そんな生活が数年続き、私は当時の彼との子を妊娠した。

ちょうど彼の勤務地が変わり、遠距離になった。

結婚しようとなって、両家の挨拶もすんだ、妊娠4カ月が過ぎた頃、激しいつわりと不安と悲しみで私は常に情緒不安定で、彼と常に衝突した。

なので私は実家で過ごす事にした。

彼の事がすごく好きなわけではなかった。



妊娠5カ月になろうとしてる頃から彼との連絡が途絶えた。

不安と苛立ちの日々。


やっと連絡がついて、私も溜まっていたものを吐き出した。

すると彼は一言『俺だって怖い!!』そう叫ばれて私は沈黙の後、電話を切った。

その後連絡を取らない日が続き、しばらくしてメールがきた『おろす金ならいくらでも出す。産むならお前の勝手だから』と。

数日後、彼の両親から実家に電話があり、父が出た。父は「ええ、ええ、はい。そうですか。はい。」と電話を切った。

「◯◯くんのお父さんからだった。『そういう事ですので、産むならこちらは関係はありませんので。』と言っていたぞ。」と。


彼のメールでも衝撃だったのに、彼の親もさらに衝撃だった。

人は衝撃すぎる事があると、悲しいとか辛いとか涙が出るとかを超えて無になると知った。

父はもっと怒ってもいいはずだった。なのに怖い程冷静だった。

「そんな事しか言えない奴等に怒ったところで意味はない。」

小さい頃から罵られ、私達に無関心だった父を始めて尊敬した日だった。