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2008年10月号 ~読書の秋~志羽竜一くんの本

寒くなりましたね。寒くなると温かい紅茶やコーヒーが欲しくなります。カフェでゆったりしながら読書なんて素敵ですね~。ということで今月号は「読書の秋」をテーマにしようと思います。1年ぶりの登場、作家の志羽竜一(しばりょういち)くんの作品をご紹介します。

彼が、私にとって小学生時代からの大事な友人だから紹介するわけではなく、彼の作品が本当に面白いからです。正直言うと、いつから彼にこんな才能があったのか私はまったく気づいていなかったのですが、彼の繊細な心と鋭い洞察力とが彼の作品に表れているのは確かです。彼の人となりや前作は2007年10月号 をご覧ください。私との面白エピソードも載っています。

その志羽くんの新作はこちら。
「アムステルダム ランチボックス」(メディアファクトリー発行)

最近話題のケータイ小説が文庫本になったのです。モバイル版L25でPV第1位に輝いたんですよ。すごいでしょ~!!
毎日更新という大変な中出来上がったこの作品。アムステルダムというバーを舞台にした4人の男女のラブストーリーなのですが、ただ甘いラブストーリーではありません。男性が書くラブストーリーだから甘すぎないのかなぁ。かといって、よく女性の気持ちをうまく表現できているなぁなんて感心もしてしまいました。本の帯に「突き刺さる、リアル・ラブストーリー」と書かれていますが、本当にその通りの作品です。
テンポもよくてあっという間に読み上げてしまいますよ!

そして、今回もこのセレクションに志羽 竜一くん本人からメッセージを寄稿してくれました。

こんばんは。
20年前にクラスメイトの青木真麻から「義理チョコ」と付箋の貼られたチョコレートを頂戴したことで一躍クラスのスターダムにのしあがった志羽です。おしゃれなスプレーチョコでした、甘くて苦かったです。

さて、今年もはや10月となりました。

10月が誕生月の自分は毎年誕生日までが夏!と決め込み、誕生日まで断固としてビーチサンダルで街を闊歩しているのですが、いやぁ、それにしても今年の夏は寒すぎる。
10月なのに秋みたい。
というか秋をすっ飛ばして冬みたい。
だから部屋から出たくない、そうすると人と話す機会がない、気づけば今日はまだ犬としか会話していない(それも犬から一方的に罵倒された)、とかいう日がすくなくありません。

ちくしょう、それでも10月は夏なんだ、ビーチサンダルを履き、表参道を歩くオシャレさんたちからクスクス笑われながらも強くたくましく生きていくんだ、と例年ならば頑なに自分だけ夏に生きているのだけれど。
先日、あまりの寒さに出来心で靴下をはいてしまいました。久しぶりにはいた靴下が心にしみるように温かく、犬にまで蔑まれる自分を省みて涙が出ました。ありがとう靴下。
その瞬間に、秋を宣言した次第です。

で、秋。
○○の秋ってよく言うけれど、どうせ秋を宣言したのなら、と自分は今年の秋を「エレキの秋」と銘打ちました。
エレキ、つまりエレキギターです。
30を過ぎてからはじめたエレキギターだから今もまだバリバリの初心者なのだけど、秋の月夜にはエレキの響きもひと味違う、気がする。バンドをやりたい、と言い出した自分に無理矢理つき合ってくれている友人たちと比べて、自分一人だけ技術が稚拙なので、ここはひとつ気合いを入れて練習に励むことにしました。
毎日必ずエレキギターに触る。5分でも10分でもいいから触る。
次にスタジオに入ったときの皆の驚く顔を目に浮かべながら……。

2008、エレキの秋。これだ。

急に降り出した雨のなか仕事場から帰った夜。
シャツもデニムも濡れたまま、立てかけてあるギターに手を伸ばす自分。
アンプに繋ぎ、前髪をかき上げ、
夜を裂くような勢いで右手のピックを振り下ろす。

ジャーン!

とギターをかき鳴らせば、犬が弾丸のような早さで飛んできて「下手くそが偉そうにRock語るんじゃネェ、この甲斐性なし!」と吠えたてます。「ごめんなさいすいません、ヘッドホンしますから」と謝ると「すぐ飯の仕度もな」としぶしぶ納得してクッションのうえにふんぞり返る犬。秋のエレキにはヘッドホンが必需品です。
そんな夜にも、靴下は温かく。

みなさんも素敵な秋をお過ごし下さい。

志羽 竜一









あれ?全然本の宣伝じゃないですね~。
でも、おもしろい!!

だから私がもうひとつご紹介しておきます。9月から月イチで新しい連載が始まっています。
http://www.creap.jp/novel/index.html

ぜひこちらも読んでみてくださいね。私も読んでまたブログに感想書きたいと思います。
では読書の秋もお楽しみください。