この4月から滋賀県老人福祉施設協議会の副会長を拝命した。そのことにより、自法人、自施設の仕事以外に、団体の副会長としての仕事が加わり、かなり忙しくなった。団体の役員となったことにより、団体の仕事はもとより、各種県・社会福祉協議会等関係の委員会等の委員にも委嘱され、会議等に出席する機会が増えた。そのことはともかくとして、7月25日に出席した「滋賀県地域福祉施策検討委員会」は、非常に意義のある委員会であった。
そもそも、この「滋賀県地域福祉施策検討委員会」とは、滋賀県社会福祉協議会の種別協議会の一つで、その目的は、「社会福祉の推進に関する事項について、調査、研究を行うとともに、その目的を達成するために、必要な提言、企画立案並びに実践活動を行う。」とされている。委員会の委員は、市町社会福祉協議会、施設協議会、関係福祉団体の長の推薦により、県社協会長が委嘱する、となっているが、ほぼ滋賀県内の福祉関連の団体から委員として名を列ねている。施設団体名としては
滋賀県市町社会福祉協議会
滋賀県老人福祉施設協議会
滋賀県手をつなぐ育成会
滋賀県民生委員児童委員協議会連合会
滋賀県児童成人福祉施設協議会
滋賀県保育協議会
滋賀県老人クラブ連合会
滋賀県母子福祉のぞみ会
滋賀県身体障害者福祉協会
滋賀県里親連合会
滋賀県精神保健福祉協会
滋賀県社会福祉士会
滋賀県介護福祉士会
滋賀県介護支援専門員連絡協議会
(順不同・平成25年6月12日現在)
以上である。
第1回目の委員会は、6月26日に開催され、 平成26年度に向けた県への政策提言を行うこととされた。
それに基づいて、期間が限られていたが、各団体から政策提言、要望書の取りまとめが行われ、第2回の委員会で協議をしてまとめることとなる。
そして7月25日に第2回目の検討委員会が開催された。
この日は、各団体からそれぞれの政策提言、要望事項があげられたものを、事務局が取りまとめて、それぞれの団体から意見を求められた。
実はこの要望書を提出するにあたって、私の団体の担当委員長と話をしていたのは、自分の団体の思いだけを出すのでなく、他の団体との調整が必要なもの、あるいは他の団体の事情を勘案して提出しないといけない。また、単に自分の団体の、あるいは個人的な要望でなく、全県的な視点で物事を考えるようにと事前に協議をしていたのであるが、残念であったのは、事前の忠告を受け入れずに、要望を全部そのまま提出したことであった。これに関しては、後述する。
ともかく、会議は開催され、各団体からの要望に対する趣旨等を聞かれた。
会議が進むに連れ印象的だったのは、各団体の要望事項は単にそれぞれの団体単独の問題でなく、全団体が横断的に関わるべきことが如何に多いか。障害団体からは、障害を持った方が高齢になられた時の生活の場をどのように確保していったらいいのか、また障害者の方の親が高齢になった場合の親と子との関係をどのように対応していったらいいのか。障害関係をとっても、高齢者対策、まさしく私の団体に係る問題でもある。
これに対しては、ある程度の段階で、親と子がそれぞれ自立した生活を営めるような仕組みと親子との関係づくりを進める必要があるのではないか、また、家族だけで解決できる問題ではないので、包括的な関わりが必要であるなど、各委員から意見が出された。ただ、流れとしては、昨今の住み慣れた地域で暮らしたいという願いを叶えるという視点も外せないということである。
保育の団体は保育士不足が深刻化している状況ではあるが、子ども、保育児という視点から特別配置事業の拡充や保育補助に携わる職員配置への助成の要望があげられていた。
我が団体からは、もっぱら人材確保、定着の問題が深刻化している中で、子どもができても働きやすい環境整備への支援、女性の現場復帰のための保育環境の整備の要望が出されたが、これはこれで保育関係団体の協力無しでは達成のできる問題ではない。
案の定、保育団体からは、自分たちの置かれている状況について、説明がされ、私としては事前に指摘していた、保育団体の状況についての事前調整を改めて痛感した問題であった。
我々の団体としては、今後の超高齢社会に向けて、介護人材不足は深刻な問題であり、人材の確保・定着、女性の復帰ということは大きな課題ではあり、病児保育、長時間保育、24時間保育という要望は全面的にしたいことではあるが、保育士も不足している状況の中で、保育士の確保、また各保育園がの経営が成り立つ状況を作らずして、我々の要望は叶うはずもない問題である。
この時に、保育団体から指摘されたことで印象的だったのは、介護団体の皆さんは、就労という視点からばかり問題を考えているが、実は保育の立場からした、子ども、保育児の視点から物事を考えている。果たして0歳時からの保育が本当に親子との関係の中で良いのか、また早くから母親と子どもを離すことがいいのか、そのことについて考えて貰いたいという指摘である。
確かに、私たちは就労という視点からばかり問題を考えており、子どもの立場という視点は欠けていた。
いろんな意味で気づきのあった有意義な議論であったが、問題はこれを各団体の要望で終わらせるのではなく、それぞれは切実な問題であればあるほど、何を解決しないとみんなが目標を達成できるのかという視点で、全団体の問題を考えて行かなければならないということである。
せっかくこれだけの団体が集まって、1,2回の会議で、充分な政策提言ができるはずもなく、全団体が協力して、もっと深く、時間をかけて議論をして、真の政策提言をこの検討委員会が出していける、みんなが納得できる制度設計をするべきであると感じた第2回の検討委員会であった。
とかく我々は日頃、縦割り行政の弊害について批判をすることがあるが、このような機会で各団体が集まった時に、私達自身が縦割りに物事を考えていたと気付かされた。
今後の日程として、今回議論された内容を県関係者に対して政策提言をしていくこと、また予算要望をすることとなるが、本来は、1年以上をかけて、もっと現実的に横断的に問題点を検討し、それぞれが達成するための横の連携をもっと議論していなければならない。そのことを抜きにして、結局はそれぞれの団体の問題も解決しないし、本当に県民にとって良い政策提言ができるとは思えない。
自分の殻の中、井の中の蛙になってはいけないと強く感じた日であった。
