落語協会の黙認誌『そろそろ』が企画している落語会に初めて行きました。そして、こんな演目でした。




・子ほめ  … 柳家しろ八

・もぐら泥 … 柳家小もん

・お菊の皿 … 五街道雲助

お仲入り

・縄の手品 … ダーク広和

・もう半分 … 五街道雲助


1.子ほめ/しろ八

小八師匠のお弟子さんで、今時の前座さんは噺が本当に上手いのですが、道で番頭さんに出会う場面を割愛するなら、厄年の仕込みも不要な気がするが


2.もぐら泥/小もん

小里ん師匠のお弟子さんで、前座時代から見ている咄家さんですが、いやはや、明るく動きも大きくて実に好感が持てる若手らしい落語を致します。


3.お菊の皿/雲助

一応、幽霊は登場しますが、怪談噺ではなく落とし噺です。『豊志賀』とか『宗悦殺し』やられるよりは、良かったです。


4.紐の手品/ダーク広和

素晴らしいsimple is Best!な手品でした。


5.もう半分/雲助

真冬にやる怪談だから、もう半分の爺さんが言う暑くて酒でも喰らわないと眠れませんからの科白は、流石にカットされていた。

あと、演出で雲助師匠が芝居風の科白廻しで、煮売屋のオヤジが八百やの爺さんを殺す場面で、ハメ事になるのですが、普通なら拍子木で入れて欲しいチョンが太鼓で入れるから、何となく間抜けに成りました。


6.雲助師匠へのインタビュー

『お菊の皿』『もう半分』の演じ方はどう違うのか?と聴かれた雲助師匠。『もう半分』は怪談噺だから、人情噺の様に喜怒哀楽を直線的に演じれば良いが、『お菊の皿』はそんな単純じゃないと言う雲助師匠。

落とし噺は、ネタ振りの段階から、馬鹿、道化、与太郎を演じながら、仕込みを入れて噺全体を面白可笑しい空気を作って於いて、伏線を回収してサゲに持ち込む必要があると言う。

流石、雲さん!若手は感心していたが、雲助師匠は志ん生のレベルの落とし噺を語っていたのが本当に判っていたのやら?!

そうそう、何時から何の噺で怪談噺を始めたか?と、聞かれた雲助師匠。二つ目に成って割と直ぐの落語会で、志ん生の様には中々稽古しても出来ないが、圓生の様になら稽古すれば出来る!

と、言ってしまったら、圓生贔屓のお客さんから打ち上げの席で、累ヶ淵を通しでやってみろ!と、言われて口にした手前、後へは引けなくなり累ヶ淵を稽古し、最初の演目は『豊志賀』だったらしい。

因みに、雲助師匠は圓朝物は速記から圓朝の言葉は一言一句置き換えないそうで、だから、雲さん、単語の意味が分からなく喋っている部分も有ると言っておられました。

尚、雲助師匠の好物は、中華の肉団子!決してミートボールではなく、肉団子だそうです。


次回、三月のテーマは「人情噺」主催者が選んだゲストは柳家喬太郎師匠です。