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1。ドイツの学校での授業の様子を教えてください。
州によって教育制度が違います。文部科学省にあたるところは州毎にあるため、テスト、特に卒業試験の方針が州によって違います。バイエルン州では卒業試験の課題は州が出すので生徒全員が同じ試験を受けており、勉強も厳しかったけど、私の州は中央試験がなく、その分は緩かったですね。
私のところでは英語の授業は小学5年で始まりました。授業はすべて英語で行われます。テキストでは、LindaとScottがある街に引っ越してきて、その街の紹介がされたりします(リンク先10ページ目参照)。
丸暗記させられながら、クラスの前で発表させられたり話すことが多かったですよ。テストでは "What do you see on the picture?" といった問いに対して、作文をしたり、穴埋めの問題がありました。
中学校になると、テストが違ってきます。--- 当時マイケルジャクソンのスキャンダルがあったんです。そのことについて先生がタブロイドとガーディアンを買い、生徒には新聞の名前を伏せて記事を見せ、どちらがタブロイドの文章か、ガーディアンの文章か、という問題をテストで出されましたよ。きちんとその理由も書かなえればいけませんでした。あと、国語はすごく楽しかったです。短編の物語の最後を切り取って、この続きを書きなさい。という問題もありました。そして、どの教科でも選択肢問題はありませんでした。選択肢問題を私が初めてやったのは、日本語の授業を受けたときでした。翻訳問題も大学の日本語の授業ではじめて見ました。
2。選択問題がないというのは、日本とはかなり違いますね。
ええ。評価方法についてもかなり違うと思います。英語の授業に限ったことではありませんが、高校では発言しないと成績落ちる仕組みでした。成績の3分の1がテスト、3分の2が発言だったかな。化学の授業では本当にわからなくて私は質問ばかりしていました(笑)。
3。テストも評価の仕方も興味深いですね。ではドイツの大学入試はどういうものですか?
ドイツでは、大学入試は芸大・美大以外は基本的にありません。高校の卒業試験が日本の大学入試にあたる試験です。州によって異なりますが、私は4つの教科(自分の専攻)のテストを受けました。専攻の国語と音楽は、それぞれ、朝8時から12時半までのあいだのテスト。それぞれ一つや二つの問題だけに対して長文で書いて答えるというものです。また別の日に3つ目の教科、私の場合は歴史でした。三時間にわたって、ひとつの問題に対して文章で書いて答えるものでした。4つ目は数学の口頭試験が30分でした。問題の答えを、黒板に書きながら先生に説明するんです。その試験と、三年間の成績で総合評価が決まる。その平均点によってはすぐに医学部(目当ての学部など)に入れるか、待たされるか等々が決まります。
4。語学学習に関して、辞書はどんなものをどんな風に使っていましたか(いますか)。
通訳と言う仕事に就くまで、私は電子辞書アレルギーでした。授業で引くと、授業の話はついていけなくなってくるからいやでしたね。そのときは、研究社の英和・和英の分厚い辞書をずっと持ち歩いていました。あと、あまり意味がつかめない単語はインターネットで画像検索するとわかりますよ。私も分厚い辞書でひいてもよくわからなかった単語の意味をイメージ検索したら、わかりました(笑)。
5。日本の英語教育についての印象を教えてください。
日本の英語教育は自分は受けた事がないけど、「過保護」という印象ですね。私がなるほどと思った論文は上智大学の先生のものです。日本の英語教育を水槽(保護されている環境だけで行われ)にたとえています。水槽に対して、社会は大海原であって、社会に出ていきなり泳いでおいでって言われる。まさしくそのような感じだと思います。
6。社会に出て、仕事をする上で英語の他に重視すべきだと感じるものは何ですか。
理系のひとは国語が苦手な人が多いのはどの国にも共通しています。でも、国語をきちんとしなければ、将来エンジニアになっていたって、仕様書とかを書くときにしっかりと意味の通るような内容が書けなくなってしまう。そういう仕様書を見て(日本語から外国語に)翻訳・通訳する時に、よーく思います。結構トラブルの原因にもなってしまうんじゃないかな。理系の人にも国語力はしっかりつけてほしいですね(笑)。
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いかがでしたか?
クララさんはTwitterなどで、日本人も答えに困ってしまうような質問、核心をつくような良い質問をよくされます。そういう疑問に思う力・質問する力は、クララさんがドイツで受けてきた教育の背景も影響しているのではないかと思いました。また国語力の重要性についても納得。知的なだけでなくバイタリティがあってオシャレで楽しいクララさん、インタビューを通してますます彼女の魅力を知ることができました。今後の活躍にも期待しています!
※クララさんへインタビューした際、語学や教育の話に花が咲き、長時間にわたり興味深いお話をしていただきました。インタビュー記事はいったんここで区切りますが、皆さんにお伝えしたい話はまだまだあるので、今後は不定期にクララさん関連記事としてお届けしたいと思います

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