朝!駅前タクシーの運転手に告げると、
人気の少ない街並みを走り出す。
「千葉家」は遠いですか?
「直ぐそこさぁ」、「寄ってこか?」
「直ぐなら、寄ってください。」
「重要無形文化財指定で改装中だけどぉ見れるからぁ」
浅はかだった!遠い!
「遠野って言わずに、広野だね」15分程走って引き返して貰った。
かっぱ淵に着くまで、運転手は話続けた。
少しウザかった。
タクシーを降りて、少し歩くと腰の曲がった婆さんが「かっぱ淵いぐのげぇ?すぐそごだぁ」

かっぱの伝説は、遠野物語にはよく出てくる
今では微笑ましい話ではないが、
昔の社会や家族の関係性がよくわかる。
昨夜、宿で「語りべ」の話でもあったが、
この場の空気は、全てを物語る。
歩いて…曲がり家に行く。
馬小屋と一体の住居は

南向きの縁側で陽だまる。
しばし時間が止まった。
蒼い空と遠くの山々に囲まれる「広野」
追われる時間の生き方が
無性に虚しく想えてくる。