会社という一つの枠の中で規則違反をしたら
当然その会社の規則にそって「罰」をうける





最悪
「クビ」
って事だってその規則の中にはいってる



社長は明確に反対していた
そして一緒に仕事にいって
(といっても私は術後たった1日後)


役立たずだった






そりゃ怒られる









「だからいったじゃないか!!!」








私は私のために一生懸命。。。。。








そんな事はわかっていたって会社社会からみたら
身勝手な行動による会社事業の「損失」につながってしまう事だってある







でも

だって





まってられなかった















結局公開はしなかったけど
私は家に帰って落ち込んだ


何が正しいか?
なんて



わからないよ!!!








私にとって手術が「正解」絶対!!!

それは譲れない
でも





その「正義」を振りかざしたら。。。。。
仕事ができないって事なんだ














アルバイトニュースをペラペラとめくった
いい条件なんかなかった
前序の事を考えたら
私のような



中途半端な「性別」の人間を快く雇ってくれる会社なんて思い浮かばなかった




悲しい




悲しいよぉぉぉぉ

どうやって生きていったらいいの?

急にたくさんの不安吹き出した



どうしたらいいの





どうしたら私は生きながら「女」になっていけるの?













警備会社。。。。。
日雇いの軽作業員。。。。。




どうしたらいい?





現実の世界にある日常には勝てない。。。。。








不安でいっぱいになったところに
電話がかかってきた














「明日は6時に迎えにいくからな」
社長の声だった





私は少しだまってから
泣きそうな声で答えた
「はい。。。お願いします。。。。」










救われたのだ
あれほど怒っていた社長は
明日の仕事の時間を私に連絡してくれた。。。。



まだ
使ってもらえる。。。。





それだけで不安の中から少し気持ちを落ち着かせる事ができた






「すいませんでした。。。。」

私はあやまった
けんか別れの時
私は社長に「理解」が足りないと泣き叫んだ



なのに
仕事につかってくれた事に素直にお礼をいう事もまだできなかった













思い直した
「理解」してくれている
少しずつ私も相手の「都合」を理解していかなくちゃいけない。。。



たしかに
早まった手術だったのかもしれなかった



でも











がんばっていきます


ありがとうございます





夜中私は涙涙で人知れず感謝した
それでも日常




それでも生きていく
ぼ~~~っとしていた





夕方6時を廻ったあたり
秋口だったけど
残暑のせいで汗でよごれきっていた






「新しい仕事。。。。。」







どんなに考えたっていい事は浮かばなかった





逆に怖くなった
こんなに自分の気持ちに忠実なのに


なんで
理解してもらえないの?



だって
女なんだよ!!!




女に

ホントに女になっていこう!!
って
努力してるのに。。。。




「手術」はダメだなんて


したら
「クビ」だなんて






こんなだったら
どこで仕事したって一緒じゃないの
やっぱり
社会的に認められてない「生き物」なの
でも
でも





それでも
欲しかったよ「オッパイ」
なんども触った
まだ身体になじんでなくて硬い「オッパイ」


豊胸なんかしなくたって
身体を形作らなくても「心」は「女」
と自信を持って言えた「姉」たちがいた
キレイだった



でも

私はキレイって方じゃないし
何よりも「自信」がなかった
だから「証」が欲しかった


自分が「女」である
というシンボル的な存在でもある「オッパイ」が欲しかった

待ってなんか。。。。いられない
時間ばっか過ぎていって
いずれ
「ああっそんな事を思っていた時もあった。。。」
なんて




そんな感慨にふけったりしたくない



もう後悔しながら生きられない








前に向かうんだ
いたい。。。。





いたいよ。。。。。。





一生懸命なのに。。。。
現場から歩いたのは
社長と現場でけんか別れしてしまって
自宅まで


電車を乗り継いで一時間以上かかって帰った私は。。。。





汗びっしょり
熱でふらふら







だってさ
でもさ
社長は
私のような「人種」もいて「生き方」もあるって



「認めて」くれていたのじゃなかったの?






帰る道でいろいろ考えた
もう
こんな現場仕事なんか辞めてしまおう


無理
無理なんだ




だって「女」だもん



無理だよ
力仕事なんて





かよわくなっていきたいのに「相反する」道




もう一度水商売にもどっていこう
そうだ
まだ若いんだし


あの高名なママだってひょっとしたら使ってくれるかもしれない
顔はぜんぜん女なんだから。。。。






お酒の仕事は。。。。
やせられない





いろいろ葛藤した
でも

限界ばっかが浮かんでうまく考えをまとめはできなかった






手にはアルバイトニュースをにぎって
私は自分の歩いた道をふりかえった






どこにいったらいいのかわからなくなった
家についても



沈んだ気持ちだって






私のオッパイ。。。。。。





これで私の道はひらけるはずだったのに。。。
どうしたらいいか
真っ暗な気持ちになった
あがらない。。。。





あがらないったらあがらない!!!


肩から上に手はあがらなかった
今まで事故で不自由になった事は何度かあったけど自分の「事」で
体が「麻痺」してしまったのは初めて




しかも手術のおわった翌日から仕事





非常識も極まっている






なんだってそんな事?





だってだって


誰も私の手術を支持してくれなかった
誰も私の手術を「応援」してくれなかった







これは私のための事!!!



そう割り切ったんだけど。。。。。




結局
半分冷や汗 で熱にうなされながら「現場」にでたよ


自分の事
自分の自由





だから社長は全然気を使ってくれない
それどころか


「俺は反対した!」




見てよ!!!

私だって立派に女になるためにがんばってるのに
熱だしたって
腕上がらなくたってがんばって
仕事にでてるじゃん!!!



なんでおこるの?





自分勝手に手術してってあなたは言うけど
私にとって必要不可欠だったこの「手術」











その日私は現場から泣きながら歩いて帰った
腕の事で社長とけんかになって



現場から。。。。。。とぼとぼとぼとぼ




いたいよ



いたいよ






いたいよ。。。。。
家に帰って。。。。



しばらく
まださわってイイっていわれてなくたって





しげしげしげしげ。。。。








なでなでなでなで





なにするでもなく

触ってしまう。。。。。





ああっオッパイ(笑)



私に戻ってきたオッパイはかなりでかかった
私は術後冗談半分で先生に言った





「巨乳好き?」




「肩幅から計算するとそのぐらいあったほうがイイと思ってね。。。」







普通は 切除して風船いれたら大きさ確認させるんだけど私が熟睡しちゃったから
確認はできなかった



「オッパイほしかったでしょ?」
のぞき込むように聞いた先生に「うん!」
満面の笑みの私





先生は背中を向けながら
「巨乳好きだよ。。。」















可愛い!!!!



可愛いよぉ!!!


きっとこれからは
そういう反応を私の周りの男が示してくれる!!
楽しみだぁ!!


そうおもって眠りについた











次の日の朝












私の両腕は上がらなかった
術後。。。。




たいした量の麻酔じゃなかったのにぐっすりだった私
先生もちょっとびっくりなぐらい熟睡してた




起きた時
包帯でグルグルの上半身には
さわっても何がなんだか?わからない硬い山が2つできていた



「硬い。。。」

私の言葉に先生
「だんだん馴染んできますよ そしたらいっぱい「揉んで」ね」









「揉んで」だって!!!
ハハハハ
それはまさに「オッパイ」にふさわしい言葉だ!!!



体中痛かった
歩くのだって辛かった



なのに
この「山2つ」が私の身体にくっついている事が嬉しかった


山手線に乗って
中野まで帰ってくる間
オッパイを隠すように両腕で囲って歩いた
単純に痛かったからなんだけど



大きくなった!!!「巨乳」を隠してあるいているみたいで。。。




ププププププ


見たってイイよ
もっとしげしげ見てくれたって!!!



好きでしょオッパイ!!
男の人にとってなくてならないでしょ!!!










私も大好き!!!
好きなモノはこうやって少しずつだって手に入れるよ!!



そう


やっと手に入った




やっと戻ってきた!!







私の大事なオッパイ!!!
手術は痛い?






考えた事もなかった
そんな風に思っているなら
手術なんかうけない





そもそも
自分に自信がない
「女」ですと大手を振って言えない








卑屈が卑屈を呼んで
プラスの思考になった







マイナス×マイナスで爆発した
どうしたって
「胸」が欲しい!!!





オッパイが欲しい!!!


私は社長の反対を押し切って
手術の準備を進めた

町金で金を借り入れ
後の事なんか考えなかった






かつての姉から教えてもらった
「整形美容医院」に駆け込んだ







これは戦争!!!


誰に反対されたって私は戦う!!!
私のしたかった事を
わざわざ
東京まできて

「停滞」させてなるものか!!





病院の先生の話は
端で聞くには「痛々しい」言葉ばっかだ




「大胸筋」の下に隙間を作って。。。。。
つまり
胸の筋肉と骨を切り裂いて剥離させる
その間に異物であるシリコンを入れる





当然
その空間は異物によって腫れ上がる
どす黒い輪郭をつくる「乳房」


クビから下は麻痺して
痛くて眠れなかったりもする。。。。。。らしい






という話






だから?






だから何?




でも
きっとそんな事より「満足」したい
自分を満たしたい





どうぞ
どうぞ!!!




さっさっと切って!!
私の「乳房」を返してちょうだい!!!!
私はできるだけ「自然」な形の「オッパイ」が欲しかった





だれだって当然の「願い」

でも

当時私はすでにBカップほどホルモンで作った胸があった








ただ





デブだった私からみれば
たいしたものでもなかった



乳首ばっかが目立って





「欲しい」

決めたらあっという間だった







そのための「費用」が十分に貯まっていたいたわけでもない
そのための「知識」を十分にもっていたわけでもない





ホルモンを打ち続けなければ「なくなってしまうオッパイ」
なんかより

てっとり早く
しっかりしたモノをつくってしまいたいの!!!








私は
そう社長に懇願した




だって!!





でも
私を快く雇ってくれた社長は反対した





まだ
仕事も半人前の私が「豊胸」だなんて





今考えればあたりまえ
でも
あの時私は必死だった






彼にもっともっともっと
私の方に向いてもらいたいの!!!



私を「女」としてもっともっともっと
扱って欲しいの







こんな思いを切々と語った




でも

イイ返事は得られなかった








。。。。。









イヤダ




絶対に「豊胸」する
豊かな「バスト」を手に入れる!!!





それは私にとって
大切な「パーツ」
必要な「パーツ」





あなたたちにとって「オーパーツ」だったとしても




私にとって帰還またれる私の「部品」なのだから!!
バストが欲しい





それは

自分自身のために思ったわけじゃなかった
今だから
はっきりいえる



はっきり
「男」をつるタメの大事な「備品」として
欲しくなった








彼が私を抱いてくれないのは「胸」も無く「下」も有りな私を
視覚的にもまだ「女」としてみれていないからだ






断定した




少しずつでも「女」になっていく
私に「興味」をもってくれるにちがいない




いや



絶対に
私の方に近づく





経済力にしたって
包容力にしたって絶対






そう

絶対私にかわれる「女」はいない





私はこれから
「成る」女だけど

「先物買い」
をしておいて損はない







徹底した勘違いの末に

私はついに豊胸施術に踏み切った
彼と私はどこでもおおはしゃぎ!!



どこにいったって
歓迎された












私はピエロだ
どこにいっても
「こいつはニューハーフなんだ!!」

言われ




そして

それを私も言う






珍しいから
飲み会だってドンドン盛り上がる
みんなを私が茶化してるとなりで

彼はせっせっとよその「女」をくどく。。。。





何やってんの?










だけど
そんな女が相手なんてしてくれないでしょ



そう
簡単に「女」はひっかけられない


だから

帰り道で愚痴る彼を「優しく」慰めてあげる








どんな事したって


最後は私!!!
















盲人のごとくそれを信じていた
ありもしない
幻想の「恋愛」を必死に大きくふくらまし続けた




まだ
キスしてくれないの?



いつも

少しのチャンスをうかがった


自分勝手に恋愛物語に邁進していった







でも





他から見た目はいつだってそうだった




奇抜で楽しい「男」2人









そんな「恋愛」