久方ぶりの投稿になります。
ルーマニアのホステルを卒業したあと、スペインに渡り、そこでかなり充実した日々を過ごし今はポルトガルに来ています。
なんだかとっても楽しかったのであまりブログを書く気になりませんでした。
本当に素晴らしい経験は、記録に残してしまうとなんだか大切なものが逃げてしまうような気がしてしまって。
が、しかし今日はとってもユニークな経験をしたのでそれをシェアしたいと思います。
ぼくは今ポルトガルのコインブラという街に来ています。
コインブラはポルトガル最古の大学がある学園都市です。
ホステルで働いていた時にポルトガル人のお客さんが来て、その人と友達になり、ポルトガルに来たら連絡をくれ!!
と言われていたので彼に連絡をしました。
彼は現在ブルガリアにいるため、残念ながら会えないのですが、幸運にも彼の実家に泊めてもらえることになって、彼の故郷コインブラに来ました。
リスボンから電車に乗って、コインブラに向かいました。
駅に着いたら彼のお母さんに電話して迎えに来てもらいました。
電話越しから聞こえる声からしてとてもいい人のようです。
会ってみたらやっぱりいい人で、小柄でパーマのかかった赤い髪の面倒見の良いおばさんでした。
名前はイザベルさんです。
そして街に向かい、彼女の娘さんとそのボーイフレンドに会いました。
街の中心部ではたくさんの出店が並んでいます。
路上でアクセサリーを売っている娘のイネスさん。
ハットを被った長髪のボーイフレンドのノルマンさん。
二人の間には生まれたばかりの赤ちゃんがいました。
かなりの男前でとっても優しい人。
木村拓哉に似た顔立ちです。
しかしどうやら彼はプー太郎のようでした。
昼間からワインを飲み、ぼくにもワインを飲ませてくれました。
ポルトガルのワインはとってもフルーティーで美味しいです。
ぼくのことを皆とても暖かく迎え入れてくれて、ノルマンさんの友達(彼もまたプー太郎)も優しかったです。
しかし、ああいう人と結婚すると女は大変だろうなと思いました。
ノルマンさんは男前でとっても優しいので気持ちは分かりますが。
とそういった旅らしい出会いをしたあと、ぼくはポルトガル最古のコインブラ大学に向かいました。
実はポルトガルの大学はハリーポッターのモデルとなっていて、生徒はなんと、黒いローブを纏っています。
そんな生徒達が街を闊歩している様子はまるで映画の中に来たかのようです。
大学にいくまでの道を尋ねた女の子達は
ぼくにお菓子を分けてくれて、ぼくが旅をしている話をすると、お金はどうしてるの?
私もしたいわ!
と興味津々。
何だか今日は人との絡みがうまい具合に発生しています。
丘の上にある大学へと着きました。
厳めしい像が立ち並んでいます。
ぼくは大学の構内に恐る恐る入りました。
何だかあやしげな雰囲気が漂う構内にぼくが入っていいのか定かではなかったですが、生徒のふりをしていざ神妙に。
トイレで用を足したあと、地下への階段があったので下りてみました。
すると、地下講義室で何やら不穏な騒ぎが。
野太い声に続き拍手喝采が起こっています。
何かの集会が行われているようです。
ぼくは受付の女の子に何をしているのか尋ねてみました。
コミュニストの集会だそうです。
どうりで怪しい雰囲気なわけです。
大学の地下講義室で行われる社会主義者達の集会。
なんだか小説の中のような展開です。
京都の吉田寮と呼ばれる学生運動の盛んな寮に宿泊した時と同じ匂いです。
その非社会的な不穏な空気に奇妙な親密さを感じてしまう自分がいます。
ちなみにその受付の女の子は別に社会主義ではなく、何やら集会で歌を披露するために他大学から招集されたコーラス隊の一員だそうです。
ポルトガルでは学生が路上でコーラスをしてチップを受け取り小銭を稼ぐことがメジャーなそうです。
そんな彼女と若干親しくなり、彼女の趣深い制服姿を写真に収めさせてもらいました。
各々制服に自分の好きなワッペンを貼り、学生生活の象徴としてその制服を楽しむそうです。
ちなみに彼女は見ての通り小柄でとてもかわいい顔立ちです。
その彼女は数分後に集会で歌を披露するということで、ぼくもそれを見るために集会場の中に潜入しました。
前方にある壇上に数人の輩が鎮座し、何やら偉そうに喋っています。
それを聞いて相槌を打つように会場は拍手しています。
老若男女多彩なメンバーです。
50人あまりでしょうか。
場内には赤色の旗がひらめいています。
そのうち、合唱が始まりました。
ぼくが思ったよりも明るい感じの凱旋曲のような歌でした。
それを皆で歌って、盛り上がる様はサッカーの試合でサポーター達がチームを応援するように見えました。
しかし、その盛り上がりがかえって儚く思えました。
自分たちがうまくいかないというのを潜在的に認識していることを盛り上がることによって隠しているような、まるで高校生が青春を謳歌したいがためにやたらと学園祭で盛り上がるのと同じ気配を漂わせていました。
その合唱が終わると、受付の女の子達の一行がギター、マンドリン、太鼓を持って壇上に上がりました。
ついに彼女の出番です。
悲しげな感じの歌を歌いはじめました。
その歌の次は情熱的なタンゴのような曲。
場内は拍手に覆われました。
アンコールを促す声が聞こえます。
しばらくするともう一曲演奏が始まり、そしてその曲のあとはまた合唱が始まりました。
今度は会場の皆が壇上に集まり飛び跳ねています。
ぼくはその様子を少し気まずく遠巻きに眺めていました。
これがコミュニズムなのでしょうか。
ぼくは東欧諸国を回ったのでコミュニズムの影響というのをつけつけられました。
取り残された不自然に巨大な無色の建物達。
どうして、まだあのような道を歩もうとするのか。
集会は終わり、人々は神妙な顔で会場を去っていきます。
会場の外で集まるコーラス隊の中の彼女にぼくはもう行くねと別れの挨拶をしました。
南ヨーロッパでは男女がお別れをする時に軽く頬にキスをします。
何度か経験したのですが未だに慣れないぼくは、ぎこちなくその行事を執り行い別れました。
その後は、レストランに行ってパスタを食べました。
最近になって思いますが、ぼくはオーストラリアでもルーマニアでも毎日パスタしか料理していなかったため、パスタの腕が相当上がり、普通のレストランのパスタと同じレベルの味を出せるようになっていました。
ケータイの電池がきれてしまったため、そこで店員さんにケータイを貸してもらって
イザベルさんに電話をしてレストランまで迎えにきてもらいました。
その後はまたお家でワインをいただき、眠くなってベッドに向かいました。
と、このような一日を過ごしました。



