松本城と子供達
子供達![]()
が松本城天守の床磨きを始めて、早
10年
になろうとしています。
10年前、ゆとり
教育の一環で、お城周辺地域の「中央地区こども会育成会」として何か実行出来ないかと模索中に、「こども達に松本城天守の床磨きをやらしたら如何だろう」と提案
。しかし、今時の子供達が清掃行動を実行出来るのかと、議論が分れました
。
兎も角、一度やらせて見ようと4月
から、不安を抱いてのスタートでした。
しかしそんな不安は第1回目の床磨きから全て吹き飛んでしまいました
。まあ、
真剣な清掃姿とはとても言い難い雰囲気でしたが、文化財に直接触れる意義と、
「松本城天守の床磨き」の楽しさ
は子供達の記憶に残ったようでした。
又ある小さな女の子
が「叔父さん、お城は皆で大切にするんだよね」と言った言葉で全ての結果が出たと思いました
。
以降10年間、年5~6回、土曜日の朝7:00からの床磨きは、毎回若いお母さん、お父さんを含め70名~80名の参加で続いている。終了後の1個のおにぎり
を皆で味わいながら。
ここに、平成21年の松本古城会会報に投稿された、開智小学校6年Iさんの文章の一部をご紹介します。
~ 私は小学校5年生の春から松本城の天守かく床みがきに参加しています。初めての時は、松本城に入れる喜びと「床みがきってどうやってするんだろう」ってワクワクドキドキでした。 さていよいよ床みがきです。
最初に、まず軍手と不思議な袋を渡されました。その袋の中には、くるみと米ぬかが入っているようです。その袋を使って床をみがきます。みがき方は、布袋で床を100回みがいて、そして固くなった布袋をトントンと軽くたたいてほぐします。「100回みがいてトントン」です。だんだんとつるつるとしてきて、きれいな光沢が出てきます。なんだか楽しい?100回みがいて「トントン」100回みがいて「トントン」・・・
私はきれいになっていく床がうれしくて何度も、何度も100回みがいて「トントン」をくりかえしました。みんなでみがいたので松本城の床や、柱はピカピカきれいになりました。 私達が、終了して松本城をでるころには、公園にはたくさんの観光客の方々が集まり入場を待っていらっしゃいました。「私達が、心をこめてきれいにみがいた松本城をどうぞゆっくり観光していって下さいね」と私は心の中で思いました。
・・・・・略・・・・ ~
松本城よ、貴方は強かった!
平成23年6月30日(木)8:16AM
松本地方に震度5強の地震が発生しました。
震度5強の地震は私共としては初めての経験であり、それはとてつもなく、巨大な数値であります。
恒例の日課となっているNHKの連続朝ドラ「おひさま」を家族で見終わり、
1組目の宿泊客(男性2人)を送り出した直後の発生でした。
以前から松本は、台風・集中豪雨・河川の欠損・土砂災害、
勿論地震等自然災害の少ない地域でしたから、その驚きは大きなものでした。
国宝松本城は、当館のすぐ前に威風堂々とそびえ建っています。
日頃地震などの災害時このお城はどうなるのだろうかと、我が身同様に気になっていました。
この日は残念ながら、松本城がどの様に揺れたのか、目にする事も出来ず、
当館の散乱物を片付ける事に追われてしまいました。
昼近く、松本古城会の田中会長(後記)より
「松本城にひびが入ったとマスコミが騒いでいるが如何だ」
と電話が入りました。
各地の知人友人からの見舞い電話も必ず
「松本城にひびが入いったんだって」
と。
地震の規模は松本城の損傷で判断しているようだった。
ひと段落して、午後早速松本城の状況を目で確かめるべく向かう。
外観からは、震度5強の痕跡の微塵も見えない。
相変わらず、城は堂々と、静かにそびえ建っていました。
大石管理事務所所長の案内で、隅々まで確認する。
確かに数本の細いひびが狭間(ざま)から伸びていた。
しかしそれは街中の凄まじい被害とは比べようも無い微少だと思いました。
その証拠に城郭内は観光客の屈託の無い笑い声が響き、
つい数時間前の地震災害の恐怖など何処にも無かった。
偉大で、強硬で、巨大な天守内の空間は400数年前と何ら変わら無い姿でそこにあった。
松本城は、今日も美しい時代の姿を山々を背に、我々の支えとして聳え建っています。




