工事の流れですが、マニュアルが付いてきますので、それを見れば概略は分かります。ですが、いかんせんプロ用ですから、分かっている人に分かるように書いてあるといったほうが良いのかもしれません。もう15年以上前のマニュアルですから、今はどうなの分かりませんが、一応当時のマニュアルの一部の写真を載せておきます。


     
  F1

     
  F2
     
  F3


 以下、マニュアルに沿って工事を再現してみます。今はかなり変わっているかもしれませんが、多少の参考にでもなってくれれば、というところです。また、忘れてることも、勘違いしていることもあると思います。その程度のものとお考えいただき、どうかご容赦ください。
 

 青字で書いた部分が私のやった作業で、黒字はマニュアルからのコピーです。(マニュアルと書きましたが、組み立て要領書とあります。)




ホテル用 日立バスルーム
MSB・Fシリーズ
MSB(F)-1014N
      -1116S
      -1216S

日立設備ユニット組み立て要領書
 

はじめに
 

 このたびは日立バスルームをご採用いただきまして、誠にありがとうございました。
 お客様に満足していただくため、組み立て工事前に本工事要領書を一度お読みいただき正しい据付をお願いいたします。
 尚、本書はRタイプを基準に作成してありますのでLタイプの場合は左右勝手違いとなります。ご了承いただきますようお願いいたします。

 ドアの位置が反対になる仕様もあり、Lタイプというようです。

部材取扱い上の注意
 

荷受け
 

①    部材到着後は直ちに荷姿明細書と到着部材の照合してください。
 

 各部材の照合はリストが入っていなかった為出来ませんでした。組み立てマニュアルに沿って一通り部材を確認。

②    破損した部材では性能保守できませんので組み立てを中止してください。
 

 搬入時、壁パネルの端を少し曲げてしまったことがあり、販売店に写真付で連絡。これについては問題ないとの回答。

③    浴槽などの大物及び重量物は安全の為2人で作業を行ってください。
 

 浴槽のユニットは2人で搬入、他は1人で行いました。

部材の取り扱い
 

①     部材の持ち運び時には角を損傷しないように」注意してください。
②     部材を保管する必要がある場合は雨水のかかる場所を避け梱包材に入れ保管してください。壁パネルは水平においてください。
 

  スペースに制約がある中これは無理でした。壁に立てかけて保管しました。
 

③     壁パネルの角を当てながら床に降ろしますと、角が破損する恐れがあります。
 

   このパネルは薄い鋼板で出来ていますが、裏側には石膏ボードが張り付けてあります。1枚でもかなりの重量になります。
 

④     壁パネルを梱包から取り出すとき、ずらしたりすべらしたりしないでください。
⑤     壁パネルの持ち運びは立てて運び水平に持つのは避けてください。
⑥     浴槽の取り扱いには十分注意してください。特にFRP(SRC)製の場合、裏面より衝撃を加えますと表面にクラックを生じる恐れがあります。

開梱及び残材の処理
 

①     開梱は製品を傷つけないよう注意して行ってください。
②     残材処理は現場責任者と打ち合わせを行って処理してください。


1)雑排水の取り付け(即納品の場合)
 

① 雑排水管の取り出し方向を確認してください。
② トラップに排水管(VP50)を取り付ける場合塩ビ接着剤にて接着し外法まで取り出してください。(排水管は別売品。)

 塩ビパイプ(排水管)の接着はさほど難しくありません。圧力がかかる場合は注意が必要ですが、排水管の場合ですから特に問題は無いと思います。
 

 ホームセンターでVU50塩ビパイプ(ホームセンターへ行くと、VPとVUの2種類の塩ビパイプが置いてあります。排水用には薄手のVUパイプで十分。)を買ってきて、所定の長さにカットし、専用の接着剤を塗り、トラップの塩ビパイプ受け口に押し込むだけで完了です。接着剤が固まるまで若干時間が(1,2分)かかりますので、暫く手で固定する必要があります。
 

 接着後はそのままにしておくとパイプの重量がトラップにそのままかかりますので、最悪トラップを破損します。サドルバンド等で配管を固定するまでは、重量が直接トラップにかからないように、配管の端を何かの台のようなものの上に置いておく必要があります。
後は、排水口までL字型の継手を使い、配管を接着して繋いでゆきます。

 繰り返しますが、本番で失敗すると大変ですので、本番の接着前に、何度かパイプを接着する練習してみると素人なりにコツがつかめます。それほど高価なものではありませんので、初めての方は練習されることをお勧めします。


  *排水管先をサドルバンドで固定してください。
  *排水管は勾配1/50を確保してください。
  *排水管取り付け後は必ず水張り試験を行ってください。
  *SMCリブに下図の要領で排水管を固定してください。

MSB1014N 

  

   
  F4
 
  
  F5

 
F5a 
 

排水管固定


  実際の排水管の固定は下記写真の通りです。構造用合板とL字ボルトを使い固定してあります。マニュアルとは多少違っています。勾配も正確には出していませんし、水張り試験はしませんでしたが、ここまで特に問題は発生していません。
 

  塩ビパイプは仮に壊れても替えがききますので、多少ラフでも良いのではないかと考えていますが、トラップ本体は壊れてもらっては困ります。仮に多少の力がかかっても大丈夫なように、2か所留めてあります。トラップの塩ビパイプにつながった写真のLボウの後の部分は、実は接着剤で繋いでいません。仮に大きな力が加わった場合は、そこでパイプが外れるようにしてあります。これが大きな揺れの時に何か効果があるかどうかは分かりません。311の時も外れませんでしたので…。

     
  F6
 

     
  F7 排水管固定



 F8 現在の様子

     
F9 トラップ組み立て
 

  トラップはすべて組みあがっており、特に手を加える必要はありませんでした。ここまでリークもありません。


2)水栓・アダプターの取り付け
 

混合水栓の取り付け(MSBの場合)
 

 
F10 出来上がりの様子

 

 (実際には、水栓の取り付けはパネルの目地打ちが終わった後にしました。水栓は作業の邪魔になると思います。)


水栓取り付け前に下記位置(ケガキ位置)に穴加工してください。

  
  F11
*裏面側のパッキンが圧縮されるまで十分に締め付けてください。
*シャワーホースは仕上げの際取り付けてください。

  ケガキは正確にする必要があります。間違うと取り返しがつきませんので、ここは注意が必要です。穴あけ前にセンターポンチを軽く打ち、穴あけ位置がずれないようにします。(特にセンターポンチでなくてもよいように思います。素地は金属でなくFRPで柔らかいです。釘でも、アイスピックのようなものでも、何か代用できると思います。実は私はセンターポンチを持っていません。かなりいい加減なのです。)
 

  そこへ下穴を1.5mm位のドリルで開け、次に大径のドリルまたはホルソーで2cmの穴径にします。水栓の取り付け部分がきちんと入らない場合は丸やすりで穴を広げます。バスに傷をつけないように注意が要ります。


 
F12 現在の様子

 
F13 現在の様子 ビスを外して中を確認できます。

 ホルソーは下図の通り、円形の穴を材料に空ける、円形のノコギリの刃です。ドリルにチャックで取り付けて使います。DIYをやっているといろいろと使います。簡単に大きな口径の穴が空けられますので、大変便利です。これ以上に大きな穴はジグソーを使います。

 

  F14 ホルソーの刃
 

 ジグソーは小さな細い刃を上下運動させて、材料を切り取る電動工具です。もちろん円形に切り取る時にも使えますので、DIYでは大変重宝します。ユニットバス施工でも、天井パネルの加工に使います。
 

 1万円くらいしますから、購入をためらってしまいますが、少し無理をしてでも買っておいた方が良いと思います。

      
         F14a ジグソー

     
   F15
*ミキシングと給水湯配管を点検口より接続する際はクランクスパナを使用してください。
 

  クランクスパナは確か付属していたと思うのですが、仮に無くても、少しやり辛いですが、普通のスパナやモンキーで何とかなると思います。

 
F16 現在の様子 左側配管が給湯器に、右側配管が水道の集中配管に接続してあります。

  

  水栓の取り付けは上図のとおりです。ワッシャー類の順番を間違えないように。
水栓への配管の接続はかなり下の方になりますので、楽に取り付けることが出来ます。

  以前、壁を剥がし、水道配管を確認して気が付いたのですが、水道水の金属管を保温材なしに使いますと、結露をおこすようです。この家の場合は、壁や柱を傷める原因の一つだったようです。

 

  このフレキのSUS管には写真のように保温材が巻いてないのですが、管の下に水が落ちた跡が残っていました。ユニットバス自体は水からクローズの状態になりますが、SUS管のあるところは、床下からの空気が流れ込んでくる場所なのです。どうやら普通の水道水を通す管も、一通り保温材を巻いておいた方が良さそうです。

3) 下部本体の据付

下部本体据付
①    作業前に浴槽、洗い場、エプロンの養生を行ってください。
②    所定の位置に下部本体を添えつけてください。
 

下部ユニットを移動後、ダンボールで覆い養生しました。順番は逆にやったと思います。

  
  F17


  水切り面に水準器を置き水平を出してください。
ほとんど調整の必要はありませんでしたが、水平が出ない場合は、下部本体下側の鉄製ボルトの位置を調整する必要があります。


 
F18 現在の様子


 ユニットバスはこのようなボルト6本で全体を支えています。(バス下部の図面写真”F5a”をごらんください。)ボルトはナットで固定できるようになっており、高さをボルトで調整後にナットを締めます。

 この手前のボルトは楽に調整できますが、奥に位置するボルトはかなり難しいと思います。壁を立てる前は、反対側の隙間から手が入りますので、何とか手が届くボルトもありますが、完成後に調整をするのは少し大変だと思います。


4)組立前加工
防水テープの貼付

① 下部本体の水切り面に(巾10発砲テープ)を貼り付けてください。

 ウレタンの防水テープは両面テープにはなっていなかったと思います。この上に壁が載りま

す。


 
F19

フレームの加工

 
F20

① 各フレーム下部をペンチで開いてください。
*溝型フレーム2型は片側だけ開いてください。
 

 実はこの説明だけでは大変難しかったのです。特に溝型フレーム2型の開き方はさっぱりでした。結局、販売業者に連絡を取り、メールに写真を載せ最終的にはそれで取り付けたのですが、図面とも少し違うようですし、これで本当に良かったのかどうか?下に写真を掲載しておきますので少しお分かりいただけると思います。

 
F21 フレーム取り付け位置
 

 コーナーフレーム、溝形フレーム各2本については下記の写真の通りで特に問題はなかったと思います。

 
F22 コーナー部分。最初から取り付け位置に穴があけてあります。


 
F23 コーナーフレームの取り付け位置。


 
F24 後面から


 
F25 コーナーフレームを開いた場合の収まり具合。

 

 ビスの取り付け穴を新たに2か所空ける必要があります。

 溝型フレーム2型というのはユニットバス入口扉の左側と奥の大小2枚のパネルの間に取り付けるフレームです。
 

 以下溝形フレーム2型の様子を書いてみます。

 
F26


 
F27 収まり具合。
 

 片側だけを開くと書いてありますのでこの中央部分を開いて金物の台座の上に取り付けるのかと思いました。それだと穴の位置が下記の写真のようにどうしても合わないのです。


 
F28 ビスの間隔


 
F29 フレームのビス穴の位置


 
F30 ビスの取り付けの様子。
 

 本来ならこの形になるのでしょうが、残念ながら、フレームを開いただけでは、台座のねじ穴にフレームのねじ穴が届かないのです。フレームの切込みを少し深く広げてやれば、届かないことはないかもしれませんが、形としては弱くなります。
 

 販売店の指示もよく分からず、というかこれらの写真ではよく伝わっていないのか、困ってしまいました。
 

 結局、下記の写真のように台座に新たに穴を空け、取り付けたのですが、これで良かったかはわかりません。少なくとも切れ込みを深くするよりは構造的には良いのではないかと思います。


 
F31

  

 F32
 

 もう一つの溝型フレームは、長いコーナーフレームのことを言っているようです。これは基本、コーナーフレームと変わりありません。

天井フレームの取り付け


 
F33
 

①天井パネルフランジ部の下穴に天井フレーム取付穴を合わせて、テックビス(4x16)にて固定してください。
 

②天井フレームの残りの穴にテックビスで固定してください。
特に難しいことはないと思います。


5)天井パネルの加工


 
F34

天井パネルの換気扇穴開口
 

 グリル仕様と換気扇仕様に分かれます。浴室用換気扇を使うため本来は扇仕様換気のやり方なのですが、換気扇のエアー吸気部の径がグリル仕様と変わらないので、100φの穴を空けました。というか、注文時にそこまで考えていなかったというのが正しいのだと思います。換気扇仕様にはなっていなかったのか、それともどちらでも行けるような構造なのか?
 

 ジグソーですが、なくても金鋸の刃だけと丸やすりを代用してやれると思いますが、もし可能なら、この機会に購入しておくとよいかもしれません。繰り返しますが、いろんなところに使えて大変便利です。

①換気口の仕様に従い穴加工をしてください。
グリル仕様
 1.裏面の補強用木材のφ100穴をガイドにジグソーで塩ビ鋼板を開口してください。

 2.開口部は必ずバリ等を取り除き、防水テープを表面側より木口を包むように貼り付けてください。
❣小口処理として非常に重要です。錆が発生する恐れがありますので、必ず実施してください。


 下記写真の通り施工。最近確認した限りでは、テープを張った部分に錆など目立った劣化は確認できませんでした。

 
F35



F36

換気扇仕様
1.裏面側補強木片内側四隅にドリルで穴を空けジグソーで開口してください。
2.開口部は必ずバリ等を取り除き、防水テープを表面側より木口を包むように貼り付けてください。
❣小口処理として非常に重要です。錆が発生する恐れがありますので、必ず実施してください。
 

  寸法さえ測ってやれば、換気扇仕様の開口にすることも可能だと思います。その方が正しかったのだと思います。



天井点検口ワイヤー取り付け
 

  面倒くさいのでやっていません。

6)壁パネルの加工


 
F37

灯具の穴加工(下穴加工済みタイプ)
 

①灯具取付穴位置φ2.8下穴(縦並び3か所の中央のみ)に従ってφ30~φ26のホルソーにて穴あけしてください。


 
F38 指示の通り開口。
 

 今回は私はホルソーを、確か使っていないと思います。鉄板用の刃がありませんでしたので、ジグソーでやったか、ドリルで穴あけ後丸やすりで削っていったかのどちらかだったと思います。いずれにしても、壁面に大きな傷を着けないよう注意が必要です。

灯具台座の取り付け
 
F39

①付属の+3.5タッピングビスにシリコンつけて灯具台座を取り付けてください。
 

❣ビスには必ずシリコーンを付けてください。忘れますとサビの原因になります。
❣電球、グローブは目地打ち付け後に取り付けてください。 


F40 電灯

グロメットの取り付け(スクリューグロメット仕様の場合)
 
F41

各種壁パネルの下穴に合わせてφ8キリにて貫通穴を空けてください。
*壁パネルの鋼板下穴は工場開口してあります。
(適用器具)シャワーフック、鏡、化粧棚、タオル掛け(洗面器は除く)
❣ドリルの刃はパネルに垂直にさしてください。
❣穴加工部の小口にバリ等なきよう処理してください。


②グロメットをφ8穴に慎重に差し込んでください。

頭の浮きが無いようプラスチックハンマーにて軽くたたいてください。

 
F42 このように施工。
 

F43 グロメット

7)フレーム・天井パネルの取り付け


 
F44
 

コーナーフレーム・突き当てブロックの取り付け
 

①下部本体取り付け部にφ3の下穴に合わせてコーナーフレームを下部本体コーナー4か所に固定してください。
 

②突き当てブロックをフレームの間の水切り中央に取り付けてください。
 

❣はめ込み後はがたつきがないか確認してください。

     
F45 養生後、4隅にコーナーフレームを立てた状態。

 



 F46 突き当てブロックとテープの施工状態です。


 
F47 コーナーフレームの取り付け。テープの施工状態も確認できます。


天井パネルの取り付け


 
F48


 
F49 溝形フレーム上部(図面とかなり形状が違っている。)

①天井フレームをコーナーフレームの上部スリットに差し込んで天井パネルを仮置きしてください。
②天井パネルとコーナーフレームを固定してください。
 

 薄い鋼板で出来たコーナーフレームの柱を立て、その下部を固定後、天井パネルを載せて、これをビスで固定します。
 

 次に溝型フレームの上部と天井パネルのフレームをビスで繋ぎます。
 

 これらの接合にはタッピングスクリュービスを使いますが、鋼板が薄く強く締めすぎますとすぐにねじが壊れてしまってビスが抜けてしまいます。作業にはインパクトドライバーのような電動工具は使わず、必ずネジに合った普通のドライバーを、加える力に注意して使うことをお勧めします。

 最悪、ビスを強く締めすぎ、鉄板側がバカになって固定が出来なくなった場合、ねじでなく、同径の小さなボルトナットとワッシャーで固定しても良いかと思います。また、隣に再度、同径の穴を空けるのもよいかもしれません。

 

 いずれにしましても、この薄い鉄板のフレームが、壁の重いパネルが外側へバラバラになるのを支えていますので、キチンと留める必要があると思います。
 

 大体の枠の出来上がり状態の写真を見ていただければ、どういう工事かお分かり頂けると思います。

 
F50 天井パネルとコーナーフレーム接続の様子(取り付け前に撮影)
 

③天井フレームに溝形フレーム2型を固定してください。


 
F51 天井フレームと溝形フレーム2型の取り付けの様子(取り付け前に撮影)

 

F52 下から天井パネルを撮影。


 
F53

溝形フレーム2型の取り付け


 
F54
①フレーム中央部を下穴に合わせて、テックス(4x16)にて固定します。
 
F55

4)組立前加工のフレームの加工を参照してください。中央のビスは3x16タッピングスクリュー。

②フレーム下部を断面A-Aのとおりタッピング(3x30)にて固定します。(タッピングは斜めに打ってください。)

 
F56

 
F57 スペースが3mmになるよう3mmのドリルで調整。


 
F58


 
F59


 
F60 外側から見るとこうなる。(入り口側)

 これで図面通りになっていると思うのですが?販売店の方はここが少し難しいと言っておられました。


8)壁パネル・ドア枠の建込


 
F61


パネル割り
①壁パネルの養生フィルムをはがし、各パネル割にしたがい建て込んでください。
 

 1027というのはパネルの番号だったと思いますが、実際に使ったパネルには1923とあったと思います。




壁パネル建込み順番(洗い場短辺側1枚の場合)

①フルパネル建込みの際、下図④パネルを先に建て込んでください。下図5パネルを先に建て込むと④パネルが建て込みにくくなります。

 
F62

 

 一人でパネルを抱えて中に建て込むのですが、まず、かなりの重量があります。注意しないとパネルの角を天井パネルに当ててしまいます。中に入れるまで、角にタオルのような布切れか薄ウレタンを挟んでおくと良いかもしれません。
 

 私は、天井パネルに何ヵ所か傷を着けてしまいました。ずいぶん注意していたつもりでしたが、ダメでした。ここは、ゆっくりと、出来れば2人で作業するところかもしれません。
 

 傷を着けたパネルはホームセンターで売っている車補修用の塗料を塗り現在に至っていますが、特に劣化が進んでいる様子はありません。最初の3,4年は注意して見ていましたが、どうやら、キチンと補修しておけば特に問題は起こらないようです。


 
F63 現在の様子 天井に付けた傷とその補修状況
 
 実は、このパネルにガムテープを張って、硝子板洗浄のしばらくの支えにしたことがあったのですが、このガムテープを剝がす時にパネル表面の塩ビ膜が一緒に剝がれてしまいました。車補修用の塗料を塗るにはあまりに大き剥がれで、他の補修方法を考えなければなりませんでした。

 

 結局、車庫の透明の樹脂製屋根を補修するテープがあるのですが、これが大変綺麗です。耐久性もあり、パネル補修には最適と思われます。もう。10年くらいになると思いますが劣化が進んでいるようには見えません。


 
F64 テープで修復部分。現在の様子。

壁パネル・ドア枠の建込

 
F65


 
F66 1枚目と2枚目。


 
F67 天井目地ピース。縦目地にも小さな目地ピースを入れる。

 
F68 1枚目と2枚目


 
F69 2枚目

 
F70 1枚目と3枚目


 
F71 4枚目

 
F72 2枚目と5枚目。ドアー枠も入っている。
 

以上の通り建て込みました。

目地打ち
 

①タテ目地・コーナー目地の順に目地打ちしてください。
*目地打ちの際には傷がつかない様必ず当て木をして下さい。
 

 順番を間違えないように。
 

 樹脂ハンマーが無かったので木槌を、当て木はフローリング材の端材の凸さね側を使いました。タテ目地、コーナー目地は材質が固めの樹脂ですので、これで叩き込めば完了です。
 

 天井目地は柔らかいゴムのような樹脂ですので、手で押し込んでも良かったと思います。
 

②タテ目地、コーナー目地の下端部には下から50mm程度、目地裏にコーキングを詰めてください。
❣コーキング下部は必ず水切り部FRP面に付けて下さい。
 

これをしないと防水テープの間から水が壁の裏側に入ります。
 

③下部本体と壁パネルの間に打つ場合はR部にコーキング剤を付け目地打ちして下さい。
 

溝形フレーム2型の下部と下部本体の間。
 

④天井目地への切込みは10mm感覚で5mm程度切り込んで下さい。


 
F73 目地打ち出来上がりの様子。

 
F74 目地打ち出来上がりの様子。


 以上、全部問題なく終了したかったのですが、タテ目地を入れている時に問題が発生しました。
 何故か、1枚目と2枚目のパネルの間の目地を打っている時に、2枚目のパネルが本体下部からほんの少し浮き上がってしまったのです。


 
F75 この時点ですでに浮いてるようにも見えます。


 
F76
 

 更に、5枚目のパネルが少し外側へ出てきてしまっているのです。(これは現在でもそのまま。下の写真は現在の様子。汚れています。)


 
F77 5枚目パネルの下の部分。

 

 右側と左側で下部本体とパネルにズレがあることが分かります。本来は平行になっていないとおかしいのです。この左側にある2枚目のパネルと下部本体との間に隙間ができました。


 これには困ってしまいました。基本的に、パネルの寸法とコーナーフレームを立てる位置はこちらで調整できるようなものではありません。工場出荷時にすでにコーナーフレーム用の穴が空けられていますし、最初から決まっているのです。パネルのうちどちらか一方側のスペースに余裕が出来すぎていたりするのであれば、施工の手順やフレームの立て方の問題も考えられますが、写真でもご覧いただけるように、どうも、どちらのスペースも足りないように見えるのです。販売店にはメールで問い合わせたのですが、よく分からないと言われました。

 もう、この時点で作業時間は1週間を超えていましたので、そろそろタイムアップなのです。ここから更に時間をかけて作業を継続するには、新しいタテ目地、コーナー目地を再度入手する必要があります。さらにそもそも原因がよく分からないのですから、それを明らかにするのには、かなりの時間がかかると予想できます。

 仕方がないので2枚目のパネルの下部にコーキングを入れ、そのまま使うことにしました。残念ながら、天井目地が隣のパネルとの段差で完全には押し込めなくなっており、ほんの少し中へ入らない状態のままになってしまいました。
 残念な話ですが、この辺が素人のやっつけ仕事の限界だったと思います。やっぱり素人が”納期”を作るとこうなるのだと思います。


 
F78 現在の様子 少し目地が浮いています。

 現在でもこのままの状態で、その後も修正を加えていません。見てくれはちょっと悪いのですが、それでも実用上は特に問題なく使えています。

 

 繰り返しますが、ユニットバスというのは、このパネルの塩ビ膜が大きく傷つかなければ、まず問題なく長期に使えるだろう、というのが販売店の方の見解でした。現在まで15年ほどの間、何とか使い続けられていることを見れば、その見方は正しかったわけです。そして、大きな地震のような災害が無ければ、これからの10年やそこらも、まず問題なく使えそうに思います。もちろん、手入れは必要です。

 






ドア・ドア枠の調整
 

Vドアのドアパネル着脱・吊元交換・作動調整は付属の説明書に従って下さい。

 
F78a
①ドアパネルは外してください。
 

 外すのも組むのも特に難しい作業ではありません。紛失してしまいましたが、別紙の説明書が付いています。
 

②下げ振りをして垂直度を(前後左右)2mm以内として下さい。
 

 これは、大体で確認しましたが、特に大きくずれてはいなかったと思います。
 

③ドア枠とコーナーフレームの間にスペーサーBを挿入して皿タッピングで固定してください。
*ドア枠がタイコ状になる場合は塩ビスペーサーで調整してください。
 

 特にタイコ状にはなりませんでした。調整するには恐らく、スペーサーを足して枠の幅を少し小さくするのだと思いますが、やっていませんのでよくわかりません。
 

*ビスはシリコンを付けて下さい。
 

 その通りにやったと思います。
 

*スペーサービス締め付けにより調整してください。
 

 これで、多少の枠幅は調整できるのかもしれません。




F79 枠には最初から穴が空けてあります。このビスにシリコンを塗って施工します。
 

 フレームの部分は防水しなくても元々水が来るところではありませんが、このドア枠は直接水に晒されます。この状態で、上からシリコンを塗布してドア枠の中に水が入らないようにします。


 
F80 ドア枠とフレームの様子。

 

 スペーサーが確認できます。ひょっとしたら、スペーサーを使い方を間違っているのではないかと思うのですが、よく分かっていないのです。いずれにしても、枠がタイコ状になることはありませんでしたので、問題は現在まで起きていません。

④ドアパネルを入れドアパネルとドア枠の隙間が上下左右均一になるようにしてください。
⑤Vドアは常に右吊元となっています。タイプに合わせて吊元を交換してください。
 必要ありませんでした。ドアを付けたり外したりといった作業は簡単でした。
⑥引き手をドアパネルに取り付けてください。
 引き手はビスで取り付けるようになっています。
⑦ドアの作動状態を調整してください。


 問題なく動きました。今外して付け直しても、特に問題はないと思います。今もスムーズに動作しています。壊れそうなところもありません。

 

 

 この後、電球・グローブやシャワーフックを取り付けてユニットバスの組み立ては完了となります。

 

 換気扇の取り付けと配線工事(電灯も)、配管工事が残っていますが、要項書にはこれ以上の説明はありません。また、残りの工事につきましては、一つのブログ記事に書ける容量を超えてしまったようですので、次回に持ち越しとします。





以下、組み上がったユニットバスです。

 
F81

 

  使い始めて間もない頃の状態。換気扇と電灯の工事も終わっています。水栓へはSUSのフレキシブル蛇腹パイプが1本だけつないであります。そこからホースにつなげ、ホースの先には瞬間湯沸かし器を使った臨時の給湯システムのお風呂ポンプがつないであります。

 

 前述の通り、この瞬間湯沸かし器を使った給湯方法は、結局半年以上も使うことになってしまいました。不便ながらも、これでお風呂の給湯が何とかなってしまうものですから、正式な給湯器購入の優先順位がどうしても低くなってしまったのです。まあ、簡単に言うと、お金が無かったということです。

 
F82 ドアを閉じた状態。



 
F83 出来上がった様子。


 
F84 外側の様子。