我が家のパパさん

通称=「殿(様)」または「ボス」


結婚して11年。
それ以前に丸5年
同棲生活を送っていたから
一緒に暮らして
かれこれ16年になる。


正直、私は殿に対して
何の不満もなく
今も16年前と何の変わりもなく
大好きな大切な存在のまま。

2人っきりで毎日
自由に気ままに思うがまま
楽しく笑って
のんきに
過ごしていた頃とは

生活環境こそ違うけれども

子ども達が2人と
猫ちゃんが加わり

楽しさも幸せも賑やかさも
どんどん増していくばかりで

たくさんの笑顔と笑い声に包まれている。


「結婚」とか「こども」とか

とにかく、ただただ、ひたすら

「面倒くさい」
「重圧でしかない」
「私の人生に必要なし」

…って

ずっと ずっと  長い間
心の底から本気で
思い続けてきた。


殿との5年間の同棲生活といえば
もう、とにかく
それは それは幸せで

私の人生の中で最大の
「幸せの絶頂期」なのだろう…と
「これ以上の幸せはない」
そうとしか思えなかった。

「結婚」なんてしてしまえば
今の幸せが消えてしまう。

ましてや「こども」なんて授かれば
自分の時間も2人の時間も
何もかも全て
失ってしまう…奪われてしまう。

そんなマイナスなネガティブな
イメージしか抱けずにいた。

「このまま、このまま、ずっと今のまま」

そんな思いを常に抱きながら
お互い自由にマイペースに
好き勝手に過ごした5年。

20代の後半から30代の前半にかけて

お互いが生活面や経済的にも
自立している年齢にも達していて
心に余裕も持てていたからか

束縛しあったり喧嘩したり
…なんてこともなく
穏やかに楽しく自由に気ままに
ただただ仲良く幸せに暮らせていた。


そんな中30代も半ばに近づいてきた頃
どういうわけか

殿いわく
「自然」というのか
「動物的」というのか
「本能」というのか

ふと…ある日、突然

「愛する殿の赤ちゃん」を
私の この お腹の中に宿せたら…なんて

それまでの人生で想像もしていなかった
経験のない感情が
自分の中に少しだけ芽生えた。

なんとなく…ぼんやり

その程度だったけれども

ちょうど、それと同時期に

ボスから

なんかさぁ…。
最近やけに
「俺のDNAって、どんなんだろう…?
…とか考えるようになってきたんだよねぇ。
「俺の分身」みたいな「俺の子」とか。
動物的な本能みたいなやつなのかなぁ…?

…といった話が出た。


あぁなんか私も最近
似たような感覚を感じたよ…と伝えた。


なんとなく、ふと2人で
そんな話をしてからは

まぁやはり、ある程度の覚悟は必要で
多少の不安を抱きつつ…ではあったけれども

「結婚」という結論に至るまで
ほとんど時間は必要なく

付き合って(同棲して)
ちょうど丸5年という日に
2人「結婚」した。

私たち夫婦は
付き合い始めた日結婚記念日
同じ日となり

毎年の結婚記念日には
ついつい「一緒に暮らしてからは」と
結婚にプラス5年たした年数も
同時に数えてしまう。

つい数日前に
結婚11年付き合って16年が過ぎた。

「絶望的」なイメージしか抱けなかった
「結婚」そして「こども」

そんなイメージは
180度、完全に真逆へと覆された。

殿も私も決して子ども好き…なんて
タイプとは程遠い感覚の持ち主で
むしろ「嫌い」「邪魔」「うっとうしい」
…といった感覚で
自分の人生に入ってきてもらっては
困る…とさえ思っているタイプだった。


そんな2人が結婚してみようと試み
いざ結婚してみたら
それまでの躊躇が
なんとバカバカしい
無駄な足踏みだったか…と思えるほど
なんだか様々な色々な部分で
楽チンさを感じ

たかが紙きれ1枚で入籍しただけなのに
それまでの面倒なことや、わずらわしさが
すべて一気に拭われた気がした。

「それぞれ」「おのおの」していた
あれこれの手続き等を
常に「まとめて一緒に」できてしまう。

こりゃ楽しいッ!
今までより更に…何倍も何倍も
幸せ…と思えた結婚生活。

そのままの流れで
「こども」も同じようなノリのまま
「じゃあ挑戦してみよっか」
…といった感じで
待ってみることにした。