今月は何だか忙しい。月初よりスタートダッシュで、前職の人たちと東京でランチ、ちょっと仕事、久しぶりの地方での結婚式出席をこなして、ようやく家で落ち着けた今日である。でも、まだ今週末の引っ越し手伝いと孫の七五三が控えているので、本当にゆっくりできるのは来週になるって感じ。

すっかりこの家での生活が楽になってきているので、出かけていくのは結構元気が必要になる。山から麓に降りていく仙人みたいな心境だ。やれやれと思いながら出かけるんだけど、(仙人はやれやれとは思わないな、きっと)一旦出かければ、色々な場面で刺激を受けてそれなりに楽しい。

ランチ会では、会費がペイペイで清算できることを知った。ちょっと早めに失礼するので会費を多めに支払ったら、あとで清算してペイペイで返金しますねと言われたのだ。ひゃーっと驚くと同時に、これじゃあお札の出番はなくなるよなぁと実感する。

東京に着くと、何となく空気がにおう気がする。住んでいた時には気が付かなかったのに…。でもだからと言って早く空気のきれいな家に帰りたいとまでは思わない。昨日もそこにいたように、人がうようよいる渋谷や新宿を歩き回るのはやはり楽しい。渋谷で「ラストマイル」を観た。本当は東京都美術館で開催中の田中一村展にも行きたかったけど、時間がなかった。ラストマイルは上映が始まってから日にちが経っているので、早く観ないといけなかった。興行成績がとても良いらしい。私はアンナチュラル、MIU404も観ていたので、この映画も観たかったのだ。ドラマもそうなんだけど、表現は軽めで展開は早い。観ながら、このスピードについていけなくなったらまずいかもしれない、なんて思う。展開の早いストーリーについていくのはボケ防止に効果がある気がする。

咳が出るので、近くの薬屋さんで薬を買おうとすると、店員さんが様々な言語で書かれた説明の紙をめくっている。「あ、日本語で」と言うと彼女はちょっと安堵した顔を見せた。確かに狭い店内にいる顧客は私以外はほぼ日本人じゃない。咳止めの薬を買うのにわざわざ署名させられたので「何で?」と聞くと、彼女はちょっと困った顔をする。あ、オーバードーズの関係ねと一人合点する。なにせトー横のすぐ近く、お膝元だもんね。薬一つ買うだけで、最近の世情を肌で感じるのは、やはり刺激的である。

映画を楽しんでから、孫の子守。翌日新幹線に乗り結婚式へ。地方の結婚式は盛大で長時間だ。二次会は失礼して、翌日帰路へ。途中、長いことできていなかったお墓に寄り、そこの和尚さんと今後のことを話し合った。このお墓は私の父が建てたんだけど、この後を継ぐ人間がいない。継ぐべき弟はそんなことは一切関知しない不出来な人なので私がこのお墓をどうにかしないといけないのだ。父の残した財産と言えるものはそのほとんどを彼と妹が使いきり、私はほぼ何も、有形なものは貰っていない。でもまぁ今さらそれを言っても仕方ない。誰かはやらなくちゃいけないもんね。そこのお寺でも墓の継承は難しい問題で、墓じまいに関しても対応してくれているようだったのがありがたい。

そんな怒涛の1週間を乗り切れたので、今のところ体力はまだ大丈夫なようだと一安心して、今日は小雨を眺めながらだらだらしているってわけ。