すっかり遅くなってしまい、いまさら感もありますが、、

9月に開催しました「写談撮んぼ」の写真展のご報告です。

写真展へお越しいただきました皆様へあらためてご礼申し上げます。

 

 

こちらが今回の写真展で展示した4枚組写真です。(題名「陰影に咲く」)

(植物の名前は上から、チューリップ、イイギリの実、サルスベリ、ヒマワリ)

6日間の開催で600名以上の方にお越しいただきました。本当にありがとうございました

 

展示写真は、ブログでも過去に掲載してきたものですが、レフレックスレンズという反射望遠鏡の仕組みを利用したレンズを使って撮ったものです。(チューリップだけは通常のレンズに疑似的にレフレックスレンズの効果を狙ったフィルターをつけて撮っています。)

 

写真展でもたくさんの方にこのレフレックスレンズの独特なボケ感への感想、質問をいただきました。

レフレックスレンズというのは、レンズに入ってきた光をレンズ内の鏡で2回反射させて(光軸を折り返す)イメージセンサーへ結像させる仕組みなのですが、その反射させるための鏡が影となってボケに映り込むことでこの独特のボケ感がつくられています。

このレフレックスレンズのボケはドーナツ状のボケが強く出てしまうとうるさく感じるという欠点がありますが、背景の要素として入れると幻想的な表現をしてくれます。

 

さて、小難しい話はこれくらいにして写真展の話に戻ります。会場にお越しいただいた方からは拙作へのアンケート(感想)もたくさんいただくことができたのですが、その中でとても嬉しい感想がありました。

それが今回のブログのタイトルの「余白」です。

 

それは、(写真に)余白の広さがあることで、被写体へ寄るよりも心の距離が近くなるといった素敵な感想でした。

いつもブログを見ていただいている皆さんは気づいていただいているかも知れませんが、私の写真には花のアップはあまりありません。それは花自体を撮りたいというよりも花のある空間に興味があるからであり、そのいただいた感想にある「余白」を大切にしているからなのです。何かその大切にしてきた余白を感じとっていただいたようでとても嬉しかったです。

 

余白という響きからは、余りとか不要なものとか少しネガティブな連想もあるかもしれません。でも、「余白」というのは私にとって主役の被写体(花のある空間)を伝えるためにはなくてはならないとても大切な要素です。

 

随分前に書いたブログ記事、

輝くまわり道 | 風を感じて (ameblo.jp)

この時の気持ちにも通じている感じもします。

 

どんなまわり道をしてきたのか、どんな寄り道をしてきたのかも、自分が誰かとか、自分らしさとは何かを知る大切な「余白」だったりする気がします。

 

今年の写真展も無事に終えて、また来年に向けて始動しています。

写真の本質はいつの時代も伝えることです。来年はどんな「余白」を伝えるか、これから出会う被写体を楽しみにしていきたいです。