前略 18歳のあたしへ
久しぶりですね、相変わらずあなたは楽しそうで何よりです。
今から6年前、あなたは10年後の自分ー28歳の自分に向けて、
ささやかなメッセジーを残しましたね。
その日から数えて、気付けばいつしかこんなところまで来ていました。
もうすぐ届けられそうです。
あなたは自分がどれほどの幸せの中にいるのかを、必死で伝えようとしていました。
きっとそれは、これ以上の幸せはこの先訪れないという現実を薄々感じていたからでしょう。
だからあなたはこう伝えました。
「たとえばあなたが、今わたしの思い描いている未来に立っていなくても、
あなたがひとつひとつを選んで行った場所にいるなら構わない。
幸せだと笑っていられるなら、それで構わない」 と。
「18歳のあたしは、笑顔と元気だけがとりえだけど、とても幸せです」
その言葉をあたしは胸に刻み、ひとつひとつ、丁寧に、自分で選んでここまで来ました。
引き換えに失くした物は大きかったのかもしれないけれど、
決してどれも投げやりに選んだ物はない。
諦めない気持ちだけを武器に、
あの頃の夢はいつしか日常になっている。
あの頃と同じように、誇れる友人に囲まれ、一人で生活していけるくらいの収入もある。
あの頃よりも好きな物は手に入るし、規則や制限などない。
なのにどうしてだろう。
いつもどこか大きな穴がある。
自分の中に、名前の知らない場所がある。
思えば18のあたしの中にも小さく存在していただろう。
気付けばこんなにも大きくなって、向き合い方も分からないまま、
あたしはそれを放り投げている。
仮に孤独と名づけたその穴は、おそらく18歳を経験した誰しもが持っていて
それぞれに向き合ったり、気付かなかったり、あるいは耐え切れずにしているのだろう。
あたしには、まだこうする事しかできないのです。
言葉にして、その存在を忘れないように。
それをあと4年、28歳になる時まで、放り投げずに向き合って生きたい。
追伸、18歳のあたし
24歳の日常はとても満たされています。あなたの持っていない物も得ることができました。
ただ、あたしの持っていないものを、あなたが持っているというだけなのです。