大学病院のベッドの上ですくすくと成長しているシー君。

ママは、自分を責めた。
シー君の命を否定した人たちを恨んだ。
これから始まる治療のシー君のツラさをおもい、あなたと病院から逃げ、山林の中の別荘のようなところでゆったりと自由に楽しく過ごしてあげたいと思った。


けれどそんな枠から外れた行動は、できなかった。

生きるというのはなんだろう?

入院してしばらくしたある日、シー君が寝ている間に
コンビニへ。

途中、病院のそばを流れる川を見た。

まだ、青々とした葉がついた枝がすーっと流されていた。
その一方では流れに逆らって泳ぎ進もうとする魚がいたーーー。

流れに逆らう。それは動物にしかできない。


人間に生まれたからには人間ができる限りのことをするのが、生きることなのだろう。
すこしだけ前向きになった。

人間社会でなければ、最後まで、何にも縛られず自由だ。
でも医学の進歩があるから、優馬はまだ希望がある。

だから、シー君は今、病院の個室、クリーンカーテンの中でスヤスヤと寝ている。

ママも寝よう。