父の御用達、古びたイオンに父と一緒に買い物へ行ったある日
開店したばかりで駐車場はまだガラガラ
無事に駐車場へ到着し、マイバスケットをトランクから出していたところ、軽自動車がやってきて3台ほど先に前進で停めた
と、思ったら
ブイーン!ボコッ!ドカっ!
キュルルルルル!キュルルル!
と、すごい音がしている
車止めを乗り越えた車が、駐車場の看板をなぎ倒し、裏側に停めてあった車2台にもぶつかってしまったようだ
後ろに下がれぬままタイヤが空回りしてすごい音が出ていて、運転している若い女性も中で大慌てしている
車が停止し、中の人と目が合ったので、大丈夫ですか?と聞きながら近づいていくと『大丈夫です』と口パクで答え、アワアワしながら車の中で電話し始めた
父は昔から人の不幸にワクワクしてしまうタイプなので
『へぇ!ビックリビックリ!こんなの初めて!いやぁスゴイスゴイ!へッへッ』
と興奮気味にデカい声で感想を述べ
『よーし、よし、買い物するかぁ!』
と自分で書いた買い物メモと、マイバスケットを持って店内に消えて行った
マイペースである…
事故によるけが人は無く、運転していた女性は車の中で警察に電話しているようだったので、私はお店の人を呼びに行った
運転していた女性は青白い顔で、
『考え事をしてました』と近くにいたおっさんに話していた
お店の人が呼び出しの放送をしたり、警察が来るまで私も一緒にいてあげたかったのだけど、父の事が気になって少し女性と話して離れてしまった
結局、父は大好きな古びたイオンの店内でイキイキと買い物を続けていて心配不要☆といった感じだったのだが。。
買い物を終え店から出ると、パトカーやらぶつけた相手の人やら、通りすがりの人がたくさん来ていた
父は『へぇ!さっきので来たんか!スゴイスゴイ!じゃぁ次行こう』
と、いそいそと車に乗り込んだ
若い人でも事故るというのを目の当たりにして心配する私をよそに、相変わらず父は我関せずである。。