べて花見、紅葉狩りに明け暮れ温泉に浸かり日々楽しんでいたのかもしれません。

大宰権帥は大宰府政庁No2の位ですが、左遷で実権のない貴族のポスト(大宰員外帥)にも流用されています。大宰帥はNo1ですが名誉職で現地には行きません。