中学生の時、国語の授業で、その時教科書に載っていた物語の続編を書いてこいとの宿題が出されたことがあった。俺は小説の面白さに目覚めた時期だったので、サスペンス、ミステリー含め、最後は感動で終わらせる物語を1日で原稿用紙10枚以上書き上げて、次の日に提出した。自分の宿題提出史上異例のことだ。そして次の国語の授業の時、先生が言った。「なかなか面白い出来のものがあったので発表する。」おれは胸が高なった。ぜったいおれのが読まれる。


でも読まれたのは違う人の作品だった。その作品は確かに面白かった。クラスでもユーモアのある良い奴の作品で、教科書に載るような文学作にもギャグを織り交ぜながら原稿用紙3枚くらいにコンパクトな長さにまとめられているのも良かったと思う。先生が読み終わった後に、クラスの中に笑顔がいっぱいあった。


その時思った。人生力込めて頑張るよりも多少おちゃらけても楽しい方がいいんだ。クラスに溢れる笑顔を見ながら、悔しいけれどもそう感じた。


「最後にもう一品、、、」


え?


先生が続けた。


「次は長篇だぞ。ゆうじの作品だ。」


え、まじ?


先生が読み始めた。さすがに朗読のうまさもあって、皆んなちゃんと聞いてくれていた。改めて、いろんな人間ドラマや伏線回収などもあってなかなかの出来だと自分でも思った。そして最後のところで一旦止めて先生が言った。最後がいいな、、


「これにて一件落着!」


なんと最後はギャグで落としてたんだ。

教室からは温かい拍手が溢れていた。素直に嬉しかった。


この時思った。自分がやると決めたことは信じてやり抜いて最高のものを作る。


5分で前言撤回することになった厨二病少年の思い出です。