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 花を写すときは花の顔が見えるように正面から写すことが多いですが、私は後(裏)から撮るのも好きです。
 初めて見たレンゲショウマの後姿には優しく控えめな美しさを感じました。
 
 前と後ろ、表と裏・・・
 人は成長していくと必ず表と裏を持つことになります。私にとっては、それがポジティブな自分とネガティブな自分であったり、自信と劣等感、長所と欠点であったりするのですが。
 こうあるべきという理想を求めて、理性が強く働くほど、いつも表の自分だけみせたいという気持ちがずっと強くなっていました。(まぁかっこつけてるんでしょうね。)
 
 植物の写真を撮っていると、そんな気持ちを忘れさせて、違う価値観を語ってくれていると感じるときがあります。
 
 
 
 レンゲショウマの花言葉は「伝統美」だそうです。
 
 レンゲショウマは日本固有の植物だからということもあるのかもしれませんが、私にはレンゲショウマの持つ控えめな雰囲気が日本の伝統美、日本人の美しさに似合っているからのように感じます。
 
 今の社会は仕事でも能力主義、評価主義になってきて、また世の中のスピードも速くなり、そんな中では自分自身をきちんと主張して伝えていく能力が必要とされます。(皆余裕がないので自分で言わないといけません。)
 私はこの手のことが苦手なので、苦労しながらも、より良く生きるため、成長のため、時には追い立てられながら身に付けようとしてきました。またそれが劣等感だったりもします。
 
 
 でもどうあるべきかとか何が正しいかとかでなく、また社会の進む方向がどうかということとは関係なく、
 何が好きですかと自分自身に問えば、
 控えめな美しさが好きだったりします。
 
 
 レンゲショウマの後姿は、時にはありのままでいていいんだよという勇気を与えてくれているような気がしました。
 
 後ろから撮られたレンゲショウマはどんな風に思ってるのでしょうか。
「私の美しさは正面から撮ってよ!」 でしょうか。
「後ろ姿もなかなかでしょう?」 かもしれません。
 
 表裏一体、表と裏があってはじめて一つですから、
 ちゃんと裏の自分も認めてあげないといけないですよね。きちんと裏の自分と向き合うことで表の自分も磨かれていくのでしょうか。
 
 
 自信をもって後姿を見せられる自分になりたいと思っています。
 
 
 おしまいです。