ここ最近で「イソジンがコロナに効く可能性がある」ということが話題になりました。私も記事にしましたが、ウイルスを不活化させる成分がヨウ素であることは以前お伝えしました。
そこで、今回はヨウ素についてまとめていきたいと思います。
ヨウ素を語るうえで「甲状腺」は外せません。そこで、今回はこの2つをテーマに勉強していきたいと思います。
1.ヨウ素とは
「ヨウ素(iodine)は原子番号 53、元素記号 I のハロゲン元素の一つで。分子量は253.8。融点は113.6 ℃で、常温、常圧では固体であるが、昇華性がある。単体のヨウ素は、日本の毒物及び劇物取締法により医薬用外劇物に指定されている。」
ヨウ素とデンプンと反応させると青色を示します。皆さんも小学校の実験でやったことがあるのではないでしょうか。
2.ヨウ素は人にどのような影響を与えているの?
ヨウ素は人の体に12~20mg程度存在する必須栄養素です。70~80%が甲状腺という場所に存在し、甲状腺ホルモンの成分として重要な役割を果たしています。甲状腺ホルモンはT3・T4という2種類が存在しています。そして、それら甲状腺ホルモンは体中の細胞に作用し、交感神経を刺激して基礎代謝を上げる役割を担っています。その他にも胎児の発達・成長に関与していることからも、非常に重要であることが分かります。
甲状腺とは頚部前面に位置する内分泌器官で、イラストにあるように、喉の周辺にある3~5cm程度の大きさです。
ピンク色の器官が甲状腺です。
illustration by フリーメディカルイラスト図鑑
3.ヨウ素の栄養学
ヨウ素は海水中に多く存在します。そのため、海藻類や魚介類に豊富に含まれています。イオンの形では、消化管(胃と小腸)でほぼ完全に吸収されますが、昆布等の食品からの吸収率はやや低下するようです。
体に吸収されたヨウ素は血中に取り込まれ、体の中を循環します。血液が甲状腺を通過する際に、ヨウ素が濾胞上皮細胞という細胞に取り込まれ、甲状腺ホルモンの大元としてコロイド状態で貯蔵されます。その後、脳からの刺激により、甲状腺ホルモンとなって放出されます。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に基づいて、どの程度摂取すればよいのか調べてみました。
ここでは、日本人の成人の推定平均必要量は130µg / 日とされています。ヨウ素は海藻類に高濃度で含まれているため、実際は1~3mg / 日と言われており、十分に必要量を満たしていますので、そこまで心配する必要はないかもしれません。
一方で、過剰に取りすぎると、甲状腺への要素の取り込みが低下すると同時に甲状腺でのヨウ素からホルモンへの合成も阻害され、甲状腺ホルモンは正常値内に維持されます。しかし、これが長期に続けば甲状腺ホルモンの合成量は低下してしまいます。日本人の耐容上限量(習慣的に摂取して過剰にならないようにする量)は3mg / 日です。
妊娠中はヨウ素が過剰になった時の感受性が高いようです。また、授乳中の方も母乳中にヨウ素が移行しすぎないようにする必要があることから、それぞれ2mg / 日とされているので注意が必要です。
この数値はあくまで習慣的に摂取する場合であるため、昆布が含まれる料理を食べるときは一時的に上限を超えても大丈夫なようです。1週間当たり20mg程度にとどめることが良いと言われています。
厚生労働省が発表している「日本食品標準成分表2015年版」から藻類と魚介類のヨウ素含量を少し抜き出したので、ご参照ください。しかし昆布のヨウ素の量、おそるべし・・・
昆布をまるまる食べると非常に多くのヨウ素を摂取することになりそうですね。好きな方はどれぐらい食べられるかチェックしておいたほうがいいですね。
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素材 |
µg / g |
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まこんぶ(素干し) |
2000 |
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あおさ(素干し) |
22 |
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ほしひじき(乾燥) |
450 |
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かたくちいわし(生) |
0.28 |
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くろまぐろ(赤身) |
0.14 |
4.ヨウ素の欠乏症と過剰症
●ヨウ素の欠乏症
ヨウ素が欠乏すると甲状腺機能の低下が起こり、発育障害、脈拍低下、体のむくみなどが現れます。又、精神的にも活気がなくなり、不妊の原因にもなります。代謝が抑えられることから、肥満にもなりやすいです。
●ヨウ素の過剰症
日常的な過剰摂取では、前述のとおり、甲状腺への要素の取り込みが低下すると同時に甲状腺でのヨウ素からホルモンへの合成も阻害されます(専門ではウォルフ・チャイコフ効果と言うそうです)。合成が阻害されると、脳から「ホルモンを作れ」という指令が増加し、結果として甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、甲状腺腫、甲状腺の肥大化などになる可能性があります。前兆として頻脈、体重減少、吐き気、倦怠感等があります。
5.甲状腺の病気(バセドウ病と橋本病)
ついでなので、こちらも勉強しておきましょう。バセドウ病・橋本病は自己免疫疾患で、それぞれ甲状腺を刺激・攻撃することで起きる病気です。
橋下病…甲状腺自体が破壊されてしまいます。結果として倦怠感・肥満。・むくみ等の症状が出ることがあります。(無自覚の方も多いみたいです)
バセドウ病…TSH受容体という部分が刺激され、甲状腺ホルモンを絶えず作る指令が起きています。従って甲状腺機能が更新され、頻脈・体重減少・疲労感が発生します。外観に分かりやすいのは眼球突出(目が突き出るような感覚)といった変化も出てきます。
6.まとめ
この前の記事(イソジン)に関連して調べてみましたが、関連付けて調べてみると、知識も定着しやすいですよね。
この知識をどこに活かすとかあまり考えていませんが、何かの時にリンクすればいいなと思います。
私も甲状腺機能の異常を疑われたことがあります(結局は何も異常はありませんでしたが)ので、少し身近な気がします。その時どういう経緯で疑われたなど、理解できた気がします。
情報については根拠を持って記載していますが、間違いがありましたらご指摘くだされば幸いです。
今後はアルコールについて勉強していこうかなと思っています。

