フランス~スペイン~ポルトガル巡礼から
帰国して数日後のこと。
教皇様がスペインを訪問しておられること、
サグラダ・ファミリアでごミサを捧げられると知った。
日本時間では深夜。
「そういえば私、
つい先週までスペインにもいたんだ。」
そんなことを思いながら、
ふと旅の写真を見返していた。
すると、一枚の写真が目に留まった。
レオンで、ガウディの銅像と一緒に撮った写真だった。
その時の私は、
「このおじさまはどなたー?まぁ、ガウディ!」
その程度の認識で、銅像の隣で写真を撮り、
目の前にある建物を眺めていた。
後になって知った。
その建物は、アントニ・ガウディが設計した
「カサ・ボティネス」だった。


巡礼中の私は、
ただ美しい街並みの一つとして見ていた。
しかし帰国後、
サグラダ・ファミリアについて調べ始め、
ガウディの思想や信仰に触れる中で、
その時の風景がまったく違って見え始めた。
ガウディは単なる天才建築家ではなかった。
晩年の彼は、
まるで修道士のように祈りながら生きた人だった。
彼はこう語ったという。
「私の師は自然である。」
自然の中に神の創造の知恵を見出し、
その神の栄光を建築によって表現しようとした。
そしてサグラダ・ファミリアについては、
「私の依頼主は急がれない。」
とも語っている。
依頼主とは神。
自分の生きている間に完成しなくてもよい。
大切なのは、
自分に託された働きに忠実であること…と。
私は今回の巡礼で、
「神様は今も働いておられる」
ということを、教理ではなく体験として受け取った。
ルルドで…ザビエル城で…タメイロンで…レオンで…
サンチャゴ・デ・コンポステーラで…ファティマで…。
出会った人々を通して。
そして今振り返ると、
レオンでのガウディとの出会いも、
その流れの中にあったように思う。
その時は意味が分からなかった。
ただ目の前にあっただけだった(笑)。
けれど帰国後になって点と点がつながり始めた。
巡礼とは、
旅先で全てを理解することではないのかもしれない。
むしろ、帰ってきてから
少しずつ意味が開かれていくものなのだろう。
レオンのカサ・ボティネスの前で撮った写真...
その時はただの記念写真だった。
でも今の私には、
「あなたが完成させなくていい。神が完成させる。」
そんなガウディのメッセージを
静かに語りかけてくれる、
大切な一枚になったのだった。
人生って本当に興味深い!
…そんなことをふと考えた。
忘れたくなくて備忘録。
お付き合いくださりどうもありがとうございます。
