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出たら出放しのほかないんです

はい心は一つ=自分も一つです、さまざまあるように見えるのは
心の働きが一瞬もとどまらぬからです、

次から次への働きを観察し勘定するのは時にはありとしても、別段必要がないんです、
出たら出放しのほかないんです、観察し勘定するのも同じ一つ心です、

それを整理しどうかしようとするのは、きちがいへの道です、
幽霊にしてやられると同じです、

人間はないものに悩む、あるものにはたいてい悩まないです、ゆえに心病となすと。

坐っていて一つになるというのは、それゆえ嘘です、無自覚の覚といいます、
忘我ですか、たとい忘我にいたらずも微妙このうえないってふう、
無心とはまったく他になしを知るんです、仏は仏のほかなんにもいらんというこれ。