今年最後の私が観る五街道雲助一門会。此の会は2010年、横浜にぎわい座が発祥の会である。なかなか、有りそうで無かった五街道雲助一門の四人を集めての一門会。
布目現館長が、故歌丸館長時代に始めたヒット企画で、にぎわい座で12年のロングヒット企画である。最近は都内で何箇所も同じ企画が開催されているが…にぎわい座が発祥です。
さて、にぎわい座では、年に三回程開催の五街道雲助一門会、2020年の師走を締める内容は、此の様な演目に成りました。
1,寄り合い酒 … 柳亭市松
来年二月に二つ目になる市松くん。市馬師匠のお弟子さんで、ハキハキしていてシュッとした今時な前座さん。
久しぶりに、『寄り合い酒』で、盥を使い酒を盗む所から始まるパターンで聴きました。続いて、緋鱈、カズノコ、鰹節、与太郎の味噌で下げました。
2.粗忽の釘 … 隅田川馬石
マクラでは、にぎわい座の一門会が12周年で、W杯を三回経験している!と、時節柄なニュースから入る馬石師匠。
来年正月十三日に馬石師匠と龍玉師匠の兄弟会を横浜にぎわい座では初めてやるからと、PRする馬石師匠。長講の人情噺と滑稽噺の会。
馬石さんが『文七元結』、龍玉さんは『らくだ』。『らくだ 』滑稽噺なのか?と、落語辞典で確認し、ギリ滑稽噺と謂う事になったらしい。
其れにしても、『文七元結』と『らくだ 』と謂う組合せは、珍しいし、一日で此の二席は聴く客はしんどくないのか?私はしんどい気がした。
さて、本編の『粗忽の釘』。馬石師匠らしくスピード感がありつつ、実に丁寧である。そして、大工の粗忽者がカンナを柱に掛けるシーンが大爆笑である。
又、古今亭らしく、冬だし、盥の行水ではなく、縁日に奥さんを連れ出して、腰巻を三つ買う噺が笑いと泪の塩梅が良い。
3,姫かたり … 五街道雲助
はじめさんのblogに『姫かたり』の記事が出て間もなく、タイムリーに雲助師匠で『姫かたり』が聞けました。
十三年前に、志らく師匠で聴いて以来の久しぶりでした。はじめさんの記事を参考にどうぞ。
『姫かたり』 https://hajime-17.blog.jp/archives/2026761.html
4,ぞろぞろ … 蜃気楼龍玉
茲もマクラは十三日の兄弟会の話題から入る龍玉師匠。そして、軽い感じで『ぞろぞろ』へと入りましたが、これが実に細やかで古今亭らしい一席でした。
5,四段目 … 桃月庵白酒
マクラの出だしは、ダメ押しで馬石&龍玉兄弟会のダメ押しPR。白酒師匠も『文七元結』と『らくだ 』は如何な物か?と、突っ込みを入れました。
井上尚弥の四団体統一戦と、五街道雲助一門会が重ならなくて良かったと謂う、格闘技好きの白酒師匠。
後楽園ホールくらいの会場の方が、有明アリーナや横浜アリーナより、臨場感が伝わると謂って、後楽園ホールに付いている客のあるある噺へ。
そこから、懐かしい馬場さんの噺などを入れて、芝居興行や芸人の噺を振りながら、本編の『四段目』へ。
相変わらず定吉の可愛さが光る白酒師匠らしい、ボケとクスグリ、そして、アドリブ感が噺を飽きさせません。
コロナに二回も感染して、痩せた?白酒師匠、曰く。老人客が家族から『夜中は落語はダメ!』と謂われるらしいが、
コロナの感染に、密や昼夜は関係ない!仕事が忙しくて弱っている時に感染するだけだ。たから、家族でクラスターしているのに、
免疫力バッチリで、常に健康な女房だけ、二回共掛からなかった!と、悔しそうに呟いていました。