丸木の人々

丸木の人々

埼玉県東松山市にある“原爆の図 丸木美術館”で活躍するボランティアのブログ。美術館内外の清掃・整備から、企画展の展示替えやイベントスタッフまでこなすボランティアの活動報告や生の声をお伝えします。

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今日は丸木ボランティアへ

 

9月15日から開催される企画展

加茂昂  追体験の光景 

の展示替え作業のお手伝いに行ってきました。

 

加茂さんは埼玉県所沢市在住の若手作家。

 

今回の企画展は作者が2017年に広島、熊本、福島で取材し、それぞれ開催された展覧会の作品が一堂に会する展示。

 

広島は原爆、熊本は水俣病、福島は3.11以降の原発、放射能の問題をそれを個人個人の歴史として切り取り、絵を描いたそうです。加茂さんの話を聞き、加茂さんが追体験した個々人の歴史を、私もまた絵画を通し追体験させてもらった気がします。

 

特に気になったのは、福島のある家族の絵と緑色を基調とした風景のデッサンです。

まるでその人の中に閉じ込められてしまったような、福島の風景は、今もなお福島にあるはずです。穏やかな、優しい緑で描かれた風景は日常によく似ています。

けれど、そこに描かれたフェンスの通り、閉ざされ様変わりしてしまったんだなぁと。

 

エコパーク水俣という場所に置かれた石彫をモチーフに書かれた48枚のデッサンと、八代海(不知火海)をバックに浮かび上がる石彫の連作もまた、見応えがあります。

透き通るような海と空は様々な表情を見せ

吸い込まれそうなくらい綺麗でした。

 水俣病患者が、痛む手で掘ったというその石彫を

実際に見に行きたくなりました。

 

市民が描いた原爆の絵は、三回に渡り公募され4000点もの絵が集まったそうです。

今回の企画で珍しいのは、それを「模写」し、展示している点です。

この模写という行為が、実は発見が多かったのだと目を輝かせる加茂さんの話にぐいぐいと引き込まれました。

 

遠い日の広島も、水俣も、現在の福島も全て繋がっているんだなぁ、、、解説を聞きながらの展示作業は実に興味深く

、いくつかのモチーフについて自分を介しながらモノを産み出す表現への憧れが、フツフツと湧いて来ました。

 

この企画が丸木美術館で開催されるというも嬉しいです!

 

 10月21日まで。

初日の15日にはオープニングトークもあるそうです。

皆さま、ぜひお運びください!

 

神田

 

 

 

 

 

 

長らくお待たせ致しました!

4年ぶりの更新です。

 

このブログがお休みしている間も

丸木美術館とボランティアたちは休まず活躍してきました!

 

 

今日はひろしま忌

 

 

 

 

 

 

 

写真がない方もいますが

他にも新旧たくさんボランティアが参加されました。

 

私は実に5年ぶりのひろしま忌です。

懐かしい顔に出会え、嬉しい1日でした。

熱心な若手が増え頼もしい限り。私も若手ですが笑

 

朝9時に集合し

ミーティングと、テント設置やイベント会場設営などを全員で行ったあと

それぞれの持ち場へ

駐車場係、送迎係、賄い係、進行係、PA係、友の会受付係、事務所サポート係などなど。8.6ひろしま忌や5.5開館記念日にはイベント運営のため、ボランティアが担う仕事がたくさんあります。

 

交替で、万年山さん特製カレーを食べたり

朗読や講演を聞いたり

出店の美味しいパンやかき氷、ポコポコティーを食したり

美術館クラブで工作したり、とうろうに絵を描いたり

お野菜や石鹸を買ったり、、、

 

 

 

 

ゆる〜く、楽しく、疲れないように

みんなで思いやりながら、

ゆっくりおしゃべりを楽しみながら

一緒にイベントを支えます。

 

丸木美術館が最も賑わうこの日

前庭には楽しい雰囲気が漂いますが

館内は水を打ったような静けさに包まれます。

この対比が、なんとも言えません。

 

来館者もボランティアも

遠いあの日に思いを馳せ

ひろしま忌の集いで、黙祷をささげます。

締めくくりはとうろう流し。

 

7月末から数度に渡って行われた草刈り

この猛暑の中、道無き道を開拓してくれたお陰で

今年も無事とうろう流しが出来ました。

 

そしてボランティアたちの密かな楽しみの

打ち上げも賑やかに開催され、今年のひろしま忌は幕を下ろしました。

 

参加された皆様、お疲れ様でした!

 

神田

 

 

東中野のポレポレ坐にて行われた「エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ 1 『屠畜』」 を見てきました。中央アルプスチロルや西ニューギニアなど世界各地の屠畜の民俗を映す内容です。


丸木の人々




エンサイクロペディアは百科事典を意味しますが、これを見てただの知識・教養として納めるのは勿体なく思い、色々考えちゃいましたので、長文に…

家畜は豚やトナカイ、喉にナイフを入れ屠殺し放血する。毛をむしり、腹を割って内臓を取り出し、肉を解体していく。腸はしっかりと洗いソーセージ作りに利用し、肉を燻製にしベーコンを作る。

商品を作るための解体なら「これは売り物にならないから」と上質な部分以外を捨てるかもしれないが、彼らは換金製品ではなく、まさにそれをそのまま生活の糧とするからトナカイの角も、血でさえも捨てることをせずに使う。「一物全体食」、まさに命の全てを無駄にせず他の命に寄与する、これが命の作法だと学んだことがあります。この映像こそ自然と一体になって生きてきた文化・文明の素の姿です。

これに対峙する市場社会では、お金を渡せばお肉も当たり前に食べられます。命を殺める様子を目にすることはない。見たくないものにベールをした状態で社会というものを成り立たせる、これが分業制・貨幣社会の作った現代です。屠畜は汚い、でもその汚い土台に現代社会があるのに、それを見る事を野蛮だといって見させないようにしている社会です。

さて、日本の屠畜について言えば世界ほど発達した食文化はないでしょう。肉食という文化は狩猟民族か、寒冷地・傾斜地という農耕不適地に栄えています。「人間が食べられないものを食べさせて人間の食べられるものを作ろう」というのが家畜の起源で、決して「贅沢品を食べよう」という始まりではない、農耕不適地での食糧確保を目的とした起源です。日本は非常に農耕に適した風土ですから穀物・野菜を食べてきました。それでも「自分の食べるものを自分で調える」「自然から直接糧を捕る」ということで、今回上映された映像と構図の点では相違はないです。これが江戸時代まで栄え、戦後まで主とした自給的農業を軸とする生活の在り方でした。これに大きな打撃を与えたのが1961年に施行された「農業基本法」、農家所得の増大を目的に、農産物の選択的拡大により農業生産性は引き上げられ、これにより農産物は農家にとって「食糧」から「商品」へと色を強め、生活の道具を自然から得ることを辞め、増えた所得により商品を購入することで取って代わられる。こうして生活は自然から離れていった。命を見て、命と関わっていた自給農業は今日も衰退を進めている、「自然共生社会」→「貨幣社会」です。

「二-ズに対する商品の独占」これが現代。人は用を足すために絶えず貨幣を払い、働いて貨幣を蓄える。だから貨幣を多く持つ者は多くの幸せを持ち、持たざる者は不幸である。

この結果を振り返ってみる。都市に対して、遅れて貨幣が入り込んだ「地域」とは何か。持たざる者に国は経済の豊かさを見せつけ、道路などの公共事業を投資し、債務を負わせる。この相殺に用いられるのが「開発」。ダム、空港、原発… 国民利益のための犠牲を大義に給付金を与え、土地を奪う。「自分の食べるものを自分で調える」ことが弱くなった地域は貨幣に頼るしかないから、簡単に強者との隷属関係を生んでしまう。それが市場社会の特徴である。

「自然」から「自ら」糧を創造していた屠畜の「自立した」文化と、市場の歯車となり隷属を生み弱者に原発を押しつけた現代は、真逆にある。

ところで映像のソーセージやベーコンを作る季節は11月とか、これは大雪を迎える冬に備えての保存食の為。トナカイの毛皮を剥ぐのも防寒の為。西ニューギニアは保存食も毛皮も要らないから、その場で焼いて食べる。人間の暮らしは、自然・風土の在り方の歴史でした。アルプスに酪農が栄えるのは農耕不適地だから、東南アジアの人口の多さはお米の適地だから、山羊を連れたモンゴルの遊牧民は植物が乏しい不毛の大地だから… 文化の姿は国の政策のように人間がコーディネートして作られたものはない、砂漠のサボテン、シベリアのタイガなどの植生と同じく、農民の生活もまた自然の風土そのものです。だから代替不可能、他に移すことも、別の生活様式に変えさせることも出来ないんです。

市場社会はこういった文化の色を消して、誰でも、何でもお金で買える社会を目指す。そこに生じるのが格差で、消えるのはコミュニティというのが歴史の証明。





私は、この市場社会で権益を牛耳る人たちに「やめてください」っていう生き方をしなくちゃと思います。

次の社会の創造を考える時、お金では測れないものに目を向けていくことが必要で、屠畜を見るという事は、人が自然に立ち返ること、それはほんの50年前にはあった光景、(見たくないものにはベールをし、その目を広告やメディアの捏造だけに向けさせる)幻影社会ではなく、「自然の中の私たち」という現実社会に人間を引き戻すヒューマニズムの取り組みだと思いました。

村山




佐伯祐三のアトリエ兼住居が リニューアルされ オープン、



中を見学できるようになりました。



嬉しいニュースです。



東京下落合の小さな公園内に ひっそりと 建っています。

http://www.city.shinjuku.lg.jp/kanko/bunka02_000102.html



http://shinjuku.mypl.net/mp/walk_shinjuku/?sid=3221



http://www.museum-cafe.com/column/2504.html




素敵な空間です、 ぜひ 秋の散策に お出かけください。



  中村でした。








新宿 K'Sシアターにて  写真家 福島菊次郎氏のドキュメント映画



「ニッポンの嘘」が 公開中です。http://bitters.co.jp/nipponnouso/




近くの街の 玄米定食やさんで この映画のチラシをゲット、

さっそく観てきたら 大当たりの映画!!!!!でした!!!!




「名もなき人々」の「声なき叫び」を写真に焼き付けた伝説 福島菊次郎。

ヒロシマ、三里塚闘争、安保、水保、ウーマンリブ、そして 福島。

66年間、嘘っぱちの嘘っぱちニッポンを見つめ続け今、何を思うのか。




現在 年金の受け取り拒否(理由は映画の中に)、現在 山口県のアパートで


質素に愛犬と暮らしています。ありのままの生活の様子も、とてもチャーミングで


写真に命をかけた姿は 胸を打たれます。祝島での 原発反対デモの 写真も


沢山撮っていて 島の人からも絶大な信頼を受けています。



インパクトのあるモノクロームの写真と共に 彼がどのように写真と向かいながら



生きてきたのか、彼の言葉、生き様に こころから 感動し 涙しました。



この映画のタイトルの意味が 観終わると わかると思います。

 


うまく 言葉では 伝え切れませんが 一人でも多くの方にこの映画を観て欲しいです。







   ご無沙汰しております、中村でした。