墨亭の瀧口さんの主催で、永谷のお江戸日本橋亭で開催された、神田春陽先生の独演会。
今回は、『天保六花撰』の「河内山宗俊の松江公の玄関先」がネタ出しの公演でした。
そして、ゲストには小満ん師匠と長唄の浅吉さんの二人で、こんな内容でした。



1. 大久保彦左衛門の初陣 / 伊織
何度か聴いている前座さんですが、毎回軍記物の固い噺ばかりを聴いている印象が御座います。

2. 木津の勘助 / 春陽
マクラは、東京のコロナの陽性者が五百六十人まで減った噺をして、一月前は、島根県に居て、その頃は、東京の陽性者が五千人を連日越えていた!!
そんな話題から、本編は、『木津の勘助』。数年前に、両国亭の愛山・喬太郎の会で聴いて以来でした。
金持ちの娘さんが、百姓の勘助の家へ嫁に行くのですが、箱入り娘には、田舎暮らし百姓暮らしが、なかなか大変!
春陽先生がやるから、随所に笑いが散りばめてあるので、なかやか楽しい噺に成りますが、
恐らく他の講釈師では、こんなに笑いは生まれないと思いました。

3.目黒の秋刀魚 / 小満ん
いやぁ〜マクラから、師匠らしい緩い駄洒落で、三代目金馬のマクラと同じ、築山の月を殿様が観ているスキに、用人の欣也さんが鯛をくるり!とひっくり返す。
本編も、小満ん師匠らしいゆっくりした秋の時間が流れて行きます。


4.長唄 / 浅吉
浅吉さんの『虫の声』がたまらなく良かった!!三味線を駆使して鳴く虫の声でした。


5.松江公の玄関先 / 春陽
可哀想な人が来ています!と、花緑師匠の二番弟子ですかねぇ、柳家緑君改め緑也さんが、
新真打の興行が明日21日からの鈴本から始まると、宣伝しに来ておりました。
さて、本編は三代目神田伯山の型で、北村大膳だけ北村大膳に変えて演じておりました。
殆ど、先に聴いた松鯉先生と同じでしたが、やっぱり、河内山宗俊の貫禄が、松鯉先生の様にはまだまだですね。
どんどん講座に掛けて欲しいのと、連続でやって欲しいです。

全く余談ですが、阿部寛と黒木瞳が出ていた『天晴れ!夜十郎』で、
河内山宗俊を、石坂浩二が演じていましたが、あれはなかやか宜いと思いました。