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『人生はローリングストーン』

 

私が好きな小説『ヴィトゲンシュタインの箒』を書いたデヴィッド・フォスター・ウォレスと彼に同行したインタビュアーの道中を描いた映画だとか。数年前に公開されて日本でもDVD化されたようだが、最近やっとその存在を知った。原題は『その旅の終わり』だが、邦題は『俺らはハリキリボーイ』とか『クリスタルの恋人たち』みたいなセンスだな。前掲書も『システムの箒』が原題だから、まあ、当世風の「超訳」だな。

 

 

前掲書はなんかイイ感じの青春小説だったから、彼が自殺したと聞いて驚いて2ch文学板にスレを立てた記憶がある。いや、スレを立てた後に自殺したんだっけな?経営学者ドラッカーも俺が「お笑い経営学板」(なぜ『お笑い』なんだ?)にスレを立てたら死んでしまった。ふたりともカリフォルニア州クレアモントの大学で教鞭をとってたんじゃなかったかな。俺のカラオケの十八番は水谷豊の『カリフォルニア・コネクション』だが、不吉なコネクションだなw。下の写真は作家ウォレス本人の写真。前掲書は、対話だけの章とかシナリオ形式の章なんかもあったりして、映画的技法を取り入れているなと思った。その種の作家というとプイグが筆頭だが、訳者解説によるとウォレスはプイグを高く評価していて、論理学徒の視点から「読んでいてカチッと音がする小説が好きだ。プイグのカチッ音はガイガーカウンターみたいだ」などと評した一文が紹介されていた。幸福にもこの頃はガイガーカウンターなんて耳慣れない言葉だな、としか思ってなかった(東北震災後、あ、ウォレスが言ってたやつだと思いながらニュースを聞いていた)。

 

 

映画のほうも、ぜひ見てみたい。アメリカ映画に対してそんな風に思ったのは久しぶりだ。ツタヤにあるかな?ローリングストーン誌記者が有名人に同行する話というと『あの頃ペニーレインと』を思い出すが、その有名人というのがロックミュージシャンじゃなくてポストモダン作家だというマイナー感が(個人的には)素晴らしい。記者のほうを演じるのは、Facebookの創始者を演じたことがある俳優だな。ウォレス役の俳優は知らない。ジョン・キューザックも出ている。前掲書はたまたま手に取って惹かれて読んでみた小説だが、似たような出会い方をした小説にニック・ホーンビィの『ハイ・フィデリティ』というのがあって、キューザックはそこで主演していた(確か製作者も兼ねてた)。もっとも『ハイ~』のほうは、あんまり面白い小説ではなかった。舞台を英国から米国シカゴに移して撮った映画版のほうがマシだった。

 

(追記)https://love6.5ch.net/test/read.cgi/book/1217654406/←これが、文学板のウォレス・スレ。やっぱり、立ててから死んでる。ドラッカーやクレアモントについて言及したレスもある。これは俺のだw。そこにアンカーが付いていて、スレ立てをグッドジョブだと慰めてくれていた。

 

(さらに追記)キューザックはジョンじゃなくて、姉貴のジョーンのほうかよ!紛らわしいからジョアンと表記したほうがいいな。なお、ジョンが『ハイ~』で兼任してたのは製作ではなくて脚本でした。再編集による訂正ではなく、追記による訂正にしておきます。間違い方を残しておいたほうがいいと思ったから。

 

 

左写真の男がジョン、右写真後ろのパーマ女がジョーン。両方とも『ブロード~』で始まる題名の映画。